卒業生紹介

インフラ整備でミャンマーの国づくりを支援
 安井 伸治さん | 独立行政法人国際協力機構(JICA)ミャンマー事務所勤務

1、大学時代の学び

公共政策を研究するゼミに所属し、担当教員である土井教授から熱意がこもった指導をいただきながら政策の事例研究を行い、政策立案のために必要な、課題設定・課題解決のための論理的な思考プロセスを学びました。また、「公共政策ワークショップ」においては、現場の第一線で活躍する実務家の方から講義をいただき、社会保障や地方活性化、官民協働などの、政策形成・実施の現場の最前線の実情を学ぶことができました。
加えて、アメリカ創価大学への1年間の交換留学を経験し、語学力の向上のみならず、英語を用いたアカデミックな議論や文章作成、ロジカルな思考のための能力を身につけました。
こうした経験をもとに、大学卒業後は東京大学公共政策大学院、コロンビア大学公共政策大学院に進学。国内・海外における公共政策への知識をさらに深め、大学院修了後は海外の開発途上地域における政策形成・実施を支援することができるJICAへ入構しました。

2、現在の仕事

2014年のJICAへの入構後、契約手続きを担当する部署での業務を経て、2016年から東京のJICA本部において、ミャンマーの電力、産業振興、金融分野での案件形成に携わりました。日本が約30年前に建設を支援した水力発電所の老朽化に対応するための改修案件や、中小企業の金融へのアクセスの改善のためのプロジェクトなど、2年間で300億円以上の資金協力を合意に導きました。また、最大のガス火力発電所の建設のための調査を開始するなど、将来のミャンマーの発展を支える仕事に取り組みました。
2018年からはミャンマーに駐在を開始し、新たに海港、空港、上下水道分野のプロジェクトを担当し、国家の発展のための情熱と強い志を持つ相手国の人々と共に、現地でミャンマーの国づくりを支えています。国家の根幹を支えるインフラの整備を通し、50年後、100年後の国家の発展を支えることができる仕事に、大きなやりがいを感じています。

3、法学部の学びと仕事の関係

インフラ整備は、新たな建設から、インフラの運営・維持管理までのプロセスを、国などの公的セクターと、企業などの民間セクターで適切に役割・責任を分担することが重要です。そのためには、官民連携のための細かい制度設計を深く理解しておく必要があります。
大学時代に学んだ、公共政策ゼミでの課題発見・解決の思考や、公共政策ワークショップでの実務家の方々からの講義で学んだ知識が、仕事の礎となっています。

安井 伸治 Shinji Yasui

  • 法学部法律学科 2012年卒業
    勤務先:独立行政法人国際協力機構(JICA) ミャンマー事務所 所員