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2017年03月17日

本学で「第77回仏教学懇話会」が開催されました

20名の研究者が参加

20名の研究者が参加
 本学の国際仏教学高等研究所(所長:辛嶋静志教授)が主催する、「第77回仏教学懇話会」が、3月9日(木)に本学中央教育棟第8会議室で開催されました。
 講師にインド・中央アジアの仏教美術史の分野で著名な、名古屋大学名誉教授・龍谷大学特任教授の宮治昭博士を迎え、「弥勒信仰とその美術―インド・ガンダーラから中国へ―」のテーマのもと講演が行われ、学内外より有識者ら20名が参加しました。講演後には、参加者と活発な意見交換が行われました。

 宮沢博士の講演内容の要旨は以下の通りです。

「弥勒信仰に関わる美術(図像・造像)はクシャーン朝時代のガンダーラで始まり、それを起点にしてインド内部で弥勒菩薩の造像が見られます。それらの多くは過去七仏とセット、仏三尊像(仏陀と両脇侍菩薩)の脇侍菩薩の一体としてあらわされることが多いです。また、パーラ朝では八大菩薩の一体としてもあらわされます。すなわち、インドでの弥勒信仰の美術は菩薩像として展開されています。
 一般に『弥勒信仰の美術』は、弥勒下生経・上生経を典拠とする美術を指しますが、それが明確化するのは中国唐代であり、少なくとも現存作例から見る限り、インドでは下生経・上生経に基づく美術は見られません。実は弥勒経典に限らず、1~5世紀頃に成立、生成した初期大乗経典に基づく図像や造形、例えば『法華経』『維摩経』『無量寿経』『華厳経』などは、後に中国や日本で美術とも深く関わって発展します。インドでの大乗仏教美術の変遷は、東アジアでの展開とその様相を大きく異にします。未来仏としての弥勒信仰は部派仏教にも大乗仏教にも受け入れており、しかも1~5世紀の大乗仏教の生成期にその造形が認められる点で、大乗仏教美術のいわば先導的な役割を果たしたと考えられます」

  • 創価大学国際仏教学高等研究所