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2010年度文科省「私立大学戦略的研究基盤形成支援事業」に選定!

2010.04.23

 このたび、工学部生命情報工学科の久保いづみ教授と、同学部環境共生工学科の清水昭夫教授の進める研究が、文部科学省の『私立大学戦略的研究基盤形成支援事業』のプロジェクトとして選定されました。

 本事業は、私立大学が、経営戦略に基づき、各大学の特色を活かした研究を実施するため、研究基盤の形成を国として支援するもの。それにより、科学技術の進展に寄与すると望まれています。
 
 今回の採択は2010年度から2014年度の5年間(予定)にわたる大型プロジェクトとして採択され、詳細等は、次の通りとなっています。

研究代表者:工学研究科生命情報工学専攻  久保いづみ 教授
事業名:「マイクロ流体ディスクによる生命現象のハイスループットな解析」

研究代表者:工学研究科環境共生工学専攻  清水昭夫 教授
事業名:「圧力を利用した細胞の非凍結保存・輸送技術の研究開発」

 工学部では、現在継続中の、情報システム工学科の渡辺一弘教授、生命情報工学科の西原祥子教授と環境共生工学科の戸田龍樹教授のそれぞれのプロジェクトが採択されており、昨年に引き続いて、本年も工学部の3学科全てが文部科学省による大型プロジェクトで、研究が行われることになりました。

 今回選定を受けた久保教授のプロジェクト、「マイクロ流体ディスクによる生命現象のハイスループットな解析」は、 ポストゲノム時代における生命科学の発展の中で、これまで蓄積されてきたゲノムや遺伝子情報、および遺伝子やタンパク質の発現などに関する様々な実験を、マイクロ流路およびチャンバーアレイという超微量反応器中で行うことにより、従来の試験管サイズでなく、細胞レベルの極微量の反応量で同時並列的な高速処理(ハイスループット)を実現して、生命現象の新たな解析方法を提供します。
 本プロジェクトでの新たな解析方法では、多数の反応器の同時測定を、マイクロチャンバーでハイスループットに解析できるため、高速、高感度かつ微小液量での低コストな分析が実現できます。従って、単一細胞の生命現象の解析はもとより、生物への薬剤効果の評価、環境有害物質の評価、食品中の有害物質や病原菌検出など、幅広い分野での評価および検出ツールへの展開が期待できます。このプロジェクトで得られる成果は生物一般に応用ができ、また生活の安全などに関わる各種産業への波及効果も大きいと考えられています。

 また、清水教授のプロジェクト「圧力を利用した細胞の非凍結保存・輸送技術の研究開発」では、細胞を凍らせないで加圧した状態で保存する方法および保存・輸送容器の研究開発を行います。細胞は一般的に凍結保存されますが凍結防御剤による薬害や凍結させることで死滅してしまう細胞もあり、新規な保存法が求められており、本研究の成果によりこれまで保存できなかった細胞を保存できるようになることが期待されます。現在注目されているES細胞やiPS細胞、さらには臓器の保存にも応用が考えられ、社会的に重要な課題としても注目されています。
 本プロジェクトは温度と同様に物質の性質を決める重要な要素でありながらあまり利用されていない圧力に注目した点に特徴があり、4つの研究分野(1.細胞保存方法・輸送容器開発、2.非凍結保存細胞の生理学的特性解析、3.非凍結保存細胞の遺伝子的特性、4.総合システム・実用化評価)で研究を進めていきます。具体的に、第1のテーマでは各細胞の至適保存圧力、温度、培養液組成の決定を行とともに保存だけではなく輸送にも利用できる加圧保存容器の開発を行います。第2のテーマでは①生存率および増殖率解析、②形態変化・増殖能解析、③酵素反応への影響・高圧下での酵素反応、④特定タンパク質産生能解析を行います。第3のテーマでは①総遺伝子発現量解析、②各種細胞マーカー遺伝子発現量解析、③組織中の細胞機能解析、④染色体変異解析を行います。そして第4のテーマでは輸送時の振動・衝撃の細胞生存率への影響およびコスト面での評価を行い、実際にトラックおよび航空機での輸送を行い実用化に向けた試験を行う予定です。 
 本プロジェクトが提案する「圧力を利用した凍結保存不可能な細胞の保存・輸送技術の研究開発」により研究室レベルの細胞保存・輸送のみならず細胞移植や臓器移植、あるいは再生医療の分野まで幅広く利用できる生物化学分野の基礎研究基盤形成に貢献することが期待されます。

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