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【vol.60】 第8回創価大学ダ・ヴィンチ賞 特別奨学生 特待生 長谷川 智徳

工学部情報システム工学科 4年/東京都出身 小石川高校卒業

長谷川 智徳さん  特別奨学生として本学に入学し、3年連続特待生、この度第8回創価大学ダ・ヴィンチ賞を受賞しました。TOEICは960点を獲得。中学生の時からお母さんが病気を患い、経済的・時間的に苦しい中、合間を見つけては勉強に取り組みました。大学に入学した当初は入部したクラブも、お母さんの様態が悪化し介護をするため退部。時間のなさに悩むことはしばしばでしたが、授業に集中することと、通学の2時間を活用し、学び続けました。今後は「大学院を目指し、“認知科学”の分野で研究を進めたい。人々のために自分の体を使って、独自の着眼点をもって活動できる人になっていきたい」と語る長谷川さんに、勉学の挑戦、これからについて話しを聞きました。
  

特待生制度:前年度のGPAの得点の上位者
特別奨学生制度:入学金、授業料、施設設備費の半額を4年間免除

★ダ・ヴィンチ賞の受賞、また3年連続の特待生の受賞おめでとうございました!

・・・ありがとうございます。本当にたまたまなんです。私が中学生の時に母が腰椎辷り症を患い、大学に私が入学する頃には、母の病状は日増しにひどくなり、体を思うように動かせなくなりました。座ったままでいることが精一杯でした。長年病気を患いながらも働いてきたこともあり、精神疾患、晩年は統合失調症と診断されました。姉2人にも協力してもらいながらの介護でしたが、去年の秋に母が亡くなるまでは悩むことも多く、時間のなさに苦しくなることもありました。いつか人々のためになる研究をするんだという思いで、母の隣で、介護の合間を縫って、学び続けました。今回の受賞は、そうした努力を認めていただけたのかもしれません。今でも悩みは尽きませんが、負けない強さが養われたのではないかと思っていますし、母と一対一で向き合って過ごした日々を大切にしていきたいと思っています。また、その経験は、今後大学院で研究生活を送る上で活かされるのではないかと感じています。 家族とともに

家族とともに

★そうした状況の中で、具体的にはどのように勉強してきたのですか?学部の成績もさることながら、TOEIC960点のハイスコアは相応の勉強量が必要ですよね。

・・・学部の勉強については、授業でなるべく全て理解していくように努めました。レポートの課題が出されると、授業外でその科目の勉強をしなくてはいけませんので、その時は、大学に残って課題に取り組まなくてはという思いと早く帰って介護をしなければとの思いで、苦しくなってしまうこともありました。英語については、授業とWLC(ワールド・ランゲージ・センター)のプログラムであるEnglish Forumに通って学びました。通学時間中はリスニングを鍛えるため、英語を聞くようにしました。大学進学の際にはSUA(アメリカ創価大学)も志望校の一つでしたので、英語は理系科目と共に勉強してきました。むしろ、数学が一番苦手な科目だったかもしれません(笑)。地道に積み上げてきたものが結果に繋がったのだと思います。アメリカの大学院も受験したいと思っているので、さらに学び力を伸ばさなくてはと思っています。 図書館は好きな場所の一つ。よく利用しました。

図書館は好きな場所の一つ。よく利用しました。

★なぜ認知科学なのですか?

・・・大学を決める際に、自分は理系・文系ともに興味がありました。しかし、どちらかを選ばなくてはならず、それであれば、理系の力を付け、その力をもとに融合した学問領域で学べるのではないかと思い、特別奨学生として合格を出してくれた創価大学工学部に決めました。学部ではこれまで情報システム関連のことを学びましたが、広い目で見たときに、科学技術の進歩だけに目を向けるのではなく、その利用者である人間がどう物事を認知するのかということについても研究したいと感じました。現在は認知科学の領域に密接に関連した分野である人工知能を学んでいます。認知科学は言語学、脳科学など、様々な学問領域の人々が取り組んでいる興味深い学問です。まだまだ基礎的なことを学んでいる段階ですが、科学的な視点を損なわないように、また、偏った思考にならないように、いろいろな先生に話しを伺いながら、いっそう真面目に取り組んで行きたいと思っています。

★お母さんの介護で一番大変だったことは何でしょうか?

・・・勉学では、まとまった時間がなかったことが大変でした。経済的には、アルバイトをしながら、日本学生支援機構の第一種と第二種の奨学金を併用し最大限借りて、生活費や学費としてやりくりをしました。大学院受験のお金は少しずつ貯めました。しかしそのこと以上に、介護における人間的なことが一番辛かったです。入浴や排泄などですね。母もその時が一番つらいようでした。自分の体が思うように動かせないこと、息子に世話になることを常に申し訳ないと感じていたようでした。母がそう感じているんだなと思うとさらに辛くなってしまって。昨年の一年間は私にとって最も苦しい時でした。ただ、その時期の勉学の成果が認められ、ダ・ヴィンチ賞をいただいたことを思うと、成績のこと以上に自分に対して、自信が持てたような気がします。 一番長くいるのはやはり工学部棟。現在は卒業研究と大学院に向けての勉強に追われています。

一番長くいるのはやはり工学部棟。現在は卒業研究と大学院に向けての勉強に追われています。

★長谷川さんにとっての創価大とは?

・・・本当に創大で学べてよかったというのが一番の気持ちです。何でも語れる友人を得ることができたというのは、何にも代えがたい財産だと感じています。今は、しょっちゅう友人や先輩の家に泊まらせてもらっています(笑)。苦しかった時にも支えになりました。また、創立者の池田大作先生にも何度も励ましていただいて、その度に、負けるものかと歯を食いしばってこられました。

★最後にこれからについて教えて下さい。

・・・まずは、認知科学により近い研究のできる大学院を目指します。ただ、ものを書いて発表するだけでなく、一対一で人と直に接しながら、自分の専門分野を活かしていけるような人材になっていきたいと思います。目指すは、ノーベル賞を受賞したワンガリ・マータイ博士やムハマド・ユヌス博士です。博士号を持ち、自分の専門スキルを持ち、それで人々の中に飛び込んで、自分の体を使って、独自の着眼点を持って活動している博士らのような人になりたいです。最後に、身近で支えてくれた二人の姉とその家族に、また大学4年間を支え見守り続けてくれた創立者はじめ教職員の方々に心から感謝いたします。本当にありがとうございました。

VOICE in ENGLISH ~To friends over the world ~ translated by Tomonori Hasegawa

Tomonori Hasegawa enrolled in the Faculty of Engineering, Soka University, as a special scholarship student. He’s been an honorary student for three years running. In addition, this spring he received the latest Soka University Da Vinci Prize for his getting a score of 960 in TOEIC last year.
Since he was in a junior high school, his mother had been suffered from several diseases, which was highly likely caused by her having been working so hard for years. Because of the family financial problem and busyness, he had to struggle to manage time for study. Last year, his mother’s condition turned even worse, which had him so worried in terms of studying and taking care of her at the same time. In the fall, all of a sudden, she passed away. Now that he’s lost her, he can more concentrate on personal things than before, but for sure he appreciates the experience that he lived with her. The fact that he was awarded the prize by all means amazed and pleased him, which he believes was the result of his efforts during the hard time. In the future, he would like to engage in postgraduate study in the field of Cognitive Science, and he hopes to be a man with an original, distinct point of view, who dedicates his life to people’s well-being.
He really thanks all those who have closely supported him so far, especially his two elderly sisters, their husbands, their families, as well as those who have let him study in the university, the founder and the staff.

ハセガワ トモノリ ハセガワ トモノリ/ 
(好きな言葉) 日常的で生産的で日本語らしい言葉なら何でも好きです。有名な言葉の中では「我以外皆我が師」が一番好きだという気がします。
(性格) 自分では皆目見当がつきませんが、言われて嬉しかったのは、愚直とか愛されキャラとかです。
(趣味) 歌うこととお笑いを観ることです。
(好きな本) 『海辺のカフカ』 『希望対話』
(おすすめの英語参考書) おのおのの人が面白いと思うものが一番だと信じているので、お勧めはありませんが、個人的には『アメリカ口語教本 上級編』という本が気に入っていたので、よく開いていました。

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