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キャンパスライフ

【vol.45】 フランス パスツール研究所 岡田 麻美

工学部生物工学科26期 大学院博士前期課程修了
博士(保健学) 愛知県出身

岡田 麻美 「アフリカに貢献したい」、高校生の時に見たあるテレビ番組で、貧困や感染症に苦しむ、アフリカの子供たちの実態を知り、“ここに私の生きる道がある。最も苦しんでいる人のために、学び、働こう”と決めた岡田さん。現在は、微生物や感染症研究の世界的権威であるフランスのパスツール研究所に研究員として赴任しています。
岡田さんに、パスツール研究所での研究内容、学生時代、これからの目標について語ってもらいました。

★“アフリカ貢献が自分の生きる道”と決めるに至ったきっかけは何ですか?

・・・私は高校受験に失敗しました。本当にあのときは苦しかったですね。しかし不合格となった時に、優秀な学校で学びたいとの思いはあったものの、自分には目的や目指すゴールがないことに気がつきました。受験の失敗を機に、自分自身と向き合うようになったんです。そんなある時、かつて聞いた創大創立者・池田大作先生の「一番苦しんでいる人が一番幸せになる権利がある」との言葉を思い出しました。自分も一番苦しんでいる人に一番尽くせる生き方をしたい、その思いがふつふつと沸き起こりました。しかし誰に対して、何をすることができるのか、そこに思いを巡らせている時にたまたま目にしたのが、貧困や感染症に苦しむアフリカの子供たちの実態を伝えたテレビ番組でした。紛争による飢餓でただ死を待っているだけの子供たちの映像はいまだに鮮烈に脳裏に焼き付いています。その後も逡巡を繰り返し、15歳で決めたのが、アフリカに貢献するために医者か研究者になろうということでした。 研究室の仲間と

研究室の仲間と

★岡田さんは、現在パスツール研究所で研究員をされていますね。

・・・パスツール研究所のアートゥー・シェルフ博士の研究室でマラリアの研究をしています。研究内容は、ヒト赤血球内に分泌されるマラリア原虫の酵素の分子学的機能解析です。マラリアはエイズに次いで多くのアフリカの人々の命を蝕む病です。この研究によって、抗マラリア薬の新しい標的分子を固定することを目指しています。3年間の予定で研究員として赴任をしており、あと1年半となりましたが、なかなか論文を作成できず、研究者としては、大変に辛い時期を経験していると言えます。ただ、どんな時でも、研究の手は止めない、その強さは創大で培いました。 パスツール研究所

パスツール研究所

★パスツール研究所といえば世界的権威のある研究所です。どんな時でも研究の手を止めない、その強い意志が岡田さんをパスツール研究所まで導いたと言えますか?

・・・そうですね。意志というよりも、使命感だと思います。そして何より人に恵まれたと思います。私はアフリカの人々のために生きることを決め、研究者として創大で歩み始めました。一番苦しかったのが大学院の修士2年生の時でしたが、同時に研究者としての好機を手にした時でもありました。大学院での研究生活は非常にハードなものでした。自分一人に対して指導教官が3名という環境も大きなプレッシャーでありましたし、何よりも自分に研究者として必要な能力がなさ過ぎるという現実に悩み苦しみました。いつしか私は不眠症とうつ病に。そんな体力の限界の中、研究者として必要な博士号の取得を目指し、アメリカの大学院への進学を考えていました。そのために有効な情報を得ようと参加したのが、分子寄生虫ワークショップという小規模な学会でした。何せ合宿のようなワークショップでしたので、寄生虫を専門としていない女の子が一人で参加して、しかも一生懸命に質問をしているということで、相当なインパクトを与えて(笑)。当初の目的であるアメリカの大学院についての情報は得られなかったのですが、そのワークショップに参加されていた国立感染症研究所の野崎智義先生がその後「一緒に働いてくれる人を探しているのだが」と声をかけて下さり、経済面の不安もありましたので、留学を断念し、修士課程修了後、国立感染症研究所の寄生動物部に就職することとなりました。その後、野崎先生の強い勧めで研究者として必要な博士号を取得するため、東京大学大学院博士課程へと進学し、国際保健学を専攻。良き教官・先輩に恵まれ、地道な研究成果が実り、「赤痢アメーバ」に関する論文で、「保健学博士号」を取得することができました。そして、その論文と履歴書をフランスのパスツール研究所のアートゥー・シェルフ博士に送ったところ、すぐに「雇います」との返事を頂くことができ、3年間の予定で、研究員として赴任することとなりました。不眠症とうつに苦しんだあの苦しい時でさえ、研究をやめなかった情熱は創大で培われたものですし、本当に多くの方々の支えがあっての今であることに心から感謝しています。 パスツ-ル博物館の前にて/Frejusにて、研究室の仲間と/研究所内 パスツールの像

★研究へのその情熱を培った大学時代の原点を教えて頂けますか?

・・・在学時、パン・アフリカン友好会に所属し、アフリカに関心をもつ友人たちとともに、歴史や政治、環境問題などを研鑽しました。また同友好会の一員として、多くのアフリカ諸国の要人を大学などで歓迎する機会に恵まれました。中でも1998年、大学3年生の時に、南アフリカ共和国のムベキ副大統領(現・大統領)が創立者のもとを訪れた際には、友好会の皆と同国の国歌「コシシケレリアフリカ(反アパルトヘイトの団結の歌)」を合唱し、歓迎をしました。アパルトヘイトで苦しんだ人々を思い浮かべながら真剣に歌った私たちのコシシケレリアフリカにムベキ氏は大変に喜んでくれました。「21世紀をアフリカの世紀に」とアフリカのため、世界の平和のために行動する創立者をはじめ、アフリカの人々の幸福のために闘争してきたムベキ氏らとの出会いは、“アフリカの発展に貢献したい”との夢を“必ず貢献する!”との誓いへと変え、揺ぎ無い自身の使命の道と決めることができました。ですから、どんなことが起きようとも、“誓いを果たさなければ自分は無い!”と鼓舞し、研究の手を止めることはできないと思ってきました。 パリの朝市にて

パリの朝市にて

★岡田さんの今後の目標は?

・・・まずはパスツール研究所で研究成果を出し、論文を書き上げます。その後も3,4年は海外の大学や研究所で働きたいと思っています。そこで、研究者として必要な力を身に付け、日本に戻り大学や研究所で自分独自の研究をしたいです。そこで業績を作って50歳の時には、創大に教員として戻ってきて創大が寄生虫、熱帯病研究の最先端の機関となるよう土台作りをしたいと思います。まだまだたくさんあります。ノーベル賞獲得も夢の一つです。進めば進むほどにその道の険しさを感じるので、全部捨ててしまいたいと思うこともありますが、創立者から使命に生きる人生の素晴らしさ、限界を打ち破る中に自身の成長も幸福もあることを教えていただきましたから、決して逃げません。母校・創価大学へ立派な研究者となって、恩返しできるよう頑張ります! Frejusにて、研究室の仲間と

Frejusにて、研究室の仲間と

オカダ マミ オカダ マミ/
(好きな言葉) 「誓いを果たしゆく人生が幸福な人生」
(性格) 真面目で何事にも一生懸命に取り組む
(趣味) 読書、映画鑑賞、料理
(最近読んだ本)  『宮本武蔵』 『新書太閤記』(吉川英治著)
(おすすめの本)  『太公望』 『晏子』(宮城谷昌光著)

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