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2018年04月30日

本学で「第83回仏教学懇話会」が開催されました

本学の国際仏教学高等研究所(所長:辛嶋静志教授)が主催する「第83回仏教学懇話会」が、4月21日(土)に本学文系​C棟で開催されました。今回は、四川大学中国文学系教授の雷漢卿博士が、「禅宗文献の語彙考察」(禅宗文献詞語考辨)とのテーマで発表しました。
 
中国の文献の多くは、文言で記されています。それに対して仏教文献は、口語を多く含んでいます。特に唐代・宋代から創られた禅の語録など禅宗文献には、口語表現がそのまま残っており、中国語の歴史研究にとって大変重要な資料です。雷博士は、これら禅宗文献を使って、中国語の口語の歴史を明らかにしてきました。日本語も同じですが、口語は、特定の時代や地域の人々には理解できるが、時代と地域が異なれば、理解が難しく、禅宗文献の口語も同じ状況です。今回の講演では、口語の例として、「赤諱白誺」(しらばっくれる)、「雲居子」(数珠)、「漏逗」(欠点)、「太末虫」(はえ)などについて、多くの文献を引いて、それらの意味と来歴を明らかにしました。
 禅宗文献の言語的研究は、日本では江戸時代からの文献研究がされています。他方、中国の口語表現は、中国人の方が理解できます。今後、日中の研究者が力を合わせて、共同研究していくことの重要性にもふれました。
 
研究所所員と雷博士夫人の呂肖奐博士(四川大学中国文学系教授、宋代文学)の他、学内外から漢語研究を専門とする研究者が聴講し、講演後、活発な質疑応答が行われました。
ページ公開日:2018年04月30日