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プログラム&授業

「正解がない!?―これまで学んだ理論をフル活用して作品に」理工学部共生創造理工学科のプロジェクト・スタディーズの魅力に迫る!(2017年4月22日) 

鈴木 健太

理工学部共生創造理工学科2年

開設3年目を迎える理工学部共生創造理工学科は、"建学の精神に基づき「創造的人間」を育成する"というグランドデザインを実現すべく、サイエンスとテクノロジーを人類の真の平和と発展に役立てることを教育の目標に掲げています。
今回は、理工学部共生創造学科の特徴の一つである共同作業により実際に1つの作品を完成させたり、研究成果をまとめたりするアクティブ・ラーニング型の授業「プロジェクト・スタディーズ」について、昨年、履修していた鈴木さんにその授業の魅力や作品の制作過程でどのような学びがあったのかお話を聞きました。

理工学部共生創造理工学科を志望した理由を教えてください!

高校時代の写真

高校時代の写真
 静岡県の工業高校で学んでいた私は、大学では単純に物理がやりたいと思っていたので、理工学部共生創造理工学科を志望しました。中学時代から数学や物理が好きで、高校1年のクラスの自己紹介で、「趣味は物理です」と言った時は、軽く引かれたと思います(笑)。部活は、ギターを中学からやっていたので、軽音部に所属しました。高校3年の時には、エレキギターを自作したりしました。
 創価大学に入学する前に2回、キャンパスを見に来ました。オープンキャンパスとキャンパスアカデミックビジットに参加しました。オープンキャンパスでは、情報の電子回路を組み立てる模擬授業に参加しました。
 キャンパスアカデミックビジットでは、「量子化学」という授業を受けたのですが、高校の授業と違って能動的な授業で、先生の話を聞いているだけではないんです。計算も電卓を使わないとできないくらいたくさんあって、高校ではやらせてもらえないような問題に挑戦させてもらいました。このような経験を通じて、創価大学の理工学部共生創造理工学科で学びたいと思って受験しました。

共生創造理工学科に入学後、どのような一年でしたか?

理工学棟フレイザー図書館には理工系の図書が多く所蔵

理工学棟フレイザー図書館には理工系の図書が多く所蔵
 私は2年次後期の領域選択で、応用物理学領域を選択したいと思っているので、理数科目を中心に履修しました。基礎的な学問が少しずつ複合的になっていきます。授業を教えてくれる先生方はとても個性的で、面白い授業ばかりでした。高校の授業では公式を覚えればよかったのですが、大学の授業ではその公式を本当に理解して使っているのか疑ったり、別の形でアプローチしたりするので、とても楽しかったです。
 また、私は滝山寮へ入寮しました。寮生活を通じて、たくさんの友達ができました。一緒に授業をとる友人もできました。1年生の授業は必修も多いので、ここでも友達ができました。一緒に学ぶ友人というか、私は教えることの方が多かったですが(笑)。
 テスト前は、寮生のみんなで集まって食堂で勉強会を開いていました。友達に勉強を教えていたら、いろんな人が聞きに来たので、「みんなで勉強会をしよう」ということになりまして。一番多い時で15人くらいでした。共生創造理工学科だけではなく、情報システム工学科の寮生も来て一緒に勉強しました。教えると自分にとっても勉強になります。3倍くらい身につく感覚です。どのように教えたら理解してもらえるか、ということを考えるよい機会になりました。

学科の特徴であるプロジェクト・スタディーズについて教えてください!

パスタ橋の制作

パスタ橋の制作
 グループで課題に取り組む授業なのですが、前期と後期でそれぞれ与えられる課題が違います。前期は「パスタを使って、1キログラムの重さに10分間耐えられる橋を作りなさい」という課題が出されました。パスタは何本でも使っていいんですが、採点基準があって、「芸術性」「強度」、そして、「重量」という3つの観点で審査されるんです。軽ければ軽いほどいいのですが、強度が弱くなってしまうんです。そこの折り合いをどうつけるか。さらに芸術性も問われるので、みんなでどうしようか話し合って作っていきました。骨組みとして、パスタを束ねて強度を出しながら、力を分散させるということがポイントでした。

先生が教えてくれるのではなく、皆で話し合って進めるんですね!

緊張の最終テスト

緊張の最終テスト
 そうなんです。まず初めに、私たちは橋を作るにあたって外形を話し合って決めました。アーチ型がいいということになりました。学生だけで考えて、学生だけで作っていくということは、高校の授業では、やったことがありませんでした。私たちのグループはどこまで軽くできるかその限界に挑戦しました。アーチを支える梁の部分は、初めは太かったのですが、重くなり過ぎてしまったので、橋を支える下の部分の強度を上げて、梁の部分は一番少ない本数で支えることにしました。そうしたらすごく軽くなったんです。強度はしっかり確保できていました。梁が全くなければ一瞬で折れてしまうので、そこの見極めが難しかったです。
 授業時間内では、時間が足りなかったので、授業以外の時間でもグループのメンバーと時間を調整して、議論や実験を重ねました。完成した作品は、他のグループは100グラムくらいあったのですが、私たちが作ったのは約半分の重さでした。授業の最終テストでは、水を入れた1キログラムのペットボトルの重さに10分間耐えないといけないんです。この10分間はすごくドキドキしました。私たちの橋はなんとか耐えてくれました。

後期のプロジェクト・スタディーズはどのような内容だったのでしょうか?

プロジェクト・スタディーズBで制作した作品

プロジェクト・スタディーズBで制作した作品
 「プロジェクト・スタディーズB」では、グループに木箱1つ、予算1万円、そして、「グループで自分たちが関心のある専門領域を表現しなさい」というテーマが与えられました。どんな作品にするかは、この条件のもとグループの中で話し合って決めるんです。共生創造理工学科では2年次後期に、応用物理学・物質理工学・生命理工学・環境理工学の4つの領域から1つの専門領域を選択します。その4つの領域から1年次後期の履修時に関心のある領域を選ぶのですが、私たちのグループには、応用物理学を希望する学生が2人、そして、物質理工学を希望する学生が3人いたので、テーマをどうしようか悩みました。
 通常、希望する領域ごとにグループが組まれるのですが、私たちのグループは2つの領域を希望する学生がいました。担当の先生は「どちらか一つの領域のテーマが表現できていればいいですよ」と言ってくれたのですが、それじゃあ物足りないと思って、結局2つの領域を合せた作品を作ろうということになりました。議論を重ねて、「応用物理学」は手回し発電を使って、「物質理工学」は、炎色反応を活用して表現することとなりました。 
 私たちの作品は、発光ダイオードが光る手回し発電機なんですが、それぞれの色のツマミを回すと赤、青、緑が発光します。私は回路の設計を担当しました。実際に回路を作ってみるとなかなか難しく、実験を何度も繰り返しました。基盤にハンダ付けをするんですが、作ってみると回路が全然違う動きをして、どこにミスがあるのかを探していたら4時間くらいかかってしまったんです。このミスの原因を見つけたときは「ここで終わってもいいや」(笑)と思ったくらい達成感がありました。作業はまだまだ続くのですが。

この作品はどのような仕組みなのでしょうか?

試行錯誤した跡

試行錯誤した跡
 この作品の仕組みを少しだけ詳しく説明すると、手回し発電は電磁誘導と言って、中学校の頃にやったことがあるかもしれませんが、磁石とコイルを使うと起電力が発生して電流が流れるという仕組みと同じです。形は違いますが、同じ「ファラデーの電磁誘導の法則」です。直線ではなく、回転運動で効率よく電気を作る装置なんです。
 この手回し発電機を回すと電圧が発生します。その電圧を使って集積回路の中で、ジグザグした信号(パルス)を発生させているんです。そのジグザグした波形が、何回目に来たかを検知して、1回目の時に1番下が光る、2回目の時に2番目が光るといった信号をループさせる回路を組んでいます。

ポスター発表の様子

ポスター発表の様子
 さらに、それぞれの色に流れる経路の電流の量をツマミで調整できるようにしました。赤と青のツマミを回して光らせると紫色になります。この色の組み合わせのところで、物質理工学領域の炎色反応が関係してきます。
 最終成果報告はポスターを使って行いました。そのポスターには、この作品の説明と共に、炎色反応の説明を書きました。そして、この作品を動かす人に、炎色反応の色が発光ダイオードの「赤、青、緑」をどのように組み合わせすることで合成できるか、実際にやってもらいました。私たちのグループでは、この作品を作る際に「観て、触って、楽しめるものにしよう」と話していました。
 これまで高校や大学の前期で学んできたことを応用したり、わからないところは自分たちで調べて試行錯誤を繰り返したりして、この作品ができました。最終発表のときには、同じ授業をとっている他のメンバーにも楽しんでもらえました。自分たちとしては、納得のいくものができたと思います。

最後に、後輩へのメッセージと今後の抱負をお願いします!

グループの仲間と

グループの仲間と
 自分で考えるということを続けて欲しいです。プロジェクト・スタディーズの授業では、そういった力が培われました。グループで話し合いをするときも、積極的に関わっていって欲しいと思います。「自分はこう思う」と発言していく方が楽しいですし、すごくためになると思います。私たちのグループも活発に議論ができたので、とても良い雰囲気でした。創価大学の共生創造理工学科を受験しようか悩んでいる高校生には、「理系に進みたいけど、どの分野に進むのが良いかわからないという人には特にオススメ」と伝えたいです。
 この学科では、生物、物理、化学といった基礎科目もあるし、プロジェクト・スタディーズのような授業もあるので、自分の得意な分野が見つけられると思います。
 私は、将来は理論物理学者になりたいと思っています。まずは、大学院への進学を目指して勉強していきます。今は、全部吸収しようという気持ちで、物理に限らず様々なことを勉強しています。その中で、自分が本当にやりたいこと、好きなことを見つけていきたいと思っています。