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2017年08月01日

本学法科大学院・藤田尚則教授の著書『アメリカ・インディアン法研究(Ⅲ)―部族の財産権』が出版されました

 本学法科大学院・藤田尚則教授の著書『アメリカ・インディアン法研究(Ⅲ)―部族の財産権』が、2017年7月に北樹出版より発刊されました。

 藤田教授は、アメリカ・インディアンの歴史を法律学の視点から研究しており、2012年には『アメリカ・インディアン法研究(Ⅰ)―インディアン政策史』を、2013年には『アメリカ・インディアン法研究(Ⅱ)―国内の従属国』を出版しています。
 シリーズ3冊目となる本書では、アメリカ合衆国の強要による土地の譲渡から代替地(保留地)への再編の流れの中で、数多くの連邦法はどのように機能したのかを部族との数多くの訴訟の軌跡をたどって分析・批判し、インディアン法の現在を探っています。8章47節の全770ページで構成されています。

 藤田教授は今回の出版にあたって、「1970年代以降連邦政府は、インディアン部族の自治・自決政策を推し進めてきました。その結果、多くの部族が部族単位で経済活動に従事するようになりましたが、合衆国議会は一段と部族の経済的自足を図ろうと1988年10月に『インディアン・ゲーミング規制法』を制定しました。ゲーミングとはカジノやビンゴなど賭け事の総称であり、2014年の時点でインディアン・ゲーミング開催地の総数は474ヶ所、ゲーミング施設を経営している部族は245部族にのぼりますが、同法の解釈・運用をめぐり、様々な軋轢や法的紛争が部族と州及び市民との間に必然的に起きてくるようになりました。合衆国最高裁判所は、同法の解釈をめぐって『新連邦主義』の立場から部族主権を制限し、州の介入をひろく認める判決を2014年5月と本年4月に矢継ぎ早にだしました。これまで制限されてきた部族への州の介入が最高裁判決によって認められたことにより、部族主権の法理は大きな岐路に立たされていますが、トランプ政権がどのような対インディアン政策をとるのかもはっきりしてはおりません。今後ともインディアン部族をめぐる様々な法的問題を、『少数民族』の権利保護はいかにあるべきかの視点から研究していきたいと考えています」と述べました。

  • 『アメリカ・インディアン法研究(Ⅲ)―部族の財産権』
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