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2021年12月16日

日本デューイ学会理事 藤井千春氏が講演

2021年12月13日に「2021年度池田大作記念創価教育研究所講演会」を開催しました。

題 名:「ジョン・デューイ ―メリオリズムを生きる思想―」
講 師:藤井千春氏(早稲田大学教育・総合科学学術院教授、日本デューイ学会理事)


ジョン・デューイは20世紀アメリカを代表する哲学者・教育学者であり、本学創立者も海外大学講演等で度々その思想的意義を論じています。
明年(2022年)デューイ没後70年を迎えるに当たり、教育学者であり日本デューイ学会理事の藤井千春氏に講演を行っていただきました。藤井先生は近年新しく刊行された『デューイ著作集』第1期全8巻(東京大学出版会)の監修も務めておられます。

今回の講演会では、「ジョン・デューイ ―メリオリズムを生きる思想―」と題し、人間の知性的な努力により社会を改良しようとする生き方であるデューイが着目したメリオリズムの論拠、骨格、理論について、また「人間は自らの知性的な努力により社会を改良することができる」と論じたデューイの経験について語っていただきました。
受講者からは多くの質問が寄せられ、活発な質疑応答が行われました。講演終了後も多くの受講生からの質問に懇切丁寧にご対応いただきました。

参加学生の代表の声
〇デューイの名前はよく耳にすることがありましたが、その思想や功績についてはほとんど理解できていなかったので、今回は詳細に解説いただき有意義な学びができました。デューイは実験学校を作ったという点で教育者なのだと思っていましたが、経済学や社会学に長けた人なのだと知りました。当時、無力感を持つ人々が多かったと話されていましたが、現代社会においてもデューイの思想が生かされるのではないかと思いました。

〇デューイが自由主義経済を批判し、政府による介入を認めるという点については、需要モデルにおいて安倍内閣が実施したニューディール政策なども、マクロ的な観点から見れば似ていると感じました。また子どもの興味・関心や心身の発達に応じた教育を実践するという点では、牧口先生が実践した創価教育におけるヘルバルト派の多方興味と密接な関係があると思いました。そういった意味では、デューイがシカゴ大学付属実験学校で実践した教育は牧口先生が実践しようとしていた教育の一つに、相通ずるものがあると感じました。

〇本日の授業では、ジョン・デューイのメリオリズムについて、論拠や骨格も含めて深く知ることができました。人間は自らの知性的な努力により、社会を改良することができるとの言葉が、素晴らしい言葉だなと感じました。

〇教育の機会を得て、昇華してゆく人間の可能性を感じました。多くの事例を教えて頂く中で、教育を皆が受けることの重要性を知る事ができました。とてもいいお話が聞けたので良かったと思います。

〇創立者の書籍を学ぶと共に、広く学問の中で、その正当性を学んでゆくのが、創価大学の学びであると感じました。

ページ公開日:2021年12月16日