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【vol.20】 経営学部 山中 馨 学部長

山中 馨 経営学部グローバルプログラム(通称:GP)は、英語で経営学を学ぶのみならず、経営の海外の現場に臨み専門知識を高度化し、グローバルな視野を養う実践的な授業。GPの海外研修で訪問した国連欧州本部では、「地球市民としての企業」とのテーマのもと、4つの講義が国連担当官によって行われ、学生との活発なディスカッションも展開されました。ますます期待の高まるGPについて、経営学部山中学部長に「グローバルプログラムの感動」とのテーマでコラムを寄せてもらいました。

★「グローバルプログラム(GP)の感動」

・・・経営学部のGPは海外研修を中心に据え、その前後にBusiness Englishの勉学を配置して作り上げた現地体験の専門教育プログラムです。海外研修の前には国内での企業訪問なども組み込まれています。
本年(2005年)は海外研修2回目でジュネーブ、パリの国連機関、教育機関を訪れて研鑽を積んできました。その内容は後で詳しく述べますが、このプログラムが学部カリキュラムに与えた教育的効果は大きく、また多くの新鮮な感動がありました。
 学部教育に関しては、私たち教員は絶え間なく教育改革のアイデアを練り、そしてそれを実行に移してはいますが、教育であるがためにその結果が明らかになるまでには数年を要するのが普通です。しかしこのGPの教育効果は即効でした。その効果とは一つには参加した学生の成長が目に見えて分かること、二つには訪問した国際機関が創価大学の研修を高く評価したこと、三つには受験生がこのGPために経営学部を選んできてくれたこと、四つには企業への就職でも高く評価されたことなどです。
国連欧州本部前にて
このプログラムのそもそもの発端は「高度な語学力を身につけた世界市民の育成を」とする創立者のご構想です。語学の大切さを強調される創立者に応えようと、「英語を道具として使いこなせる学生」を養成する方策としてこのような教育プログラムが浮上してきました。したがって、決して英語教育に終わるものではなく、経営の海外現場に臨んで専門知識を高度化し、グローバルな視野を養う実践授業です。
 このプログラムが優れている事は明白でしたが、私としては果たしてこのような形で海外へ学生を送り出すことができるのだろうか、海外渡航の費用はどう捻出すればよいのだろうかと随分悩みました。悩み出したのが2001年のことです。そこから2年を要して、ようやく出来るぞと光が見えてきたのが2年後の2003年であり、ついに第1回目の学生を送り出す体勢が整ったのが2004年というわけです。
初めての学生を送り出すことになった2004年の夏、フランス在住のある御婦人が私の研究室を訪ねて来られ、「むこうでの学生のことは私に任せておきなさい」と胸を張って言って頂きました。このように力強いおばさん(失礼)が居れば大丈夫と胸をなでおろした次第です。このことでも分かるように、このGPは固いヒューマンネットワークで結ばれた、たくさんの方々に支えられて実施できている海外研修でもあります。
「経営統計学」での授業風景
さて、このプログラムには経営学部のカリキュラムの考え方が色濃く出ています。この意味でも経営学部に特有の教育プログラムだと自負しています。そもそも経営学部が扱う学問領域は「机上の論理」で終わってしまっては全く意味の無いものです。このプログラムも「現地に出向いて実際に自分の眼でありのままの姿を見ることが一番」という実践的な考え方に基づいています。今までも経営学部は多くの実践的科目を提供してきました。例えば「トップが語る現代経営」は平成7年より本年で11年目を迎え、その間なんと160名の各界トップ経営者の方々に来て頂きました。このような贅沢な科目は他の大学ではひっくり返ってもまねが出来ないでしょう。また、「企業と経営」の講師は前プランタン銀座社長の福室先生ですし、「人間主義経営論」ではウォルトディズニージャパンの星野社長、サニーフーズの荒川社長、アジアンビューティーの松村社長、学光社の岡田社長にきて頂いています。したがってグローバルプログラムをこれらのカリキュラムの延長線上に「英語による実践型専門科目」として位置づけることもできます。
 具体的な内容ですが、研修には研修テーマが設定されています。それは「地球市民としての企業」です。まず海外研修に先立ってこのテーマに相応しい国内の企業などへの訪問研修が行われます。㈱リコー本社、日本経団連、NTT、GRI日本フォーラム事務局、国連大学内のILO駐日事務所、国連広報センターなどです。そして、2004年度は9月4日(土)から9月15日(水)、2005年度は8月27日(土)から9月7日(水)のいずれも12日間で海外研修を実施しました。参加学生数は1回目、2回目とも学部生23名、大学院生1名です。
「人間主義経営論」でのアジアンビューティ・松村社長の講義 ウォルトディズニージャパンの星野社長と学生の記念撮影
ヨーロッパでの訪問地はスイスのジュネーブ、ローザンヌそしてフランスのパリです。 訪問施設は国連欧州本部、ILO(国際労働機構)本部、国際赤十字委員会本部、国際オリンピック委員会本部で研修を受け、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の国連日本人職員との勉強会も行いました。また、世界的ビジネススクールであるIMD、INSEADで模擬授業を受け、教員スタッフとのディスカッションでは参加学生はその優秀な頭脳を遺憾なく働かせてきました。土日には本場アルプスの山小屋でのゼミもあります。2回目はこれにブリュッセル・スタディーが1日加わりました。ブリュッセル・スタディーではEU本部、ブリュッセル大学を訪問しました。国連広報官からは、「オックスフォード大学などで類似のプログラムはあるが、日本の大学からは初めてである」など、訪問した関係諸機関から賞賛の声が寄せられました。
 これらの訪問先は担当のドボルー教授がベルギー出身でIMD、INSEAD、ブリュッセル大学などに多くの知り合いが居り“つうかあ”の間柄であること、栗山教授が以前ILO職員であったことから実現できたものです。また、2回目の本年は経営学部の教員のみでなくワールド・ランゲージ・センター(WLC)のタラ・スミス先生にも大変関心を持っていただき、アメリカから直接スイスに合流して学生の指導に尽力して頂きました。感謝に耐えません。
国連会議場にて
森さん 清水さん 参加した学生の声を紹介します。
 「GPは本当に多くのことを学べる最高のプログラムでした。成長することは間違いないです。国連本部、EU本部等々、普通では考えられない豊富な訪問先での講義を受けることによって語学力、専門的知識を高めるきっかけになったのはもちろん、人間としても集団の中で培われる責任感を鍛えられる場にもなりました。一流のものや、多くの人との出会いによって新たな価値観を生み出すことができました。もっと世界をみて、理想を高く持ち、創価の学び舎から大人材で飛び立ちたいと決意しました!!後輩の皆にもぜひGPを目指してほしいです!!」(3年 森美和子さん)、「今回GPに参加させて頂いた事は、自分にとってとても意味のある事だったと思います。本当に貴重な体験ばかりで、物事を以前とはまた違った視点から捉えることを学びました。仲間との絆も深いものとなり、今はGPで得たものを後輩に、大学に、社会にどう還元していくかを考え、みんなで一つひとつ行動しています」(2年 清水優さん)。
このプログラムの裏方でかつ重要な存在は大学の経営学部事務室です。山口事務長には学生を送り出す前から帰国した後までたくさんの事務的業務を一手に引き受けて頂いています。旅行社の選定は最も肝心の部分ですが、1回目と2回目は旅行社が違います。特に本年は世界的な原油の高騰があり、渡航費用が去年よりぐっと跳ね上がりました。しかも思いもかけず1回目の実施時期である9月の初めにはスイス、パリで大きな国際学会が予定されていることもあり、ホテルの確保も難しいという難問が持ち上がりました。数社の旅行社の見積もりを穴の開くほど眺めて決定するのは責任の伴う大仕事です。何とか費用を安く、そして安全に研修をと悩んだ末に本年は旅行社を代え、時期を一週間早めて8月末の出発になったわけです。
 グローバルプログラム参加の学生達が現在自主的にこのプログラムをサポートする組織であるグローバル・シチズン・フォーラム(GCF)を立ち上げています。先輩から後輩へと連綿と続いていく伝統が今、始まりました。このプログラムは人生飛躍の一つの跳躍台です。この海外研修で終わるわけではなく、さらに海外の大学院への留学を目指す人も出ています。このプログラムの参加者は(もちろん学部の全学生に対してもそうですが)世界を目指す人材として確実に育っていって欲しいと願っています。
 ゆくゆくはこのグローバルプログラムは経営学部のたくさんの教員に担当してもらおうと思っています。そしてその教員の得意な地域に学生達を連れて行ってもらえれば、まさにグローバルな研修になります。オーストラリア、シンガポールなど日本に近い場所でも良いし、アメリカ、イギリスなどももちろん良いでしょう。訪問先や担当教員は代わっても、このプログラムは常に参加する人に大きな感動を与える存在としてあり続けることでしょう。
GCFメンバーで出場した懸賞論文大会
やまなか かおる やまなか かおる/
(好きな言葉) 王者如天地之無私心(創立者から頂いた「近思録」の一節)
(性格) 新しい物好き、頑固と言われます
(趣味)水泳、ピアノ演奏(最近はご無沙汰)
(推薦図書)『松下幸之助の遺伝子』『逆境はこわくない』

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