創価大学ニュース「SUN」108号 2021 Winter

留学・海外研修 ゼミ・研究室 フィリピンのアテネオ大学留学中に、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が始まりました。緊 急帰国となりましたが、創価大学フィリピン事務所の方々がチケットの手配や空港での誘導など帰 国のサポートをしてくださったおかげで、混乱に巻き込まれることもなく、無事帰国できました。一方 で、アテネオ大学でのレベルの高い授業を受けるなかで、成長の手ごたえを感じていたときだったこ とから、最後まで現地で授業を受けきり、力をつける機会を失ったことは残念でした。 帰国後は、アテネオ大学から与えられた授業教材をもとに課題に取り組みました。自主学習のた め、孤独に感じることもありましたが、留学中に得られたことを客観的に考える時間を設けるなか で、まだまだ語学力向上が必要であることや、異文化を感じて視野を広げる大切さを改めて実感す るとともに、オンラインでも自主的に探究していけることを感じました。こうした体験を活かし、次の 留学はもちろん、創大での授業も一つひとつをより丁寧に受け、先生方の知識を引き出せるような 学生になっていきたいです。 留学が中断してしまった悔しさを、次の成長への原動力に。 4年生はゼミや研究室での研究を進め、卒業論文を書き上げる大切な期間ですが、コロナ禍 で春学期は大学に通うことができませんでした。卒業論文を書き上げられるのかというプレッ シャーを感じましたが、担当教員の久米川宣一先生が、感染拡大前の2月時点で「春学期は知識 を蓄えて綿密に準備をして、むしろ濃い時間にしていこう」というアドバイスとともに、しっかりと ケアをしてくださったので、落ち着いて研究に取り組めています。 ゼミ講義以外の時間にオンラインで研究室全員でミーティングをする機会があったほか、土日 も活用してゼミ生一人ひとりとの懇談を、オンラインで週に2、3回実施していただきました。その 指導があり、春学期は他の研究者の論文研究を中心に自分のテーマを深める時間となりました。 私はこれまで、深く考えずに行動して失敗してしまうことがありましたが、一つのことを熟考し、綿 密に計画を立てて進める経験ができたことは大きな財産になったと感じています。 研究室に通えなかったからこそ、深く考察する習慣を身につけられた。 Study abroad onl ine Seminar 11 アテネオ大学ではオンライン授業ではなく、サーバー共有で教材を受け取り、レポートや自 分で撮影したプレゼンテーション動画を提出して評価を受けました。海外の学生とのグ ループワークを通して、彼らの意識の高さや思考の深さ、さらにテキパキと議論や作業を進 める効率のよさに刺激を受け、オンラインで無料公開されている海外大学の講義も受ける ようになりました。これも留学での経験がなければできなかったことだと思います。 留学中断後の日本での学習 春学期は、研究で扱う植物への水やり以外の活動は、すべてオンラインで行いました。そのなかで感じ たのは、研究室での交流よりも、皆が作業に追われていないぶん、通常よりもゼミ生同士のコミュニケー ションが取れたということです。お互いの研究テーマを話し、意見を出し合い、それぞれのことを理解し 合う貴重な時間となりました。現在は、大学内の研究室で感染防止対策をしながら、研究を進めていま す。事前準備を行っていたおかげで、やるべきことが明確になり、前向きに研究に取り組めています。 ゼミ・研究室の活動 ▲集中して研究を進める ▲留学先でのグループワークに刺激を受けた 【国際教養学部2年】 古川 拓真 【理工学部4年】 齋藤 俊

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