女性の体の中では“妊娠するための準備”が毎月繰り返されています。例えば、ホルモンの分泌量が変化したり、子宮内膜が増殖されたり…。でも妊娠しなかった場合、それらは全てリセットされます。これが生理という現象です。つまり、受精卵を受けとめる準備をしていた子宮内膜がはがれ落ち、血液とともに排出されるのが生理なのです。50歳前後に閉経を迎えるまで、女性はこの生理とつきあい続けます。
| 周期 | 生理開始日から、翌月の生理開始前日までの日数。25~38日間が一般的です。 |
|---|---|
| 期間 | 一般的に、3~7日間。 |
| 排卵日 | 一般的に、生理開始日から12~15日間。 |
| 出血量 | 一般的に、約180g程度。 |
| 血液の状態 | 鮮血ではなく、赤黒い血液。普通の血液とは違い、固まりません。 |
| 基礎体温 | 低温期と高温期がハッキリと二極化している。 |
※周期・期間・排卵日は、1カ月=30日とした場合。
周期は、その月によって1週間程度前後することがあります。
女性の生理の周期は、月経期、卵胞期、排卵期、黄体期の4つに分かれています。
この周期に合わせて、女性ホルモンであるエストロゲンと黄体ホルモンのバランスが変化し、様々な心やからだの変化をもたらします。
一般的に、生理初日から数えて2週間目くらいに排卵があります。
排卵日前、生理が終わってから数日間の卵胞期にはエストロゲンの分泌が増え、肌の調子は良く、心もスッキリとしています。そして、排卵日後、黄体期に入ると黄体ホルモンの分泌が増え、吹き出物やシミが出来やすくなったり、気持ちの浮き沈みなどの変化が現れます。
黄体期を過ぎると、また生理が始まります。月経期⇒卵胞期⇒排卵期⇒黄体期、この周期は一般的に28日くらいとなっています。
※個人差がありますので、全ての人がこの周期通りというわけではありません。
卵巣から分泌されるホルモンで、卵胞ホルモンと黄体ホルモンの2種類があります。
主に妊娠に関わるホルモンですが、女性の身体全体をコントロールする大切な役割も果たしています。
エストロゲンとは、卵巣で作られる女性ホルモンの1つです。
思春期には、乳房や性器、皮下脂肪を発達させ、女性らしい身体をつくります。
生理での働きとしては、卵子を育て、子宮の内膜を増殖させる働きをします。
他に、コレステロールを抑えたり、肌の新陳代謝を促進する働きがあります。
黄体ホルモンも、卵巣で作られる女性ホルモンの1つです。
妊娠を手助けするホルモンとも言われ、子宮内膜に受精卵が着床しやすい状態を保ちます。
排卵後、卵巣に残った卵胞は、黄体とよばれるまさしく黄色い!組織に変化し、黄体ホルモンはそこから分泌されます。
黄体ホルモンには体温を高くする作用があります。また、身体に水分を保持したり、食欲を増進させる働きもあります。
生理前の黄体期といわれる時期に起こる不快な症状で、生理開始とともに、もしくは生理の終わりまでには改善される症状をひとまとめにした症候群です。
PMSは、排卵のある(妊娠が可能な)女性であれば、誰にでも起こり得るものです。 決して特別なものではありません。しかし、PMSは生理の周期ごとに繰り返し起こるのでとてもわずらわしいものです。 また、症状の程度も個人差が大きく、症状が現れてもそれほど気にならない人もいれば、 逆に日常生活も困難になってしまうほどの人もいます。
PMSの症状を訴える女性のうち、約5%の人が治療を必要とすると言われています。
日本ではPMSという言葉が一般に知られるようになったのはここ最近のことで、海外と比べて認知度は低い状況です。そのため、症状を自覚していながら、それがPMSのせいだと気付かず独り悩む女性も多く、周囲の方もそのような女性を前にして当惑することもあると思います。
特に、生理のない男性にしてみれば、PMSを理解することはとても難しいでしょう。 普段はおとなしい女性がある日突然豹変する姿に、「情緒不安定」や「気まぐれな性格」として片付けてられてしまった女性も少なくはないかと思います。
PMSの症状は人によって様々です。「胸が張ってくる」「下腹部に痛みを感じる」といった身体的なもの、 あるいは、「怒りっぽくなる」「理由もなく悲しくなる」というような精神的なものなどさまざまな症状があります。
| からだの症状 | こころの症状 |
|---|---|
| 下腹部のはり、下腹部の痛み 乳房のはり、乳房の痛み 頭痛、腰痛 むくみ、体重増加 ニキビ、肌荒れ 食欲亢進 便秘 気持ちが悪い、だるいなど | 怒りっぽい、感情的 憂うつ、涙もろい 無気力 引きこもり 孤独感 集中できない 眠れない、逆に常に眠い 心配症など |
PMSの期間は、精神的に後ろ向きになる傾向があるので、大事な決定はできるだけ避けた方がよいでしょう。
PMSを治療する上で大切なポイントの一つは、本人がPMSのことをよく知るということです。自分を悩ませるいろいろな症状が、生理の1~2週間前から始まり生理の開始とともに軽減、消失するということを自覚することが、治療の第一歩です。そのために基礎体温を測り、症状とともに記録していくことも助けになります。これらの症状がPMSであると認知するだけで、良くなる人もいます。
さらにPMSについての正しい情報があれば、それだけで自分の体あるいは心の不安を軽減することにも繋がります。
そのために、婦人科で自分の不調・症状について相談することをお勧めします。また、からだの症状よりこころの症状の方が強いようなら精神科や心療内科での相談・治療を優先してもいいでしょう。その際も一度は婦人科も受診しましょう。
| 食事・嗜好品 | 玄米・イモ類・豆類などの「複合炭水化物」をとり、砂糖・果物・などの「単一炭水化物」は避ける →血糖値の急激な変動を防ぎ、精神を安定化させる 大豆・大豆加工製品をとる→女性ホルモンと似た働きをする 緑黄色野菜(ホウレンソウ・カボチャ・ニンジンなど)をとる →疲れやすい、集中力低下、イライラに効果的 塩分、糖分、アルコール、カフェインなどはひかえめに →摂り過ぎは症状悪化の一因に |
|---|---|
| 運動 | 運動の強さよりも、毎日少しずつでも続けることが大切です。 |
| サプリ | カルシウム2:マグネシウム1→PMSのすべての症状の緩和に。 γリノレン酸→乳房痛・下腹部の張り・頭痛・過食に セントジョーンズワート→イライラや憂うつ感に ビタミンB6→乳房の張りや痛み、PMSによるうつや心配症の改善に |
| アロマ | セージ→女性ホルモンを活性化 レモンバーベナ→精神安定・消化促進 ローズヒップ→生理前の肌荒れに カモマイル→下腹部痛に効果など |
基本は、普段(PMS期間以外)から暴飲暴食を避け、十分に睡眠をとり、規則正しい生活を送るということです。
薬物療法はそれぞれ単独で使うこともありますが、症状の度合いによっては上記薬を組み合わせて使うこともあります。
PMSは、努力次第でいくらでも症状を軽減することができます。
PMSを乗り越える術を身につけて、上手にPMSと付き合っている女性もたくさんいます。
独りで悩み続けていないで、誰かに相談し、出来ることから始めてみましょう!
生理のサイクル・周期が乱れている状態を生理(月経)不順といいます。
原因は思春期の場合は排卵周期が未熟な場合が多く、また肥満、ダイエットによるやせ、ストレスなども生理の周期を乱す原因となりやすい。その他常用している薬剤や甲状腺機能低下症などが原因のこともあるので、生理の周期が乱れたままの場合は原因を念頭において検査を受けることをお勧めします。
| 頻発月経 | 生理のサイクルが24日以内の状態 |
|---|---|
| 稀発月経 | 生理のサイクルが39日以上の状態 |
| 続発性無月経 | 生理があった人が3か月以上止まっている状態 |
| 頻発月経 | 貧血:生理によって失われた血液が、回復する前に次の生理が起こるため ナプキンかぶれ:血液やナプキンの暴露が多いため |
|---|---|
| 稀発月経 | 子宮体癌:原因によっては将来のリスクが高まる 不妊:タイミングが取りづらかったり、排卵回数の減少による |
| 続発性無月経 | 不妊:子宮の発育・発達不良や排卵障害などのため 切迫流産・早産:子宮の発育・発達不良などのため 骨量低下:女性ホルモンの低下のため |
| 頻発月経 | 最も短かった生理周期の2日前から黄体ホルモン剤を1週間程内服し、生理周期をほぼ1か月になるようにする。黄体ホルモン内服だけで改善しない場合は生理の5日目から卵胞ホルモンと黄体ホルモンを組み合わせて、通常の生理周期に一致するように内服する。ホルモン治療は3周期ほど行った後、経過観察し生理が自力で来るかどうかを確認しながら治療継続の必要性を確かめる。 貧血があれば鉄剤内服、食事療法なども併用する。 |
|---|---|
| 稀発月経 | 無排卵が原因の場合や更年期以降の方の場合は、子宮体癌のリスクがあるので、ホルモン検査や癌検診をした上で、生理の21日目から黄体ホルモンを1週間内服し、生理周期をほぼ1か月になるようにする。 |
| 続発性無月経 | 黄体ホルモン単独、もしくは卵胞ホルモンとの組み合わせで生理を誘発する。それと並行もしくは生理誘発後、必要があれば定期的にホルモン治療を行ったり、漢方薬を使ったりする。 |
いずれの場合も妊娠を希望する場合は、生理のコントロールも兼ねて排卵誘発剤が治療の第一選択薬になります。なので、上記ホルモン剤での長期治療が必要になった方は、結婚等で妊娠を希望するような状況になったら、主治医にその旨伝えて治療を変更することが必要です。
生理中にはあちこちに多少痛みや不調を感じる女性は多いと思います。しかし生理中や生理開始直前からの腹痛、腰痛、頭痛などの症状のために、日常生活が制限されるような状態になると「月経困難症」といい、何らかの治療が必要な状態だと判断します。
受診病院等がわからない方は、保健センター・保健室で気軽にご相談ください。
また保健センターでは、「紹介状」もご用意できますのでご相談ください。