SDGsレポート2021

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Message 創価大学副学長/SDGs 推進センター長 田中 亮平 About us 創価大学は、1971 年の開学以来、生命の尊厳に基づく平和・文化・教 育を掲げる建学の精神のもと、地球社会の課題と真摯に向き合い、平和の 実現に果敢に挑戦する「世界市民」の育成に取り組んでまいりました。この 理念に基づき、2015年9月の国連サミットで採択されたSDGs(持続可能 な開発目標)実現への積極的な寄与を目指し、2019 年4 月に「SDGs 推 進センター」を開設しました。 創立60周年を展望する新たな中長期計画「Soka University Grand Design 2021-2030」では、 4つの重点テーマの1つにSDGs を掲げました。具体的には全学的なSDGs の推進や、SDGs に関わ る専門家の育成、さらに国連諸機関との連携、社会や地域と連携した SDGs 活動、サステナブルキ ャンパスに向けた取り組みなどが計画されています。また、創立 50 周年を記念する行事の一環とし て、「価値創造×SDGs」と銘打ち、地球的課題解決のための方途を考える連続イベントを毎年開催し てきました。一方で、SDGs への貢献というテーマのもと、国連大学をはじめ、他大学との連携・協力も 進めています。さらに気候変動対策の意識啓発のため、国内三大学目として「気候非常事態宣言」 を発表しました。 これからも、教職員・学生の連携を強めつつ、持続可能な未来に向けての挑戦を続けていきます。 創価大学SDGs 推進センターは、 学内外のSDGs 達成へ貢献するこ とを目的に、2019 年4月に開設し ました。センター員は教職員及び学 生の代表で構成され、SDGs推進 活動に関する企画・立案をはじめ、 各種広報や実施状況の分析・評 価・改善を中心に、関連部署と連 携しながら多角的な取り組みを推 進しています。 2020 年度には、 学生代表のもとに「SDGs 推進学生 委員会」が発足し、学生間の交流 や学生視点の取り組みの提案・実 施を担っています。 センターの主な取り組み ・SDGs推進活動に関する企画立案 ・各種広報活動 ・SDGsに関連する取り組みの 実施状況分析・評価・改善 2

創価大学は、2021 年に創立 50 周年を迎えるにあたり、新たな 10 か年の中長期計画として、 「Soka University Grand Design 2021-2030」を策定しました。2030年を目指した今回の取り組み においては、「世界市民教育」、「SDGs の達成」、「多様性あるキャンパスの構築」などをコンセプトとし て、「価値創造を実践する『世界市民』を育む大学」とのテーマを掲げています。 < 名 称 > Soka University Grand Design 2021-2030 < 期 間 > 2021年4月1日~2031年3月31日 (10か年計画) SDGsに関する取り組み ―SDGs の達成とともに、「誰も置き去りにしない」という地球社会の実現に取り組みます。 【教育】 世界市民教育の体系化の一環で、SDGs 指定科目から所定の単位を取得した場合には 副専攻として認定します。 【SDGs】 「全学 SDGs プロジェクトの推進」、「SDGs 達成に貢献する人材育成とネットワーク構築」 の他、国連等の諸機関との連携、地域や社会との連携を推進します。 【経営基盤】 サスティナブルなキャンパスを目指し、カーボンニュートラルを目指したエネルギー計画など を推進します。 【詳細】 https://www.soka.ac.jp/sgd2030/jp/index.html 3

Pick up NEWS 2021年4月に創立50 周年を迎えた本 学では、周年記念事業の一環として、SDGs の推進に寄与することを目的に、「価値創造 ×SDGs」シリアルイベントを開催してきまし た。2021 年6 月5 日~14 日には、SDGs 目標 4「教育」に焦点をあて「創価教育と世 界市民教育」をテーマに第3回目となる「価 値創造×SDGs」Weekをオンラインで開催し ました。「世界市民教育」をテーマにした記 念講演やシンポジウムをはじめ、交流校のスペイン・アルカラ大学やアメリカ創価大学との共同企画、 学生展示などのイベントを実施し、国内外より多くの方が参加されました。 【イベント詳細】 https://sokauniversity.app.box.com/s/2stxzho1vy5wvcnjxujp4vmp3epljgnb 2021 年12 月12 日、本学キャンパスに、環境、 気候変動、人権などの分野でSDGs達成に向けて取 り組む実践者 9 名(ビジネスの実務者、専門家、研 究者、国際機関、NPO/NGO関係者等)を招き、第1 回目となる「SDGs 達成に向けた実践者と学生・教員 の対話・ネットワーキング会合」を開催しました。本企 画は、本学学生のSDGsに関する活動や研究に対し て、学外の実践者からフィードバックをいただくなど分 野を超えた対話を行い、人的ネットワークを広げると ともに研究や活動の充実に繋げることを目的に実施しました。 当日は、「教育を通じて国際社会に革新と革命を促す学生による活動」など、4 つのテーマのもと 教室に分かれて、学生による発表と実践者を交えてのディスカッションを行い、その後、学生は実践 者からの助言等を参考に活動の改善案を作成し、新たな視点での気づきや数値化した指標を設け ることなど、学びを反映した取り組みを全体会で発表しました。 参加した実践者からは「学生の皆さんの課題に対する着眼点が、どれも素晴らしい」「大学での学び を社会に還元できるよう今後の活動に期待したい」「様々な立場から課題を捉える視点を大事にして もらいたい」などの声が寄せられました。 【ダイジェスト動画】 https://www.soka.ac.jp/news/2022/01/6839/ ◆「世界市民教育」をテーマに「価値創造×SDGs」 Weekを実施しました ◆「SDGs 達成に向けた実践者と学生・教員の対話・ネットワーキング会合」 を開催しました 4

◆「学校法人創価大学気候非常事態宣言」を発表しました 本取り組みの詳細は、p.19で紹介 2021 年4月より、脱プラスチックを推進するためのマイボトル用 のウォーターサーバーを、学内9か所(創価大学内に8か所、創価 女子短期大学に1か所)に導入しました。学生が独自に調査した マイボトルの使用状況に関するアンケートの結果、多くの学生がマ イボトルを所有するも給水できる場所がないことが課題であること が判明しました。試験導入を経て、SDGs 推進センターと学生が連 携し、2021年度からウォーターサーバーを設置しました。 導入した製品は、ウォータースタンド株式会社の水道直結型の 「ナノシリーズ トリニティ」。3 段階フィルターシステムで、安心で美 味しい冷水と常温水を無料で提供しています。 【HP NEWS】 https://www.soka.ac.jp/news/2021/04/5841/ 本学が推進するアフリカ諸国との国際共同研究 「SATREPS-EARTHプロジェクト」が2021年7月より本 格的に始動しました。これは、科学技術振興機構 (JST)および国際協力機構(JICA)による地球規模課 題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)に採 択され、2026 年6 月までの5 年間実施されるもので す。7月1日には、キックオフミーティングが開催され、 92 名(日本側参加人数61 名・エチオピア側参加人 数31名)が参加しました。 創価大学創立50 周年を迎えた4 月2 日、学校法人創価大学は、気候危機に全教職員、学生 が一丸となって対応していく意思を表明するため「気候非常事態宣言」を発表しました。これは日本 の大学では3校目の発表となります。 本学が発令する「気候非常事態宣言」では、2050 年にカーボンニュートラルを目指し、再生可能 エネルギー拡大や省エネルギーに努めることを主軸に、国連が掲げるSDGs達成に向けて取り組むこ と、教育・研究機関としての挑戦や人材育成などを盛り込んでいます。その他、4R(リデュース、リユー ス、リサイクル、リフューズ)の推進や地域とのパートナーシップを強化していくことを宣言しています。 ◆学生の提案を受け、脱プラスチックの推進を目指し、 学内にマイボトル用ウォーターサーバーを設置しました ◆アフリカ諸国との国際共同研究の一環である 「SATREPS-EARTHプロジェクト」が始動しました 本プロジェクトの詳細はp.15で紹介 キックオフミーティングの様子 5

・SDG10 ・・・p.16 ・SDG11 ・・・p.17 ・SDG12 ・・・p.18 ・SDG13 ・・・p.19 ・SDG14 ・・・p.20 ・SDG15 ・・・p.21 ・SDG16 ・・・p.22 ・SDG17 ・・・p.23 各SDGでの具体的な取り組み事例 ・SDG1 ・・・p.7 ・SDG2 ・・・p.8 ・SDG3 ・・・p.9 ・SDG4 ・・・p.10 ・SDG5 ・・・p.11 ・SDG6 ・・・p.12 ・SDG7 ・・・p.13 ・SDG8 ・・・p.14 ・SDG9 ・・・p.15 6

■授業「開発と貧困の経済学」 経済学部 高木功教授 POINT ・世界の貧困の現状を学ぶ ・「貧困」とは何か、目指すべき「発展」とは何かを 考える ・SDGs1「貧困をなくそう」を達成のために何ができ るのか、その持続可能な戦略・政策を考える 「開発」というと経済開発を想起されることでしょう。しかし国連開発計画(UNDP)が「人間開発」を 提唱したように、経済開発は最終的には「人間の幸福」に結びつかなければなりません。「開発」とは、 「人間らしい生き方(Human Well-Being)の実現」を意味します。「人間らしい生き方の失敗」を「貧困」 と呼ぶのです。国連が掲げる「持続可能な開発目標」(SDGs)の第1のゴール「貧困をなくそう」は、地 球環境を育みながら貧困を解決し、人間らしい生活を実現するという人類の普遍的目標なのです。 SDG1 貧困をなくそう あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ ■コロナ禍の学生に無料で食料等を提供 POINT ・経済的影響を受けている学生のサポート ・野菜やお米、カップ麺などを配布 ・1年間で3度実施し、約1,400名を支援 コロナ禍においてアルバイト等ができずに収入が減少す るなど、経済的に影響を受けている学生へのサポートを目 的に、学生支援の一環として食料品および生活必需品を 学生に配布しました。 <学生から寄せられた声> 「コロナの影響で病院実習前のアルバイトが制限されていた ため、このような支援をしていただきと助かりました」 7

■授業「農業経済論」 経済学部 近貞美津子准教授 POINT ・食料問題の要因を、経済学を使って考える 農業経済論は、国内外の農業や食料に関する問題を経済学を使って分析する学問です。授業は 講義形式でありますので、演習のように問題解決型のプロジェクトを進める場はありませんが、世界の 食料問題の背景を多面的に理解していただくため、講義の多くの時間をこのトピックに充てておりま す。例えば 2008 年の世界食糧危機の際、多くの方が新たに飢餓状態に陥りました。その時の様々 な要因を、国際穀物市場の需要・供給の動きという観点から説明すると、仕組みが分かり易くなりま す。その上で、少人数のグループにわかれ、解決策を考える時間を設けております。今後は、更にア ウトプットの時間を増やしていきたいと思います。 SDG2 飢餓をゼロに 飢餓に終止符を打ち、食料の安定確保と栄養状態の改善を達成 するとともに、持続可能な農業を推進する ■「東京栄養サミット 2021」のサイドイベントで本学学生が発表! POINT ・日本政府が主催する世界の栄養不良の改善に向 けた国際的な取り組みを推進する国際会合のサ イドイベントで本学学生が発表。 ・政府関係者や国連の方々と貧困や食料問題につ いて議論した。 2021 年12 月7日(火)・8日(水)に開催された「東京栄養サミット 2021」の農林水産省主 催のサイドイベントに、経済学部4年の笹川大輔さん(GCP9期生)が学生代表として出席し、テ ーマ別セッションで登壇しました。笹川さんは学生代表2名の内1名として参加し、本学GCP プ ログラムで参加したフィリピン研修での経験を紹介しながら、国際開発におけるコミュニティ・エン パワーメントの重要性などについて発表。政府や国連関係者らと貧困・食料問題をテーマにディ スカッションしました。 【詳細】https://www.soka.ac.jp/news/2021/12/6732/ 8

■授業「健康と生活」 看護学部 本田 優子教授 POINT ・人間の生活と健康・疾病の関連について多面的な側面から理解する ・健康増進・疾病予防に向けた取り組みについて理解する ・生活と健康の視点や発達という観点から、人間を統合的にとらえる力をつける 第1 回から第4 回に、人間の生活や健康・発達について学生自身の経験や実態を振り替える演 習を行います。第5 回以降は、人間の成長段階ごと例えば、赤ちゃんの時や幼児期・小学生、中学 生や高校生、それから女性として、あるいは大人になった時や高齢者などにおける、体や心の特徴や 健康問題、健康に過ごすための生活の仕方について、学生同士の演習や周囲の人に聞き取り調査 などしながら学んでいます。成果として、学生の皆さんは保護者から聞き取った自分の幼少期のエピ ソードと授業内容を関連させて理解を深めると共に、孤立し居場所が無く健康的な生活ができない 人々の存在を知り、アプローチの必要性について考えることが出来ています。 SDG3 すべての人に健康と福祉を あらゆる年齢のすべての人の健康的な生活を確保し、 福祉を推進する ■キャンパスの全面禁煙化を実施(2013年4月~) POINT ・2013年4月より構内の全面禁煙化を実現 ・構内の喫煙環境を減少させ、全学生・教職員の健 康を守る ・新入生に対する禁煙教育や、喫煙者に対する卒煙 支援を実施している 本学では、全学生と教職員の健康を守るため、思いやり溢れる無煙キャンパスを目指し、2013 年4月より構内の全面禁煙を行っています。加えて、新たな喫煙者を増やさない取り組みとして、 例年「禁煙キャンペーン」を実施するなど、タバコの害に関する正しい理解を促し、喫煙開始の防止 に努めています。さらに、喫煙者に対しては、医師と看護師による卒煙相談を実施するなど、一人 では困難な卒煙を理解し支援する体制を整備しています。実際に、2009年には9.1%だった喫煙 率が、2021年度には4.7%に減少しています。(※学内喫煙アンケートより) 9

■UNHCRと協定を締結し、毎年難民の入学を受け入れ POINT ・「難民高等教育プログラム」の協定を締結 ・学部、大学院両課程で締結(本学が1校目) ・入学者には、学費等を全額免除。修学助成金を支給。 原則として学生寮を提供 2016 年に国連難民高等弁務官(UNHCR)駐日事務所、国連UNHCR 協会および本学による、難 民を対象とする推薦入学制度「UNHCR 難民高等教育プログラム(RHEP)」に関する協定を締結。 2017年4月より毎年1 名の学部生を奨学生として受け入れ、当該学生に対して原則4年間、学費 を免除するほか、生活支援の奨学金の給付を行い、経済的な理由で日本の大学に通うことが困難 な難民に対して大学教育の機会を提供してきました。さらに、2021 年には、本学大学院においても 同協定を締結し、2022 年度より国際平和学研究科(修士課程)で1 名の受け入れを開始する予定 です。これまで6名の学生を受け入れ、卒業生は有名企業に就職し、活躍しています。 SDG4 質の高い教育をみんなに すべての人に包括的かつ公平で質の高い教育を提供し、 生涯学習の機会を促進する ■ユネスコスクールとして取り組みを推進 POINT ・ESD関連の講演会・フォーラムの開催(年2回) ・支援対象地域にある学校のユネスコスクールへ の加盟申請への支援 本学ではユネスコスクール支援活動を推進する組織として2018年にユネスコスクールプロジェク トを立ち上げて取り組んで来ましたが、2021 年度に正式にユネスコスクール支援委員会が発足しま した。文部科学省は ESD(持続可能な開発のための教育)推進の拠点としてユネスコスクールを位 置づけており、ESD は SDGs に取り組む意義を学び、知識や技能を身につけ、態度を形成するため の教育です。そして、本学はユネスコスクールとしてSDGsに取り組むだけでなく、本委員会の活動を 通じてESD推進のネットワークづくりに取り組んでいます。2021年度は、「価値創造×SDGs」創価教 育と世界市民教育【ユネスコスクール推進フォーラム】をオンラインで開催し、約160名の方が参加 しました。 10

■生理用品を無償配布。短大では、無料提供サービスを導入! POINT ・八王子市より提供を受けた災害用備蓄の生理用品を 保健センターにて無償配布。 ・短大では、学生からの提案を受け、生理用ナプキンの 無料提供サービス「OiTr(オイテル)」を設置(6箇所) 新型コロナウイルス感染症拡大の影響で経済的な理由等で生理用品の購入が困難となる“生理 の貧困”が問題視される中、本学では八王子市より災害用に備蓄されていた生理用品の提供を受 け、2021年5月25日から保健センターにて無償配布を実施しました。 さらに短期大学では、学生からの提案を受け、生理用品の無料提供サービス「OiTr(オイテル)」 を、校舎内6室のトイレに設置しました。専用のアプリをダウンロードしたスマートフォンを設置されたディ スペンサーに近づけると、無料で生理用ナプキンを受け取れるシステムで、関東の女子大・女子短大 で初めて導入されました。 SDG5 ジェンダー平等を実現しよう ェンダー平等を実現しよう ジェンダーの平等を達成し、すべての女性と女児の エンパワーメントを図る ■学生大会にてジェンダー平等のための方針策定を可決 POINT ・全学生が参加する定期学生大会において、学内の組 織運営におけるジェンダー平等のための方針を策定 ・2022年度より学生自治会、学友会、各種実行委員会 等の学内組織にて方針に従った組織運営実施予定。 2021 年度の定期学生大会で、学内の組織運営におけるジェンダー平等のための方針の策定 が提案され、承認されました。その後、各学内組織の人事や活動において、方針に従った運営が 行われています。具体的には、これまで男子・女子のみが所属していた役職において、両性別の学 生が所属するように刷新し、役職名も特定の性別が含まれないように変更しました。2022 年度以 降は、各学内組織内だけでなく、SNS や各種行事を通して、全学に向けて方針の周知徹底を図っ ていく予定です。 11

■授業「水法演習」~水環境と地域社会を考える 法学部 宮﨑淳教授 POINT ・水環境に基づく地域特性の形成と水に関する問題の解決プロセスを学ぶ ・持続可能な社会構築のために求められる水循環の維持・回復について学ぶ 本授業では、水問題を抱えた地域が、いかに地域特性を形成してきたか、また当該地域がどのよ うに水問題を解決してきたかについて学びます。 また、健全な水循環を維持・回復するために制定された水循環基本法が、世界に類を見ない法 律であることを把握し、その理念に基づく施策や取り組みを学ぶことで、持続可能な社会の構築のた めに水循環の維持・回復が重要な要素となっていることを理解します。 最近、頻発化・激甚化する水害の対応策として、国は治水政策を大きく転換し、2021年に流域治 水関連法を整備しました。流域治水の法的枠組みを理解するとともに、地域の伝統的な治水技術が 現代に活用できる可能性を探ることによって、今後の流域治水のあり方を考えたいと思います。 SDG6 安全な水とトイレを世界中に ェンダー平等を実現しよう すべての人に水と衛生へのアクセスと持続可能な管理を 確保する ■日本水環境学会論文奨励賞(廣瀬賞)を秋月真一講師が受賞 POINT ・論文奨励賞(廣瀬賞)は、水環境に関する研究が独 創的であり、将来を期待される個人に贈られる賞 ・Water Research誌に掲載された論文にて受賞 5月20日に、本学プランクトン工学研究所の秋月真一講師の論文が、公益社団法人日本水環 境学会の2020年度論文奨励賞(廣瀬賞)に選ばれました。この賞は、水環境に関する研究が独 創的であり、将来を期待される個人に贈られる賞です。論文では、アンモニア含有廃水の省エネル ギー処理法として微細藻類と亜硝酸型硝化菌グラニュールの共存系に着目し、光強度の違いが 共存系の機能に及ぼす影響を評価しました。特に、アンモニア除去に寄与する経路(硝化反応ま たは微細藻類による摂取)が光強度よりも日積算光照射量に依存することを明らかにし、アンモニ ア除去を効果的かつ省エネルギーで行える日積算光照射量を推定した部分に独創性があります。 12

■太陽光発電システムを導入し、CO₂の排出削減に取り組む POINT ・中央教育棟(東棟・西棟)、看護学部棟、大教室棟に、 太陽光発電システムを設置(計166kw) ・年間約30トンのCO₂の排出削減効果が見込まれる ・学内には、環境教育ツールとして発電量CO₂排出量を掲 示 2014 年2 月に「中央教育棟」の東棟と西棟の屋上に、本学最大規模の太陽光発電システムを設 置しました。合計416枚の結晶シリコン製のパネルを設置し、最大出力は99kwで、同建物の空調や 照明の電力として使用しています。これにより年間約 30 トンの CO₂排出削減効果が見込まれます。 同建物のB1Fのローソン前のラウンジ壁面には、太陽光発電の特徴やその日の発電量 CO₂排出量な どが分かるモニターを設置しています。他にも、2009年12月に「大教室棟」に30kw、2013年2月 に「看護学部棟」で37kwの太陽光発電設備を設置してまいりました。2021 年度の太陽光発電量合 計は、160,453kwh でした。今後もCO₂排出削減に取り組んでまいります。 SDG7 エネルギーをみんなに そしてクリーンに ェンダー平等を実現しよう すべての人に手ごろで信頼でき、持続可能かつ近代的な エネルギーへのアクセスを確保する ■節電を促すポスターを学生が制作し、学内の各教室に掲示 POINT ・教室での節電を促すポスターを学生が制作 ・学内に130 枚を掲示 ・教室の大きさに合わせた内容で制作 SDGs 推進センターと学生主体で取り組んでいる 「#Soka Sustainable Campus」というプロジェクトの一環で、節 電が SDGs 達成に貢献していると気付いてもらえるようなポ スターを制作し、学内に掲示しました。制作したポスターは2 種類あり、教室の大きさによって内容を変えています。携わ った学生は、「一人でも多くの人の節電意識の向上と行動変 容につながることを願っています」と述べました。 13

■文学部生が諏訪地域の特産品を長野県シニア大生と共同開発 POINT ・諏訪地域をシニア大学諏訪学部生らのサポートを 受け学ぶオンラインスタディツアーの実施。 ・その成果が大学生とシニア大生共同開発の地域特 産品セット「元気でSUWA」の誕生となった。 ・「元気でSUWA」は県下最大級ガラスミュージア ム「諏訪ガラスの里」にて販売された。 SDG8 働きがいも経済成長も ェンダー平等を実現しよう すべての人のための持続的、包摂的かつ持続可能な経済成長、 生産的な完全雇用およびディーセント・ワーク(働きがいのある人間 らしい仕事)を推進する ■文学部・尾崎秀夫ゼミが市内の外国人と飲食店を繋ぐMAPを作成 コロナ禍、東京を含めた全国各地から大学生が長野県諏訪地域について学ぶオンラインスタディツ アーを本学西川ハンナ研究室の主催で実施しました。参加者は、課題解決型のアクティブ・ラーニン グを現地のサポーターであるシニア大学のメンバーの協力の下で行い、地域の情報提供やツアーで 使用する資料や特産品を詰めた「諏訪箱」の送付などもシニア大生の協力を得て実施しました。「諏 訪箱」は改善を加え地域特産品セット「元気でSUWA」として販売されるなど実際の地域貢献につな がる活動となりました。学生とシニア大生は孫と祖父母という隔世代であり交流には親和性があり、大 学生との交流はアクティブシニアの可能性を更に広げ、地域での学びの相乗効果が期待できます。 POINT 八王子市内在住の留学生・外国人の方々、飲食店、 NGOの三者を繋ぎ、世界市民意識を高めながら、 世界のどこかで助けを必要とする子どもたちに 寄付金を届けるサステイナブルな仕組みを制作 主に本学で学ぶ留学生が、異なる文化的宗教的背景があっても食事を楽しめる飲食店を探し、 Hachioji Map というオンライン上の地図に許可を得て掲載しました。留学生がそのお店を訪れた際に は、食べた料理と感想を SNS にアップしてもらい、それを見た市民がそのお店に行きたくなる宣伝効 果を期待しました。さらに、協力して頂いた飲食店には、NGOであるWorld Vision Japan に寄付を募 る募金箱を設置。コロナ禍と重なってしまい、飲食店への足が遠のく厳しい状況にあったものの、 2020 年度には、八王子の子ども食堂に21,720 円の寄付ができました。今後は海外の大学の学生 とオンラインで交流しSDGs 実現に向け協同プロジェクトを実施する予定です。 14

■エチオピアで持続可能な循環型社会の構築を目指す 国際共同研究 ― SATREPS-EARTHプロジェクト 理工学部・佐藤伸二郎教授 POINT ・通信情報技術(ICT)を駆使したホテイアオイの管理手 法の確立 ・ホテイアオイ由来の有価物生産技術の確立 ・スピルリナ由来栄養補助食品の販売体制の構築 エチオピア最大のタナ湖では、外来の水草ホテイアオイが過剰繁茂し、多くの問題を引き起こして います。本プロジェクトでは、ホテイアオイからバイオ炭や微細藻類スピルリナなどの有価物を生産す ることで、環境保全と経済成長を両立させる現代版アフリカ里湖(さとうみ)循環型社会の構築を目 指します。プロジェクトは、4 つのテーマ(図参照)で行われ、湖のホテイアオイを適切に刈り取り管理 することで生態系保全に、バイオ炭による土壌改良が農作物の増収につながることに加えスーパーフ ードのスピルリナを使うことで栄養改善に、また生産し たスピルリナ食品を国内で販売あるいは輸出すること で産業の基盤づくりに貢献します。 SDG9 産業と技術革新の基盤をつくろう ェンダー平等を実現しよう 強靭なインフラを整備し、包摂的で持続可能な産業化を推進 するとともに、技術革新の拡大を図る プロジェクトの実施チームは、本学を主幹校とし て、滋賀県立大学、滋賀県琵琶湖環境科学研究セ ンターの国内3機関と、バハルダール大学、インジバ ラ大学、タナ湖周辺水域保護開発機構のエチオピア 3 機関で構成されています。本学からは、理工学部 共生創造理工学科・情報システム工学科、理工学 研究科、経済学部、経営学部、看護学部、プランクト ン工学研究所の教員・大学院生が参加します。 この取り組みは、科学技術振興機構(JST)および国際協力機構(JICA)による地球規模課題対応 国際科学技術協力プログラム(SATREPS)の採択を受け、2021 年度~2025 年度までの5 年間で 実施します。2021 年7 月にオンラインにてキックオフミーティングを実施し、本格的に始動しました。 今後、両国間での研究者や学生の交流により、プロジェクトの発展と共に特に若い研究者の国際的 人材への育成を行います。将来的には、国際機関を通じて生産したスピルリナ食品の国内外でのビ ジネスモデルを構築したり、同様の問題を抱える他のサンベルト地域への水平展開を目指します。 15

■障害学生支援室を設置し、心的な障害を持つ学生を支援 POINT ・2021年3月より障害学生支援室を開室 ・支援の必要な学生が障害のない学生と同等の教 育・研究の機会を得ることができるよう、修学上 の支援を実施(合理的配慮の提供など) 2021年3月、障害等の理由により修学上の支援が必要な学生のための窓口として、障害学生支 援室を開室しました。障害を持つ学生が、大学のプログラム、コース、活動に参加する平等な機会を 得ることができるよう、学内外の関係部署等と連携して、修学上の支援を提供しています。修学およ び学生生活についての相談を受け付ける他、授業における合理的に配慮の申請を受け付けていま す。 SDG10人や国の不平等をなくそう ェンダー平等を実現しよう 国内および国家間の格差を是正する ■「UNHCR WILL2LIVE Cinema パートナーズ」参加校として 難民への理解を広げることを目的とした映画上映会を開催 POINT ・映画「イージー・レッスン」を10月に2回開催 ・2017年より学校パートナーズに参加し毎年実施 ・学生団体ASPIRE SOKA と共催 「UNHCR WILL2LIVE Cinema パートナーズ」に参加している本学では、「UNHCR WILL2LIVE ムー ブメント 2021(第16回UNHCR難民映画祭)」の開催にあわせて、10月10日(土)と29日(金) に映画「イージー・レッスン」をオンラインで上映し、両日あわせて学内外より約300名が参加しまし た。本映画祭は映画を通して難民への理解を広げることを目的としており、大学をはじめ教育機関 とも提携し、啓発活動を展開しています。本学では、2017 年から学校パートナーズに参加し、開催 にあたっては、国連の平和運動を推進する本学学生団体ASPIRE SOKAとの共催で行いました。 29 日には WELgee 代表の渡部カンコロンゴ清花さんが「逆境を乗り越えて来た若者たちと共に 築く日本社会」と題して講演。参加者からは、「少しでも何か行動を起こして難民について考えること ができたらと思います」との感想が寄せられました。 16

■非常食の備蓄や避難訓練など、災害に備えた防災対策を実施 POINT ・非常用食料品の備蓄(4,000人分×3食分×3日分) ・隔年で学生教職員参加の全学総合防災訓練を実施 ・八王子市と災害時用備蓄等の物資の供給等に関する 相互応援協定」を締結 本学では、災害に備えて非常用食料品の備蓄(4,000 人分×3 食分×3 日分)や全学総合防災 訓練の実施をはじめ、災害対策マニュアルの配布、安否確認システムの導入、AED・イーバック+チェ ア(階段避難車)の設置などの対策を実施しています。また、八王子市との連携も図り、他大学ととも に大学コンソーシアム八王子として「災害時用備蓄等の物資の供給等に関する相互応援協定」を締 結し、本学は北部ブロックの代表校として、災害時には、ブロック内の大学と連携を取り、応援体制を 取ります。 SDG11住み続けられるまちづくりを ェンダー平等を実現しよう 都市と人間の居住地を包摂的、安全、強靭かつ持続可能にする ■文学部インターゼミによる「桑都プロジェクト」でまちおこし POINT ・シュリーマン生誕200 周年を記念した 文化イベントの企画展開 ・シュリーマンが注目した「桑都」(絹のまち) 八王子の魅力を発掘 ・商店街、書店、美術館、図書館などを横断する 地域ネットワーク形成 「シュリーマン生誕200周年~シュリーマンの見た“桑都”八王子の魅力を発掘~」と題して、大学 コンソーシアム八王子令和3年(2021)年度「学生企画事業補助金」に応募し採択されました。① 学内図書館でシュリーマンの八王子訪問記を読む読書カフェ、②製菓店からシュリーマンの似顔絵 をデザインした饅頭のプロデュース、②書店でシュリーマンを特集した学生選書、③東京富士美術 館での考古学関連展示の広報サポートや公開講演会、④市内施設で「ドイツと八王子~シュリーマ ンと肥沼信次~」展などを企画展開し、大手新聞など複数のマスメディアにも取り上げられました。 2022年度以降は記念出版やシュリーマンが歩いた場所などをめぐる歴史街歩きを行う予定です。 17

■研究「高圧処理による食品の高付加価値化」 理工学部・清水昭夫教授 POINT ・しなびた葉物野菜のみずみずしさの回復 ・一夜漬けを一瞬で作れる 食べられるにもかかわらず見た目が悪いなどの理由で食べないで捨てられる食品が多くあります。 我々は様々な分野への圧力の利用を考えています。ここで圧力というのは“静水圧”とよばれるもので 水に浸けてその水を押すことで圧力をかけるという方法で、生卵に400 MPaの高圧をかけても割れる ことはありません。この方法を用いて、手で加えることができる力で数十秒処理することでしなびた野 菜を朝採れ野菜のようなみずみずしい状態にすることに成功しました。また、一夜漬けもあっという間 に作ることができました。現在、家庭の調理器具として使えるよう器具の設計にも取り組んでいます。 これで少しでも調理時間の短縮や食品ロスの削減につながることを期待しています。 SDG12 つくる責任 つかう責任 ェンダー平等を実現しよう 持続可能な消費と生産のパターンを確保する ■エシカル消費推進のアパレルプロジェクト 経営学部・野村佐智代准教授 POINT ・廃棄予定の生地を活用して環境への不可を削減 ・購入、使用によりエシカル消費を社会に推進 ・学生と企業による共同プロジェクト 近年のリモートワーク、巣ごもり等による外出機会の減少で衣類の購買が停滞しています。それに よりアパレル業界では廃棄せざるをない大量の生地を倉庫に抱えています。経営学部の野村ゼミ は、そうした廃棄生地を救うT-Treck プロジェクトを企業と協働で進めています。‘T-Treck’は Treasure(宝)と Stock(在庫)を掛け合わせた造語ですが、廃棄予定の在庫生地がアップサイクル されて衣類に生まれ変わり、最後まで消費された後、リサイクルされるシステムの構築を目指してい ます。焼却廃棄による生地の無駄の回避だけでなく、温暖化の要因となるCO₂削減も可能となりま す。学生たちはエシカル(倫理的)消費の啓蒙も、SNS等を通じて行っています。 18

■「学校法人創価大学気候非常事態宣言」を発表 POINT ・2050年までにゼロカーボンキャンパスを実現 ・地域と共に気候変動対策を推進 ・学びの場から社会変革の実践を 感染症が猛威を振るう前年の2019 年9 月、一人の少女の勇気が波動し、若者による気候変動 対策を訴えるマーチが世界中で起こりました。それに呼応するように世界の多くの都市が次々と「気候 非常事態宣言」を発令し、その動きは大学のキャンパスにも広がっていきました。本学も開学50周年 を迎えた2021年4月2日に、日本の大学では3校目として気候非常事態宣言を発表しました。こ の宣言により、本学は、2050 年までにゼロカーボンキャンパスを目指して、教職員、学生が一体とな って気候変動対策を行ってまいります。また八王子市とも連携して、地域の特性を活かした気候変動 対策を進めることにより、住み続けられる街づくりを目指してまいります。 SDG13 気候変動に具体的な対策を ェンダー平等を実現しよう 気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取る ■授業「環境マネジメント」 経営学部 野村 佐智代准教授 POINT ・気候変動対策を考える上で影響力が大きい企業の取り 組みを、身近な事例から紹介する ・気候変動対策を行う上で何が行動の弊害になっている かを受講生自らが考える ・気候変動問題を知った上で、消費者の立場で自分たちは 何ができるのかを考えていく 気候変動問題について、企業がどう対応しているのか身近な事例をもとに学習します。授業では グループで自分の経験を共有したり、課題に対する答えを一緒に考えたり、アイデアを出し合ったり します。講義の開始時には、気候変動問題という大きな問題にどう向き合ったらいいかわからない と尻込みしていた学生たちも、学びやディスカッションが深まるにつれ、消費者の目線で企業への提 案を考えたり、将来働く立場で提案したりできるようになります。授業アンケートでは、環境問題につ いて考えるようになった、意識するようになったといった声が多く見られます。今社会が求めている 環境人材を、一人でも多く輩出していけたらと考えています。 19

POINT ・価値の高い微細藻類を探索し、新しい技術で 大量培養 ・新たな微細藻類大量培養技術で環境共生型 の養殖産業に貢献 理工学部の戸田教授が代表を務める本研究は、国際科学技術共同研究推進事業地球規模課題 対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)に採択され、2015 年度よりマレーシアの大学と共同 で推進してきました。微細藻類はアスタキサンチンなどの強力な抗酸化物質を体内に蓄えることがで きます。マレーシアは世界で最も生物多様性の高い国の1つで、様々な微細藻類が生息しています。 本研究では、このマレーシアで有用な機能を有する微細藻類とそれらの成長を促進する物質を探索 し、新たな藻類リアクターの開発によって現地に適した微細藻類大量培養技術を確立に取り組んでい ます。養殖産業の急激な成長により、多量の汚泥や汚水が自然界に輩出され生態系を破壊してい ます。これらの汚泥や汚水から栄養類を積極的に回収し、価値の高い微細藻類を大量生産すること で、経済的インセンティブの獲得と環境保全を両立させる循環型システムの構築が可能になります。 SDG14 海の豊かさを守ろう ェンダー平等を実現しよう 海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し、 持続可能な形で利用する ■八王子産酒米粉を利用したプラスチック代替品の開発 理工学部 丸田晋策教授 POINT ・八王子特産米から造られる吟醸酒の醸造過程で発 生する副産物米粉に注目 ・副産物米粉の有効活用としてプラスティク代替品 とバイオプラスティクの開発 ・食品ロス、プラスティク環境問題の解決に貢献 八王子高月地区で生産される酒米を利用して造られる吟醸酒の製造過程で大量の副産物・米 粉が発生します。しかし、この米粉は有効活用されていませんでした。そこで、理工学部・丸田ゼミで は、この米粉をバイオマスとして捉え、有効活用するために地域企業と連携して米粉のプラスチック 代替品を開発することを行ってきました。そして、副産物米粉デンプンの特性を生かした食べられる スプーンやバイオプラスチックの試作品を作ることができました。今後、米粉バイオプラスチックのレ ジ袋、ゴミ袋、スプーンなどの成形品の開発を進めていく予定です。これにより八王子地域活性化と 食品ロス・プラスチック環境問題の解決に貢献することを目指しています。 ■微細藻類の大量培養技術の確立による持続可能な 熱帯水産資源生産システムの構築 理工学部 戸田龍樹教授 20

■植物における絶滅危惧種の保全 理工学部 久米川宣一准教授 POINT ・学生主体の環境保全活動 ・多摩地域における絶滅危惧種や固有種の保全 ・PBLによる少人数授業 理工学部共生創造理工学科では、3年生必修授業であるケーススタディにて、学内に生育する絶 滅危惧種の調査と保全、多摩地域における固有種の育成を目的に、学生主導で貴重な植物の保護 活動を行っています。これまで、多摩地域の固有種であるタマノカンアオイ(絶滅危惧種 II 類)や、 2012年に八王子市内で発見された新種であるハチオウジアザミの育成をしています。本学の豊かな 自然の中でこれらの植物を育成することにより、多摩地域の貴重な植物の保全や陸域植物の生物多 様性に寄与できるものと考えています。今後も引き続き様々な貴重な植物の育成を行っていきます。 SDG15 陸の豊かさも守ろう ェンダー平等を実現しよう 陸上生態系の保護、回復および持続可能な利用の推進、森林の持続可能 な管理、砂漠化への対処、土地劣化の阻止および逆転、ならびに生物多様 性損失の阻止を図る ■本学理工学研究科の学生が「日本土壌肥料学会2021年度 北海道大会」で若手口頭発表優秀賞(土壌改良資材部門)を受賞 POINT ・食糧生産に関係する土壌学・肥料学・植物栄養学の 研究開発および環境保全型農業の発展を目指す学会 ・コーヒー粕の有機肥料としての利用可能性を発表 「日本土壌肥料学会 2021 年度北海道大会」の研究発表会にて、本学理工学研究科環境共 生工学専攻・博士前期課程の小平友大さんが若手口頭発表優秀賞(土壌改良資材部門)を受賞 しました。本学会は、食糧の生産に深く関係している土壌学、肥料学、植物栄養学の近代的な理 論と技術体系の構築のための研究開発を推進し、環境保全型農業に伴う人間社会の安定的発展 への貢献を目指しています。小平さんは、廃棄されたコーヒー粕を炭化して得られたバイオ炭に異 なる金属処理を行い、各処理による栄養塩の吸脱着性能に向上が見られたことから、コーヒー粕 の有効利用(特に有機肥料として)の更なる可能性が期待されることを発表。今回の受賞に際し、 「この経験を励みとし、今後の研究活動により一層励んでまいります」と語りました。 21

■SDGs と人間の安全保障-国際法と平和学の視点から人類の未来を考える- 法学部 中山雅司教授 POINT ・戦争・暴力のない世界を築く ・公正で差別のない世界を築く 法学部の中山ゼミでは、「SDGs と人間の安全保障-国際法と平和学の視点から人類の未来を考 える-」とのテーマで研究を行っています。17 の目標からなる SDGs の根底にあるのは、誰一人取り 残さない(No one will be left behind)という理念であり、それは「恐怖からの自由」、「欠乏からの自 由」、「人権」を柱とする人間の安全保障の思想でもあります。持続可能な世界の実現のためには、 紛争や暴力、差別のない平和で公正な社会を築くことが必要で、目標16 はSDGs の理念を象徴す る目標ともいえます。ゼミでは国際社会における法の支配の観点から国際法への理解を深めながら 外部コンテストにも挑戦し、2021 年度には大学コンソーシアム八王子の学生発表大会で最優秀賞を 受賞しました。 SDG16平和と公正をすべての人に ェンダー平等を実現しよう 持続可能な開発に向けて平和で包摂的な社会を推進し、すべての人に司 法へのアクセスを提供するとともに、あらゆるレベルにおいて効果的で責任あ る包摂的な制度を構築する ■国際連合食糧農業機関(FAO)や国連開発機関(UNDP)など 国連諸機関等と協定を結び、“平和”に貢献する人材を育成 POINT ・2014年5月 国連アカデミック・インパクトに参画 ・2016年2月 国際連合食糧農業機関(FAO)と協定 ・2017年8月 国連開発期間(UNDP)と協定 建学の精神の1 つに「人類の平和を守るフォートレス(要塞)たれ」と掲げる本学では、世界の平和 と人類の幸福に貢献する人材を育成する教育・研究に取り組んでいます。2014 年には、国連アカデ ミック・インパクトに参画し、その後、国際連合食糧農業機関(FAO)や国連開発期間(UNDP)、国連 難民高等弁務官事務所(UNHCR)等とも協定を結び、講演会・シンポジウムの開催など積極的な交 流を通じ、平和教育を推進しています。2021 年度にはシンポジウム「創価大学-アフリカPLANE3T シンポジウム:SDGs 達成に向けた環境・教育・健康・ビジネス分野の学際的国際協力」を開催し、日 本とエチオピアを繋いでのハイブリッド形式で、インジンバラ大学前学長ベルハヌ・ビレイ博士、バハル ダール大学のソロモン・アディス准教授らがオンラインで参加しました。 22

■東南アジア高等教育協会(ASAIHL)の会長に馬場前学長が就任 POINT ・ASAIHLは、高等教育機関の相互支援を通じ、教育、研 究、公共サービスの進展に貢献する国際学術機関 ・2018年3月に日本初のホスト校として年次総会を開催 ・2020年12月に馬場前学長が会長に就任 東南アジア高等教育協会(ASAIHL)は、東南アジア域内の高等教育機関の相互支援を通じ、教 育、研究、公共サービスの進展に貢献する目的で、1956 年に創設されました。現在では東南アジア のみならず、ヨーロッパや北米など世界25カ国・地域の約230の大学が加盟している国際学術機関 です。日本では本学の他、京都大学、広島大学、慶應義塾大学等が加盟しています。本学では、 2018 年3 月に日本で初めてホスト校として年次総会を開催。2020 年12 月の理事会および年次 総会で前学長の経済学部・馬場善久教授が会長に選出され、世界中の大学院生が参加する 「International Postgraduate Student Conference 2021」で挨拶するなど、同協会の発展と加盟大 学間のさらなる交流の推進に取り組んでいます。 SDG17パートナーシップで目標を達成しよう ェンダー平等を実現しよう 持続可能な開発に向けて実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップ を活性化する ■ビジネスコンテスト・ハルトプライズ創価大学大会を開催 POINT ・毎年世界から200万人以上の学生が参加する、 世界の社会問題を解決する社会起業家を輩出 することを目指したビジネスコンテスト ・2019年度から創価大学大会を開催 ハルトプライズは、世界の社会問題を解決する社会起業家を輩出することを目指したビジネスコン テストで、毎年世界から200万以上の学生が参加しています。本学では、2019年度に学内予選を 運営する学生有志による「ハルトプライズ創価大学予選運営チーム」を結成し、以来毎年開催して います。学内大会は、サスティナビリティに焦点をあてて「世界を仕事に戻す」とのテーマで行われ、 4チーム16名が出場。各チーム、英語でプレゼンテーションを行い、「フードロスを無くすビジネス」を 提案したチームが優勝しました。今後も、ハルトプライズを通じ、世界の社会問題の解決に貢献する 人材を育成していきます。 23

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