電子図書館的機能・サービスへの取組み

 

 

大学図書館における電子図書館的機能とは、一般的に次のように言われています。

『大学図書館が自館のWebページを立ち上げ、それを共通のゲート・ウェイとして、デジタル化された様々な情報サービスをインターネット上で統合化して公開・提供し、利用者はインターネットを通じて、それらのサービスを享受するという機能及び形態である』 (平成10年度慶應義塾大学学事振興資金による研究(共同研究)「大学図書館の電子化と評価の枠組み」報告書)

当館は、図書館・資料のハイブリッド化(※紙ベースの情報資源とデジタル形態の情報資源が混在化し、また、物理的な図書館の建物のなかに存在する情報とネットワーク上に存在する情報資源が併存している状況)が進展していることを踏まえ、電子図書館的機能を充実させていくことが図書館サービスの重要な課題であると捉え、これまで様々な取組みをしてきました。その内容は、@紙媒体資料をインターネットやコンピュータソフトにより快適に利用できるようにすること、及び、Aデータベースや電子ジャーナル・ブックへの可能な限りのアクセス環境を整えること、の2点に集約されます。その取組みは、以下の10項目に渡り、これまで着々とその環境・基盤を整えてきました。今後も更に力を注いでまいります。

課題&対応

 課題の種類

課題・対応内容 ※ポイントのみを記載しました。詳細および今後の目標については、各項目をご覧ください。

目録の電子化

課題:所蔵している図書や逐次刊行物については、全て電子目録化すること。

対応:ごく一部(アラビア語・ベトナム語等)を残して、すべて電子目録化しました。

検索システムの高度化

課題:外部インターネットサイトへのリンク機能や研究・学習支援機能などを強化すること。

対応2003年に多言語対応、オンラインサービス機能、外部インターネットサイトへの連携の充実を図りました。

横断検索システム導入

課題:蔵書検索システム、各種データベース、Webサイトへの横断検索システムを実現すること。

対応2006年にMetalib/SFXを導入(本学の愛称は「Synergy」)することで適正化させました。

資料入手機能の充実

課題:検索から資料入手へのシームレスな連携がなされるシステムを実現すること。

対応2007年にMetalib/SFXと図書館間相互協力システム並びに購入依頼システムとの連携を図りました。

閲覧システムの高度化

課題:紙媒体資料の予約や宅配貸出依頼に機能的に対応した閲覧システムを実現すること。

対応2005年〜2006年にかけて適正化。今後も更に高度化を推し進めていく方向です。

パソコンの十分な配備

課題:電子資料を利用し、活用する基盤として、図書館内に十分なパソコンを配備すること。

対応:現在、館内各フロアーに配備され、その台数は、全部で166台となりました(20104月に新機種に)。

ホームページの高度化

課題:図書館ホームページを、研究・学習用ポータルサイトとして高度化・多機能化させること。

対応2008年に「DB Navi」「Link Navi」をサイト化し、情報へのアクセス、利便性を高めました。

商用データベースの導入

課題:電子ジャーナルや商用データベースを積極的に導入すること。

対応:商用データベースは約75種類を導入(2010.4現在)。フリーのデータベースを含め約500種類を搭載したDB Naviを作成しました。

リンク集の充実

課題:本学の設置学部・学科・専攻に対応した本学独自のリンク集を作成すること。

対応:「Link Navi」(リンク集)を作成し、約1200種類のインターネットサイトをリンク付けしました。

情報リテラシー対応

課題:知識基盤社会に対応したリテラシー能力を身につけるためのポータルサイトを構築すること。

対応資料入手フローのページを充実させ、必要とする情報の調査・検索・入手までを明示しました。

目録の電子化

1986年から蔵書目録の電子化に着手。現在(2007.8)、所蔵資料の目録は、一部を残し(※アラビア語やベトナム語等)、約90万件が電子目録化され、また、日々受け入れている図書の電子目録化も定着しました。最近では以下の対応を図りました。

@世界標準の電子化目録のプロトコルであるZ39.50(クライアント)対応

A多言語対応

l 今後の目標:@2003年から目録の多言語対応は可能となったものの、未だ一部の言語ついては電子目録化が進展していないものもあり、今後着手します。A洋書の全集については、1データ中に各巻表記をしているため検索に不便をきたしているため、各巻1書誌とすることを目指します。B国立情報学研究所への所蔵提出を更に推進します。

蔵書検索システム

蔵書検索システムは、絶えず改良を進めてきた結果、現在以下のような機能・特色となりました。また、図書館とは別機関であるワールドランゲージセンターや要件事実研究所の資料も検索できるシステムとなり、今後その他の学内資料所蔵機関との連携も期待されています。

@ 種類:単純検索・基本検索・主題検索・新着図書検索・展示図書検索(2009.3月稼動) →[詳しい説明]

A 基本検索の機能・特徴

l 索引連携による著編者や書名等の同定機能

l 電子ジャーナル・ブックへの検索機能

l 当館に所蔵されていない図書を図書館用図書として購入依頼する機能 ※国会図書館マーク等を準用しています。

l 検索結果のピックアップ・保存機能:レポート作成に役立つようにメモリースティックへの保存やMy Seasonへ格納し、その後CSV保存ができます。

l 図書の目次・内容表示機能 ※「図書表紙」(丸善提供)、「図書内容」(国立情報学研究所「WebcatPLUS」)へのリンク表示

l 本学全学読書運動「Soka Book Wave」の感想文を表示。[2009.4New]

l 所在マップ表示 ※展示用図書や当日返却処理され所在がカウンターにある場合のマップ表示対応など。

l オンライン申請(予約申請・宅配申請・出庫申請など) ※20083月に教職員・学生(通教生を除く)のLDAP対応を図りました。ポータルから入れば、ユーザー認証が不要となりました。 ※利用対象図書が「カウンター」にある場合は、取出Web申請ができます(2008.11月稼動)。

l 検索結果が0件だった場合、図書購入依頼・学外図書館への文献複写依頼等・横断検索へのシームレスな連携機能

l 雑誌検索詳細画面で、当該雑誌が誌名変遷していれば、「変遷MAP」を表示できます(2009.2月稼動)。

B主題検索の機能

l 図書:階層検索と自然語(NDC相関索引)検索対応

l 雑誌:主題テーブル検索対応

C新着図書検索の機能

l 当日〜7日前・14日前・21日前・31日前・62日前に整理された図書の検索ができます。

D展示図書検索

l 特集展示や全学読書運動[Soka Book Wave]展示図書を検索することができます。[2009.4New]

E英語版対応

l 20072月に英語版蔵書検索システム(「基本検索」、「主題検索」、「新着図書検索」)を正式にスタートさせました。

F携帯電話対応[TIShttp://tis-soft.net/book.htm]

l 検索システムに適用させました。併せて「開館日程」、「新着情報」、「個人状況照会」について携帯電話サービスで対応するようにしました。

l Gオンラインシラバス連携

l オンラインシラバスに記載されている教科書・参考書が図書館に所蔵されている場合は、リンク付をいたしました。[2010.4New]

Hパスファインダー連携

l 「学習テーマ一覧」(パスファインダー)を作成しました。[2010.4New]

今後の目標:@更なる学習・教育・研究支援機能の充実。A創価大学総合目録の構築。BWeb2.0対応(利用者参加型蔵書検索システムの開発:お薦め図書やリコメンド機能など)

横断検索システム

学習・教育・研究推進のために、外部機関の所蔵や電子資料を横断的に検索できる環境の構築を図りました。そのための仕組みは、リンクリゾルバによるべきであると判断し、イスラエルに本社がある「ExLibris社」が開発した「Metalib/SFX」を2006年度に導入しました。[詳しい説明]

@本検索システムは、複数の文献データベース等を横断して検索することが可能な「Metalib(メタリブ)」と、文献検索データベースの検索結果から文献複写依頼などの資料調達画面へとナビゲートしてくれる「SFX(エスエフエックス)」の2つのシステムで構成されています。

A20078月現在、「和書・和雑誌」、「洋書」、「人文・社会系電子ジャーナル」、「自然系ジャーナル」に4グループ化し、その下に合計で34種類のデータベースが横断検索できるようになっています。

l 今後の目標:@更に検索対象のデータベースを増やしていきます。A使いやすいインターフェース、機能の改善を図っていきます。

資料入手機能の充実

基本検索や横断検索で必要な資料が本学にない場合に、資料入手プロセスを確保するシームレスなゲートウェイ機能の構築を、以下の通り図りました。

@本機能は、「Metalib/SFX」の「SFX(エスエフエックス)」機能により、対応させました。

A従来は、下記については、個別のシステムで文献入手を行うしか方法がありませんでしたが、横断検索後、この機能によりシームレスな資料入手機能を実現させました。また、資料入手のための各システム(文献複写依頼や図書購入等)に画面遷移させる際のUser認証方式をLDAP方式にいたしました。

従来の資料入手の方法

 

新たな資料入手の方法(SFX機能)

@電子ジャーナル・ブックを個々に検索してアクセスする。

個々の学術論文等へのダイレクトな画面表示

A学内図書館に行って図書を閲覧する。

本学蔵書検索システム画面の当該書誌へのリンク

B図書館蔵書として購入依頼し、整理後に閲覧する。

購入依頼画面へシームレスなナビゲート

C他の大学図書館へ文献複写依頼等により入手する。

文献複写依頼画面等へシームレスなナビゲートしてくれる。

l 今後の目標:@図書館間協力システム(SuperHabil MBA社)というシステム)における文献複写依頼機能等の向上を、一層図ります。A購入依頼システムの改良を目指します。BGoogleAmazon.com等からの本学蔵書検索システムへの連携の可能性を検討します。CeDDS(電子的ドキュメント・デリバリー・システム)の構築を検討します。

閲覧システムの高度化

紙媒体資料の電子図書館的機能・サービスを円滑に運用するための基幹システムとして、閲覧システムの高度化・多機能化の構築を図りました。その一例は下記の通りです。

@各種オンライン申請(図書の予約・継続・宅配貸出・出庫依頼・短大所蔵図書貸出等)及び電子メール通知サービスを実現しました。更に、グループ学習室の貸出予約のオンライン化を実現しました。[2010.4New]

A上記オンライン申請があったものを、翌朝閲覧システム稼動時にカウンター内にあるレシートプリンターで自動出力をするようにしました。

B個人状況照会機能:貸出状況、予約状況、在学中の貸出履歴を利用者自身がダウンロードできるようにしました。

C展示中の図書や返却処理した当日の図書については、検索画面で所在がわかるようにしました

D個人情報を守るための取組みとして、オンライン申請時のSSL対応及び利用情報の個人情報保護プログラムを運用する方向としました。

E開架図書の全てのICタグ化を実現させました。また、自動貸出機を導入しました。[2010.4New]

l 今後の目標:@資料利用方法の一層の合理化・システム化。A電子ブックの利用管理。

パソコンの十分な配備

電子図書館的機能のインフラ及びインフォメーション・コモンズを視野に入れた場合の基本条件として、以下のようにパソコン環境を整えました。

@図書館の各閲覧室および書庫に、全部で166台のパソコンとプリンター7台(1階閲覧室3台、2階閲覧室1台、4階閲覧室3台)を配備しました。なお、蔵書検索専用パソコンは、123階閲覧室に合計8台及び書庫に3台を配備しました。

A情報コンセント対応を4階閲覧室の各机に、また、無線LAN対応を2階ブラウジングルームに設置しました。

l 今後の目標:@学習に必要なソフトの導入。A学内ネットワークに接続できない利用者対策。

ホームページの高度化

図書館のハイブリッド化を視野に入れ、紙媒体資料と電子媒体資料を利用する上で混乱が起きないように分かりやすく整理し、また、利用者の資料利用の形態を考慮したホームページを構築しました。その一例は下記の通りです。[詳しい説明]

@トップ画面:四季に応じたバックデザインの自動更新、Google的な簡潔な検索窓、サイト内検索を使いやすいものとしました。

Aサブページ:利用案内、資料案内など、図書館サービス全体について、理解しやすいページにしました。

B英文ホームページを5年振りにリニューアルオープンしました。[2010.4New]

l 今後の目標:@学術情報ポータルの作成。 A学習・教育・研究支援ポータルの構築

商用データベースの導入

電子図書館的機能を果たす最も基本的な条件として、商用データベース、電子ジャーナルの導入を、下記の通り積極的に図ってきました。

@商用データベースは約75種類を導入。フリーのデータベースを含め、本学独自の約500種類からなるDB Naviを作成しました

A電子ジャーナル:主要な出版社系・アグリゲータの電子ジャーナルの導入を積極的に推進しました。

B電子ブック:欧米の著名な学術図書出版社(Springer社・ACLS等)の電子ブックの導入を開始しました。

※導入が進展した背景は、ビッグ・ディールPULC(公私立大学図書館コンソーシアム)の取組み、補助金の適用が主な要因。

l 今後の目標:@より一層の導入を図る。Aデータベースガイダンスを積極的に開催することで利用促進を図る。

リンク集の充実

学習・教育・研究を支援するため、本学独自のLink Naviを構築しました。

@43種類の大項目のページを作成し、その下に約1200種類のインターネットサイトをリンク付けしました。

l 今後の課題:@Up Dateを頻繁に図る。A各サイトの特徴や機能を熟知することでレファレンスツールとして活用を図る。

情報リテラシー対応

電子図書館的機能を充実させた効果を産むため、また、教職員・学生の多くがデータベース等を積極的に利活用できるように、カラー刷りのデータベース毎のパンフレット作成や、各種ガイダンスを開催するなど、情報リテラシー支援を積極的に行ってきました。主なポイントは下記の通りです。

@資料入手フローのページを作成し、情報の調査・検索・入手までを明示しました。※アクセスポイントは、基本検索画面。

A慶應義塾大学の協力を得て、情報リテラシー習得術のページを立ち上げました。

B年々増加する図書館ガイダンスやデータベース講習会に対応できるよう、ガイダンスルームを設置しました。

Cガイダンスや講習会への参加をインターネットで申し込めるようにしました。

l 今後の目標:@情報リテラシー能力、論文作成能力を高めるための本学独自の情報リテラシーに関するポータルの作成を目指します。A本学独自の「情報リテラシー習得術」のページの作成を目指します。

対応が遅れている機能

電子図書館的機能として、下記の情報発信機能が遅れているため、今後積極的に取り組んでいきたいと思います。

@機関リポジトリ:本学研究者が著した学術雑誌論文、学位論文、紀要論文のほか、日常的な教育・研究活動の中で生み出される文書、講義ノート、教材等を電子的形態で集積し、保存・公開するための電子アーカイブシステムの構築を、教員組織及び学内関連部課と連携をとりながら実現を図っていくこと。