2020年04月21日 10時55分
留学体験(杉本望さん・アルカラ大学)
Q1. スペインのアルカラ大学に留学されていたそうですね。
はい。2018年9月から2019年5月の8ヶ月間、スペインのアルカラ大学で交換留学第1期生として学ばせていただきました。
アルカラはスペインの首都マドリードから北東へ約30km、電車で30分ほどの距離にあり、世界で初めての計画的な大学都市として世界遺産に登録されている歴史ある街です。また、「ドンキホーテ」の作者セルバンテスの出身地としても有名です。
アルカラ大学は38の学士課程と50の修士課程を有しており、総学生数約3万人のうち約20%が留学生という、国際性が高い大学となっています。さらに、2018年には創立者に教育学博士号が贈られ、アルカラ大学に池田大作『教育と発達』共同研究所が設立されました。
Q2. なぜ、その国・大学を選びましたか?
留学に行きたいと思うようになったきっかけは、創価学園時代に創立者から「きみの舞台は世界だよ」とのメッセージをいただいたことでした。1年次から英語圏への交換留学を目指して英語に力を入れて勉学に取り組んでいたのですが、「さらに自分の視野や活動の幅を広げたい」との思いから、英語の次に公用語としている国の数が多いスペイン語圏に挑戦しようと決意しました。ちょうどその時に、アルカラ大学と創価大学の交換協定が結ばれ、「交換留学1期生として後輩に道を拓けるなら」と応募を決めました。
高校の時からの夢であった英語圏への留学ではなく、全く学んだことのないスペイン語圏への挑戦でしたが、留学先で悩んでいた時にゼミの先生が幅広い視野からアドバイスしてくださったおかげで、決意を固めることができました。
そうなんです。朝食後、11時頃に一度軽食を取ります。その後、1日のメインである昼食を14時〜16時頃に職場や学校から一度帰宅し、家族揃って食べます。食べ終わったら「シエスタ」と呼ばれるお昼寝をします。スペイン人にとってのお昼寝は、ソファーで20分ほど仮眠をとるような感じですが、このお昼寝が義務になっている地域もあり、14時〜17時は多くのお店が閉まっています。その後、軽食を18時〜19時頃にもう一度挟み、夕食を22時頃取ります。
初めはこの文化になかなか慣れませんでした。まだホストファミリーにも気を遣っていた頃だったので、勧められたものを全て食べ、さらにおかわりをしていたせいで、最初の2ヶ月で6kg太りました(笑)。
スペインに到着してすぐは寮に住んでいましたが、日本人比率が高かったため、スペイン語を早く伸ばすためにもホームステイに切り替えました。私はもともと石橋を叩いて叩いて叩きまくって渡りだすタイプだったので、何事もある程度準備をしてからでないと一歩踏み出すことができませんでした。そのため、あの時はスペイン語が全く話せなかったのによくホームステイを選んだな、と思う時が今でもあります(笑)。
しかし、本当に優しいホストファミリーに出会うことができ、毎晩ニュースを一緒に見ながら私にも分かるように説明してくれ、週末には遠出に誘ってくれました。帰国時には「あなた以上にいい学生にはこの先出会えないよ。いつでも帰っておいでね!」と涙ながらに言ってくださいました。
現地に着いてすぐは、留学する道を選んだことを後悔するほど辛かったのですが、ホストファミリーとの出会いで私の留学生活は大きく変わりました。
特に言語面で苦労しました。案内表示が読めない、相手が何を言っているのか理解できない、聞き返したくても聞き返し方がわからない。現地では自分だけでは解決できないことだらけでしたが、人に頼るのが苦手で、上手くいかない度に落ち込んでいました。
しかし「どんなに冷たい態度を取られても、言いたいことが1回で伝わらなくても、目の前の人にはもう会わないかもしれない!数ヶ月後には日本に帰らないといけないし!」と吹っ切れてからは、誰にでも助けを求められるようになりました(笑)。徐々に私のスペイン語力も伸び、生活に慣れてからはスーパーで出会った人や、工事現場の警備の方と世間話をしたりするまでになりました。
私は高校時代、全く勉強をしていなかった時期がありました。創価大学の合格を勝ち取り、入学した時には「やっとみんなと同じスタートができる」と思っていました。しかし、授業を受けるたびに周りとの積み重ねの差を感じ、「高校時代に勉強していなかったからだな」と過去の自分のせいにしてはどれだけ努力しても自信が持てずにいました。そんな自分を変えたいと思い挑んだ留学で「スペイン語をビジネスレベルまで向上させる」という目標を達成できた経験は、「過去がどうであれ、こんな私でもやればできるんだ」という自信を持たせてくれました。
私の場合は、留学前に“何があっても必ず達成させたい目標”を一つ決めてから留学生活をスタートさせたことが大きかったと思います。
Q7. これから留学を目指す後輩達に一言お願いします。
私は留学中、現地で働く先輩に「なぜ留学をしようと思ったのかを忘れないで欲しい。結果に囚われなくていいから、この留学で大いに挑戦する物語を作って欲しい。異国での不自由な生活の中で泥まみれになっても負けない留学をしてほしい」と激励していただきました。
留学当初は自分の留学をどのようなものにするか、また、どのようなものにするべきか大変悩みました。しかし、留学スタイルは十人十色です。自分で決めた目的や目標を忘れず、思う存分楽しみながら自身の留学スタイルを築き上げていってください。