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キャンパスライフ

【vol.24】 文学部社会学科 教授(教務部長)山崎 純一

山崎 純一 本学に設置されている全学部共通で受講できる共通総合科目の中に、「現代マスコミ論」があります。新聞、放送、出版などのマスコミで活躍される複数の講師によるオムニバス形式で、現場の声を直接聞くという貴重な講義。また、「現代マスコミ論c」と「現代マスコミ論d」では、ネットワーク多摩(多摩地域の大学・自治体・企業などの連合体)との連携で、NHKと朝日新聞社が協力し提供する出張講義を受講することができます。地域や社会との連携という観点でも注目を集める「現代マスコミ論」について、文学部社会学科教授である山崎教務部長に「現代マスコミ論と知の楽しさ」とのテーマでコラムを寄せてもらいました。

★「現代マスコミ論と知の楽しさ」

総合科目「現代マスコミ論」は、毎週、異なったジャーナリストをゲストスピーカーとして招いています。統一テーマは「ジャーナリズムの現場から」で、毎回のゲストがジャーナリズムのあり方をそれぞれの現場から伝えています。

ちなみに本年(2005年)度後期の各授業のテーマは、「フリージャーナリズムの現場から」、「新聞報道の現場から」、「生活の中のラジオ放送」、「政治評論の現場から」、「テレビ報道の現場から」、「テレビ・プロデュースの現場から」、「芸能プロデュースの現場から」等でした。講師は、長年にわたって、毎日新聞、朝日新聞、読売新聞、日本経済新聞やNHK、テレビ朝日、フジテレビ、テレビ東京さらには文化放送、ラジオ日本などのメディアで、政治部記者、社会部記者、解説員、プロデューサー、演出家として活躍してきた人たちです。
ゼミの合宿で行った富士急ハイランドにて

中には、松本サリン事件で冤罪を着せられた河野義行さんが警察やメディアに抗議し、謝罪を勝ち取っていくプロセスを取材したフリージャーナリスト、60年代のベトナム戦争の最中に銃弾が飛び交う戦場を取材したテレビの報道記者、40年にわたって歴代の総理大臣の品定めをしてきた政治評論家、噴火による溶岩流が身に迫る中、公衆電話に十円玉を投げ入れながらその模様を電話送稿した社会部記者、戦後最大の疑獄事件に不眠不休の地道な取材や調査で迫った政治部記者、美空ひばりや石原裕次郎などの昭和のスター達と製作現場をともにしたプロデューサーなどがいます。正に多士済々のメンバーと言っても良いでしょう。

筆者は、10年間、この総合科目のコーディネーターを勤めてきました。この種の授業は、テーマの検討、講師の選定、交渉、教材の準備など、ある意味で、普通の授業以上に準備に時間を要します。それでも、10年間コーディネーターを勤めてきたのは、何よりも楽しかったからです。そして、担当者が楽しさを感じる授業が、学生にとっても楽しく、有意義であるはずだとの思いが今の筆者にはあります。
 もちろん、その楽しさが学生に伝わらなければ意味がありません。そのために、筆者は一聴講者として授業に参加し、質疑応答の時間に発言し、学生を巻き込んで講師と議論するように努めています。その中から、時に、教室に新しい知見が湧き上がってくる瞬間が訪れることがあります。世の中には、匿名報道か実名報道か、などといった解決の困難な問題が実に多くあります。そうした答えの出ない課題の解決を目指して、現場の外部講師と教員と学生が、一定程度の基礎知識を基に、共に挑戦し、新たな発見をする、これがこの種の授業の醍醐味であり、楽しさです。少々大げさに言えば、現場と大学の出会いによる知の創造がここにはあります。
学生と語らう山崎先生
本学では、この種の総合科目が多く開講されています。また、最近では、朝日新聞やNHKが多摩地域の大学・自治体・企業・公共法人の連合体である「学術・文化・産業ネットワーク多摩」に提供している講座に、本学の学生も参加できるようになっています。学生は、講座が開設されている大学を訪問して授業を受けることもできますし、本学の教室で遠隔配信される内容をコンピュータで受講することも可能です。
 朝日新聞の提供講座は、 新聞の現在と未来、政治と世論とメディア-小泉政権後、ブッシュのアメリカとメディア、日米欧・科学ジャーナリズムの違い、被害者報道と人権政策、新聞広告、スポーツ報道、文化政策と新聞社の役割、政策と社説-ペンは世界を変えるか、などのテーマについて編集委員や論説委員、そして各部局のスタッフが論じています。NHKの講座は、ドラマ、スポーツ番組、ニュース・報道番組、ラジオ、教育番組、編成、放送・通信の連携サービス、メディア・リテラシーとテレビなどについて、各部局の最前線のメンバーが授業を行っています。どちらの授業も、講師と教員と学生が終了時間を過ぎても意見を述べ、議論をしていることが多々あります。
 
 「学生中心の大学」が本学のモットーです。「学生中心の大学」の条件の一つは、学ぶ楽しさ、知的興奮にあふれた授業が数多く展開されていることであると思います。自他共に「判った!」という「知の楽しさ」が訪れる授業を目指して、今後も力を尽くしていく所存です。
学生とゼミ室にて 2005年社会学科卒業論文発表会にて

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