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2018年05月15日

文部科学省「私立大学研究ブランディング事業」のキックオフシンポジウム『途上国における循環型社会の形成』を開催しました

昨年11月に発表された文部科学省の平成29年度「私立大学研究ブランディング事業」に、本学の事業計画『途上国における持続可能な循環型社会の構築に向けた適正技術の研究開発と新たな地域産業基盤の形成』(以下、PLANE3T Project<※1>)が採択されました。
この採択を受け、PLANE3T Projectキックオフシンポジウム『途上国における循環型社会の形成~エチオピアと進める分野横断型アプローチ~』を5月12日(土)、創価大学大教室棟S201教室で開催しました。モデル地域であるエチオピアよりバハルダール大学のフィレウ・テゲニェ学長、インジンバラ大学のベルハヌ・ビレイ学長らを迎え、教職員・学生をはじめ約200名が参加しました。

第1部では本学の馬場善久学長の挨拶に続いて、研究プロジェクト責任者の戸田龍樹工学研究科長が『PLANE3T Project』の概要を報告しました。未利用バイオマスを低コスト・省エネルギーで処理、そこで回収した栄養分と日光で植物プランクトンを大量培養する「プランクトン工学」について説明し、「エチオピアでのプランクトンを原料とした栄養豊富な食材の生産・商品化を通し、国民の健康改善、環境教育・経済教育の提供、そして新たな産業づくりに貢献し、持続可能な循環型社会システムの構築を目指します」と述べました。また、事業の一環として直立型屋外プランクトン培養装置やプランクトンの有用成分を測定する最先端分析装置(MALDI-TOF-MSやUPLC-MS)などの施設・設備が整備された点や、本年3月にエチオピア視察団を派遣し、エチオピア保健省やJICAエチオピア事務所、現地の大学等と意見交換をしたことを紹介しました。

続いて、モデル地域のエチオピアからバハルダール大学のフィレウ学長が「エチオピア・バハルダール市周辺の環境・生態・社会的諸問題とバハルダール大学の取り組み」と題して講演しました。エチオピア最大の面積を誇り、農業、水力、発電、観光の要所であるタナ湖ではホテイアオイが過剰繁茂している課題に言及。354のプログラムを擁する総合大学として、外部機関や海外諸大学と連携しながら課題解決にむけた取り組みを紹介するとともに、ホテイアオイの新たな利用法として、家畜の餌や肥料などの様々な用途への転換を模索している点などが述べられました。

第2部では、JICA東京国際センターの木野本浩之所長が「JICAのアフリカ協力について」をテーマに、日本政府が主導するアフリカ開発会議(TICAD)を中心に、経済開発や民間企業の生産性の向上、健康増進、子どもの就学の促進等の取り組みを紹介しました。
続いて、「BOPビジネスの社会的・教育的意義」と題して、本学の高木功経済学研究科長が「PLANE3T Project」を通し、経済性と社会性の2つの価値を同時的に追及し、実現するビジネスモデルを確立し、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に貢献したいと思います」と語りました。
最後に、滋賀県立大学環境科学部の伴修平教授より、琵琶湖で過剰繁茂する水草をメタン発酵によって分解し、エネルギーと栄養を回収する「現代版里湖(さとうみ)循環型社会の構築」について成果報告がありました。このプロジェクトは現在社会実装化が進められており、伴教授からは本学が進める本ブランディング事業の社会実装化への期待が寄せられました。

また、シンポジウム開催前には、「プランクトン工学研究開発センター」開所式の他、バハルダール大学およびインジバラ大学と学術交流協定を締結し、今後の教員および学生交流等について意見交換しました。これで本学の学術交流協定は58カ国・地域、198大学となりました。

<※1>PLANE3T Project:PLANkton Eco-engineering for Environmental and Economic Transformation
ページ公開日:2018年05月15日