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プログラム&授業

ノーベル平和賞受賞者世界サミットでの「青年宣言」に込めた思いは・・・(2017年5月19日)

大島 輝一

国際教養学部国際教養学科4年

生駒 比奈子

法学部法律学科3年

南米コロンビアの首都ボゴタで開催された「第16回ノーベル平和賞受賞者世界サミット」(本年2月2日~5日)に、世界青年代表団の一員として、本学から大島輝一さん(国際教養学部4年)、生駒比奈子さん(法学部3年)、廣瀬文人さん(法学部3年)、亀井咲希さん(経済学部3年)の4人が参加。20人以上の歴代受賞者が出席し、人類的課題の解決に向け、活発な議論が繰り広げられました。
今回のサミットには、地元コロンビアをはじめ世界17カ国から600人の青年が参加。サミットの最後に参加者の総意を汲んで発表する「青年宣言」の作成メンバー30人にアジアからの代表として大島さん、生駒さんが入り、各国の青年代表と討論を重ねました。サミットに参加しての感想、「青年宣言」をまとめるまでの過程、そこに込められた思いなどについてお二人に話を聞きました。

ノーベル平和賞受賞者世界サミット:ノーベル平和賞受賞者、受賞団体代表が一堂に会し、世界の平和と人権を守るために、人類が直面する紛争や暴力、核兵器などの問題を解決する方途を議論することを目的に毎年開催されています。

今回で本学から6回目の参加となりました。まずは、サミットに参加した感想を教えてください。

一緒に参加したメンバーと

一緒に参加したメンバーと
大島:世界平和のために行動し、結果を出してきた歴代受賞者の方々の話を聞いて、一つの物事を成し遂げるには強い意志と信念、情熱を持つことが大事だと思いました。それと同時に、平和のための活動が一過性で終わるのではなく、世代を超えて引き継がれるよう受賞者の方々が青年に大きな期待を寄せていると感じました。また、コロンビアに行ったのは初めてでしたが、歴史的な建造物が多く、自然豊かな美しい町でした。特にモンセラーテの丘から一望した町は圧巻の景色でした。昨年コロンビアは11月に内戦の新和平合意が成立し、平和に向けて大きな一歩を踏み出した国であり、その雰囲気が人々の希望に満ちた表情にあらわれていました。

モンセラーテの丘からの景色

モンセラーテの丘からの景色
生駒:サミット参加前、ノーベル平和賞受賞者の方々は雲の上のような存在だと思っていました。素晴らしい方々の成功事例や参考になる話などを聞き、学ぼうとやや受け身な姿勢でした(笑)。しかし、ワークショップや講演を通して、多くの受賞者と触れるなかで、共通して訴えられていたのが「青年への期待」でした。「私たちは年寄りだ。これからは君たち若者の時代だよ!一人一人の力は無限大だ。」と何度も力強く呼びかけられ、「ちっぽけな自分にもできることは必ずある」と思うことから初めることが大事だと感じました。

受賞者の方のスピーチなどで印象に残っていることはありますか?

サティアルティ氏との記念撮影

サティアルティ氏との記念撮影
生駒:私はインドの児童人権活動家のカイラシュ・サティアルティ氏(2014年ノーベル平和賞受賞)のワークショップでの話が心に残っています。サティアルティ氏が子どもの人権に関心をもった理由について、「当時、私が通っていた学校の前で、お金がなくて学校に行けず働いている同年代の子どもの姿に衝撃を受け、子どもの教育機会を広げたいと思ったのが始まりです」と述べており、受賞者の方も身近な出来事をきっかけに行動していることを知りました。私もこれまでフィリピン、インド、インドネシアへ行き途上国の子どもと触れ、その中で「子ども達がどのような環境に生まれても元気に生きていける世界にしたい」との思いを持っています。特別なきっかけではなく、少しの気づきを行動に変えていけるかが大事なことだと感じました。

サミットの様子

サミットの様子
大島:貧困層の方に事業資金を低金利で融資し、ビジネスの立ち上げ支援をしている方のスピーチが印象的でした。「自分たちの事業はまだまだ不十分な状態であるが、実行する中でこそ問題の本質も見つかり、最善のアプローチを見出すことができる」と話していました。やりたいと思ったら、まずは立ち上げて行動することに価値があるのだと思いました。「自分たちの事業で世界をより良くしたいとの強い意志」が受賞者の話から感じとれ、世界を舞台に活躍するには積極的な姿勢が必須条件であると学びました。

お二人は「青年宣言」の作成メンバー30人にも選ばれましたね。

ディスカッションの様子

ディスカッションの様子
大島:過去にも学生共同声明のような企画はあったそうですが、「青年宣言」は前回サミットに続いて今回が2回目です。創価大学から選ばれたのは今回が初めてになります。600人の参加者のうち30人が作成メンバーとなり、私と生駒さんがアジアの代表として携わりました。この青年宣言は、受賞者の方の常識を打ち破る社会運動を学び、価値観の異なる多様なメンバーと互いに学び合った成果を確認しあい、世界平和に向けた青年の決意と行動を文書にまとめたものです。

ディスカッションの様子

ディスカッションの様子
生駒:30人が5つのテーマごとにグループに分かれ、サミット参加期間を通してディスカッションを重ねました。私は「人間の安全保障/難民危機」、大島さんは「教育」のグループに参加しました。その他、「持続可能な開発」「すべての人のための公平な社会正義」「平和と和解」があり、それぞれのグループで青年宣言に入れる内容やフレーズをまとめました。

「青年宣言」をまとめる作業の中で、これまでの大学での学びがいきたと感じた点はありますか?

南カリフォルニア大学に留学した時の写真

南カリフォルニア大学に留学した時の写真
大島:国際教養学部は授業がオールイングリッシュなので、英語でのディスカッションには抵抗なく入れました。また、2年次に南カリフォルニア大学に留学をしており、海外の学生とのディスカッッションを経験していたのも大きかったです。国際教養学部での“リベラルアーツによる学び”も非常にいかされ、教育や平和について何が問題なのか、なぜ問題が起きているのかなど、自身で「問い」を立て、その「問い」をメンバーと共に議論するよう意識しました。

青年宣言をともに作成したメンバーと

青年宣言をともに作成したメンバーと
生駒:私は学部の学びがいきたと感じる一方で、限られた時間の中で専門的な問題を英語で議論する難しさも感じました。所属している法学部の「国際平和・外交コース」で人間の安全保障や難民問題について学んできており、得た知識や理解はいかすことができました。しかし、問題はそれを英語で理解し伝えることでした。グループには国連文書に詳しい学生やNGOを立ち上げている活動家もおり、専門用語が飛び交うスピード感のあるディスカッションでは正直ついていくだけで必死になっていたと思います(笑)。学部の学びを世界で活かすためには母語での学習に加え英語で学ぶことも必要だと感じました。

「青年宣言」の中でこだわった文章やフレーズがあれば教えてください。

サミット参加中の様子

サミット参加中の様子
大島:これまで大学で学んできた一人の人格を大事にする創価教育に関する言葉を入れたいと思っていました。大学で学んだ学生中心の視点の大事さ、教育のための社会を構築する点、民衆の視点が社会変革の武器になること等を訴えたところ皆が賛同してくれました。宣言文には私の提案が組み込まれ、「私たちは教育こそが平和への最も大切な土台であると信じています。なぜならば、教育は人格を形成し、人々とコミュニティの可能性を最大限に引き出す原動力であり、周りの人々との差異を認識し、差異に対する人々の深い理解を支えていく極めて重要なものであるからです。(中略)私たち青年は、人類の利益のための学生主体・学生中心の教育を必要とし、求め、それを達成するまで行動し続けることをここに宣言します。(中略)したがって、私たちこそが教育者であるとの自覚にたち、それぞれの場所に帰った後も、人類の尊厳と異文化共生のために従事してまいります」という内容を入れることができました。

生駒さんは発表メンバー8人のうちの1人に選ばれたんですね。

生駒:初日に悔しい思いをして、ホテルに戻って机に向かい「人間の安全保障/難民危機」のテーマに対し、自分は何を大事にしたいのか考えました。以前、GCP(グローバル・シティズンシップ・プログラム※1)の友人が日本に来ているシリア難民の家に訪問してインタビューをした時の話を思い出し、まずは苦しんでいる人のことを理解しないと何も変わらないのではと思い、「ダイアローグ(対話)」を軸に意見をまとめました。2日目のディスカッションでは、一番に発言し、「ダイアローグを通し、同じ立場で支援していくことが大事だと思う」と主張したところ「Very good!!」とメンバーも賛同してくれました、その結果、「私たちは対話を通して難民や移民と連帯し、法的支援から物資まで適切なあらゆる資源を供給するよう求めます」のフレーズが採用されました。
 また、サミット最終日に青年宣言を読み上げるメンバーにもアジアの代表として選ばれ、コロンビアのフアン・マヌエル・サントス大統領をはじめ、歴代受賞者が並ぶステージの上で「人間の安全保障/難民危機」のパートを力いっぱい英語で読み上げました。

同世代のメンバーとの出会いで印象に残っていることを教えてください。

インタビューを受ける様子

インタビューを受ける様子
大島:サミットで出会ったコロンビアの学生は、コロンビアの現状と平和への行動を動画にして、SNS等で広める取り組みをしていました。サミットにも自らビデオカメラを抱え、様々な国から集う学生らにインタビューをしていました。私も「日本は戦争についてどう思っているの?」などと聞かれました。「自ら発信する」という点について、自分の感じる問題意識や考えを日本だけでなく世界にどう伝えていけるかを考えるきっかけになりました。
生駒::パネルディスカッションに中高生の年代の女性が登壇していて、身近な環境問題の解決からスタートし、その活動を世界に広めた取り組みを報告していました。実行には準備や事前知識が十分に必要と考えがちでしたが、まずは自らがアクションを起こしてみることも大事だと学ぶとともに、行動を起こすことに年齢は関係ないと感じました。彼らに出会ったおかげで、興味のある衛生・保健問題に対してケニア留学中に自分でアクションを起こそうと決意することができました。

これからの学生生活の抱負を!

大島:サミットを通して強い信念をもって行動している人たちに触れ、自分も身近な問題を見つけて解決に向けて行動していこうと思いました。残りの大学生活で、国際問題や平和といったなかなか答えが見い出せないテーマに対して、自分の考えや論をしっかりと示せるよう学び続け、将来は、民衆に根差した社会貢献をしていける仕事をしたいです。そのために海外大学院進学へ圧倒的な努力をしていきます。
生駒:今年9月からケニアのアメリカ国際大学に交換留学し、アフリカの開発と文化を学びます。途上国の子どもの健康に貢献する人材に近づくべく、留学先では大学での学びに留まらず、NGOや企業の活動にも参加し問題を自分で直視し、現地の方との対話を通して問題の本質を掴める力をつけたいと思います。そのためにも「アクション重視」で留学先ではチャレンジしていきます。

最後に受験生や後輩たちにメッセージをお願いします!

生駒:私は創価大学のGCPに魅かれて入学しました。入学後、世界平和のために何ができるのかと周りの学生が真剣に考えていることに衝撃を受けました。そのような環境に身を置く中で、私自身も自分のことだけでなく世界や社会に目を向けて学ぶ価値観が形成されたと思います。創価大学では、これからの人生で大事にしたい信条や信念を見つけることができます。後輩の皆さんは創価大学で自分の可能性を大きく開いてほしいです。
大島:創価大学は思ってもみない自分になれる場所だと思います。想像もしていない自分の可能性を見つけ、そしてそれを後押ししてくれる制度や環境があります。現在の自分のレベルで将来を判断するのではなく、自分が達成したい「思い」を大事にしてほしいと思います。


(※1)GCP:「地球市民」を育成するための特別な教育プログラムで、所属する学部にプラスαでGCPの教育を受ける。全ての授業が英語で行われ、読解力、ライティング能力、論理的思考力、ディスカッションやプレゼンテーションの技能などを磨く。全員が海外短期研修に参加。開発途上国で諸問題について英語で講義を受け、貧困地域の学校や施設を訪問し、理解を深める。データ分析など数学の科目も重視されています。