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2017年03月28日

ブラジル・アクレ連邦大学から創立者へ名誉博士号

アクレ連邦大学から、創立者池田大作先生に「名誉博士号」が3月28日(火)、授与されました。これは、創立者の世界の文化・学術・教育の発展と日本とブラジル両国の学術・教育交流への貢献を讃え贈られたものです。授与式は、本学本部棟14階で行われ、アクレ連邦大学のミノル・マルチンス・キンパラ総長、総長夫人のデグマール・アパレシーダ・フェレッティ准教授らが出席しました。本学の田代康則理事長、馬場善久学長、石川惠子短大学長、学生の代表らが歓迎しました。

アクレ連邦大学はその使命を、「社会発展を批評する目を持ち、社会発展のために行動できる市民を育てるために、教育、研究及び社会人向け教育(エクステンション)の統合を通して、知識を生み出し、体系化し、普及する」としており、大学のビジョンは、アマゾン地域に関する知識を産み出し、結びつけ、更に社会に展開することによって、国際的に参照される存在となること掲げています。

ミノル・マルチンス・キンパラ総長は授章の辞の中で「池田博士の教育提言集を読みましたが、“教育こそ人生の総仕上げの事業である”と強調されています。博士は、その人格と、戸田会長への誓いを果たすとの強い決意で、創価一貫教育の学舎を設立されました。持続可能な開発を目指し、人間性豊かなより良い世界を築くためには、創価の教育哲学が必要です。博士の中には、峻厳なる師弟の絆があります。私は博士の姿に、初代、2代の両会長の構想を実現しようとの、熱き思いを感じます。この師弟の関係は、私たちの頭では推し量れないものです。博士がこれまで、平和・文化・教育の具体的な行動を示してくださったからこそ、本日、わが大学は『名誉博士号』を授与する栄誉に恵まれました」とスピーチしました。

本学の創立者池田先生は代読された謝辞の中で「貴大学と手を携えて、私たちは地球的な課題の打開に、さらに力強く挑戦してまいりたい。ここでは、その決意を3点、申し上げたいと思います。
第一に、『民衆の生命の豊かなる大地を』ということであります。貴大学の淵源は、1964年。アクレ州の地域の発展と民衆の生活向上を目指し、向学の人すべてに門戸を開いていかれました。以来、半世紀を超え、その信念は、いやまして民衆のための最高学府を輝かせているのであります。貴大学は、貧困にあえぐ人々やアマゾンの密林の遠隔地にも、学習機会を提供するなど、民衆奉仕の大学として、さまざまな工夫と努力を重ねてこられました。『経済的な理由で充実した教育を受けられなかった家庭の子弟たちが、このキャンパスで学問を修め、使命の舞台へと飛翔しゆく姿を目の当たりにすることこそが、最大の喜びである』と。(中略)
第二に申し上げたいのは、『平和と共生の滔々たる大河を』ということであります。貴大学は、『地域社会の発展につながる知識の生産と普及』を標榜され、とりわけ自然との共生の英知を重視してこられました。『エコロジーと自然資源の管理』『アマゾンのための科学・技術革新』『西アマゾンの持続可能な衛生と畜産』など、多様な生命の宝庫であるアマゾンの環境を守り、未来の人類へ伝え託しゆくためのプログラムを推進されていることも、よく伺っております。わが創価大学も、2003年に環境共生工学科を設置。15年には、共生創造理工学科に発展し、持続可能な地球社会の構築に貢献しゆく人材を育成してきました。アメリカ創価大学でも、『自然と人間の共生の指導者育成』を指針とし、『環境教育』の集中コースが設けられております。(中略)
第三に、『対話の文化で人間性の凱歌を』と申し上げたい。貴大学と創価大学の共鳴し合う精神に、『対話』を重んずる教育があります。キンパラ総長は、『対話こそ、大学を強化し続けるための唯一無二の道であると確信する』と明言され、まさしく開かれた対話の力で、貴大学の躍進を勝ち取ってこられたのであります。私がご一緒に対談集を発刊したブラジル文学アカデミーの総裁で、人道の獅子であられたアタイデ氏も、遺言の如く語られました。『すべての悪の脅威に打ち勝つものは、“対話”による相互理解と連帯の力である』と。残念ながら、今、世界は至るところで『分断』の亀裂を深め、暴力の噴出に直面しております。なればこそ、私たちは、いよいよ『対話の文化』を基軸とし、世界の大学の交流を広げ、人間性の勝利を打ち立てていきたいと思うのであります」と述べました。
ページ公開日:2017年03月28日