経済学部経済学科31期生
福岡県出身
|
先月(3月20日)卒業式を迎え、製薬業界で売上世界4位(2005年度)の医薬品メーカーに就職した佐藤さん。ゼミで「開発経済学」を学び、アメリカではエイズが経済に影響を及ぼしていることを知り、エイズの社会的影響を研究。ゼミでの勉強と共に、発展途上国に行き、そこで暮らす人たちの声を聞いて、論文を作成しました。卒業論文は国際協力開発銀行(ジェイビック)が実施する懸賞論文に提出。卒業式では、第6回創価大学ダ・ヴィンチ賞を受賞。様々に挑戦をしてきた佐藤さんに、創大の4年間、これからの目標について語って頂きました。 |
|---|
・・・ありがとうございました。創大の4年間は留学、語学修得、ゼミやクラブでの活動、アルバイトと様々なことを経験しました。3年生の時には、アルゼンチンのパレルモ大学に1年間の交換推薦留学。帰国後には、スペイン語弁論大会に挑戦し3位入賞、4年生の時には、経済学部で開催したゼミ論文大会で最優秀賞、経営学部が主催したビジネスプランコンテストで最優秀賞と評価して頂きました。今年2月末に提出した卒業論文は、教授からの薦めで国際協力開発銀行(JBIC)が実施する懸賞論文にも提出しました。これらの懸賞論文は、ゼミで学んだ開発経済学の観点でエイズを論じました。ビジネスプランコンテストは、学生の街で、先輩が不用になったものを後輩に譲る工程を円滑にすることをビジネスにしてはどうかと提案したものです。ほぼ無料に近い料金でできるようプランを作り、環境ビジネスという着眼点が評価されました。4年間、論文には挑戦しましたね。留学する時も論文を書いて、スカラシップ奨学金で30万円を頂きました。無我夢中で挑戦してきたことが、ダ・ヴィンチ賞という形で実り、自分にとっても大きな励みとなりました。
| ・・・私は英語にコンプレックスを持っています。経済学部には、インターナショナル・プログラム(IP)という英語で経済学を学ぶプログラムがあるのですが、とても授業に付いていけるような語学力がなくて。いわゆる受験英語になってしまっていたんです。そこで、スペイン語をマスターしようと考えたんです。もともと南米に興味があったこともありましたし、スペイン語なら完璧に話せなくても恥ずかしくない(笑)。創大にある10言語を学べる「グローバルヴィレッジ」に毎日通いました。そこでは、留学生が日常会話を通して教えてくれるので、ヒヤリング力が付いて、留学した時にも本当に助かりました。 |
|
|---|
| ・・・一言でいうなら、“辛い”ものでした。話せる友人がなかなかできなかったんです。創大では当然のようにいてくれた、“何でも話せる人”がいない、それがどれほど苦しいことかを思い知りました。ホームステイ先では、金銭トラブルもありました。こちらで交わした契約内容と住環境は大違い。電気はすぐに切れるし、冷蔵庫も温かくて何も保存できない、シャワーも出ないし、洗濯機もない、本当にまいりました。途中で日系人のための寮を探して入りました。また、日本で生まれ育った自分が日本について何も語れないことも、辛かったです。外国人のためのスペイン語の授業があるのですが、その時に自分の国の文化を紹介する、というものがあったんですが、私は語れるものがなく、逆に中国や韓国の人たちはたくさん話すんです。自分の国について知らないこともそうですし、近くの中国・韓国の歴史も知らず、恥ずかしかった。自分がアジアの中の日本人であることを強く認識しました。 |
|
|---|
| ・・・ゼミではアフリカ諸国をフィールドに開発経済学を学びました。南米もアフリカ諸国と同じように植民地支配を受けてきたという点など比較経済学的に学びたいと西浦ゼミを選びました。学部内プレゼン大会のテーマには、アフリカで社会的に大きな影響を及ぼしているエイズを選びました。それは、その頃WTO (世界貿易機構)で医薬品の価格について議論が起きていて、どうすればいいのかを追求していました。その中から製薬会社が特許をもっているため、抗エイズ薬が高くすぎて貧しい人に行き渡らない、命よりも利益を取るのかという製薬会社への社会的批判と無償配布の問題等、様々に学びました。経済学部のゼミ論文大会でも、このエイズの問題をテーマに論文を作成し、最優秀賞を受賞しました。論文の内容は、「製薬会社は社会的使命を果たすならば、薬を行き渡らせるべき」というものでした。しかし、私自身は、論文作成の過程の中で、“自己責任”についての疑問が付きまといました。産業側を悪者と決め付けて、双方から見れていないこの論文はまだまだ不十分だと思ったんです。この問題は、卒業論文のテーマ設定に向けてますます考えるようになりましたね。その中で、先進国が無料配布、無償配布いう支援をする |
|
|---|
| ・・就職の適性検査でMRとでたことも参考にし、医薬品メーカーに入って、相互協力のための“治験”に取り組みたいと思いました。治験とは、薬の効果を試す人体実験です。治験というと、日本ではイメージが悪いのですが、エイズウィルスはとても複雑なもので、突然変異もします。中途半端に飲むと、もっと悪くなる恐れがあるんです。だから薬を与えてそれでOKではないんですね。治験をすることで、薬の開発も進みます。積極的に協力をすることで、一番苦しんでいる途上国の人たち自身が恩恵を受けることにもなります。卒業論文の研究のため、コロンビアにも行きました。産業側からは有効な情報を得ることができませんでしたが、製薬会社団体もいくつかありますので、海外を見ようと思ったんです。コロンビアでは、大学院にいた創大OBのおかげで、様々な方と出会うことができました。役所にも行きました。大学の教授や学生など、経済で6レベルに分かれる階層のうち、2~5レベルの方々に話を聞くことができました。伺った話の結論は「自分たちで立ち上がることが必要」というものでした。日本にとっても他人事ではありません。経済を学んだ者として、これから二極化が進み、貧困層が出てくることは十分に考えられますから。 |
|
|---|
・・外資系大手の医薬品メーカーが希望でしたので、希望とおりです。ただ、この会社では抗エイズ薬は作っていないんです。抗エイズ薬を作る某企業を受けましたが落ちました(笑)。この会社は“ゲノム創薬”を初めて作ったところです。ある抗がん剤は、『TIME』誌の表紙を飾りました。売上世界4位を誇るこの会社で、自分がエイズを通して学んだことは、必ず活かしていけると思っています。
| ・・・自分が求めれば、何でも揃っているのが創価大学だと思います。留学システムだけでなく、創大の中で語学を学べる環境も充実しています。クラブで各国の文化や歴史を学ぶこともできます。世界中から集まってくる留学生や教授陣から、直接話を聞くこともできます。お陰で充実した中身の濃い4年間を過ごすことができました。アルゼンチンやコロンビア、昨年度末には留学先で決意した“アジアを知ろう”と韓国に行きましたが、奨学金とアルバイトでやればできるもんです。私は、学費以外、家賃も含め生活費全てを奨学金とアルバイトでまかないました。大変ではありましたが、その分学ぶことに一生懸命になれました。 |
|
|---|
・・・現在研修中ですが、同期で入社した人たちは優秀で元気がよく向上心が高い、そしてコミュニーケーンション力にも長けています。毎日たくさんの触発を受けています。知識・スキルを習得していくことはさることながら、人間性もより高めていきたいと決意しています。創価大学で学んだ関心、感性、共感性、全てが大事だったと痛感しています。これからはもっと頭脳を鍛えて専門能力をつけていきます。現場に出れば、理想と現実のギャップに苦しむと思いますが、そこから逃げず、目の前のことに一つ一つ向き合っていきたいと思います。一年後、三年後、十年後の自分はどうなっていたいか。創立者が何度もおっしゃっている「社会に必要とされる人材」を目指していきたいと思います。
|
さとう いずみ/ (好きな言葉) 大胆かつ謙虚に/六月雲風雪飛(六月の雲が雪をふらす) (性格) 活発的、親密的、最上志向 (趣味) 美しいモノを見ること、音楽鑑賞、映画(ドキュメンタリー、戦争)鑑賞 (最近読んだ本) 『功名が辻』『日本現代史の流れ』 |
|---|