創価大学ニュース「SUN」110号 2021 Summer

別科を経て2014年に経営学部を卒業。大学に恩返しをする ために新しい道を拓こうと、日本語が完璧ではないながら、 キャリアセンターや先輩方に励まされながらグローバルなIT 企業に新卒入社。現在はグローバルなブランドコンサルティング 会社に転職し、ストラテジーチームで経験を得ている。 松本 幸子・ソニアさん Over the border 松本 幸子・ソニア さん 経営学部2014年卒業(40期) 株式会社インターブランドジャパン 勤務 人の役に立つための学びを求めて、 アルゼンチンから創価大学へ。 11 松本さんが生まれ育ったブエノスアイレス は、人々の往来や笑い声があふれる賑やかな街 である一方で、常に暮らしと犯罪が隣り合わせ にある面も併せ持つ。 「まだまだ発展途上国なので、自分が生きるこ とを一番に考えなければいけない環境でした。 大学で学ぶ意義すらも、“自己の利益の追求”で あることが当たり前でした」 そうした環境で学ぶことの価値を見出せな かった松本さんにとって、創価大学のモットー である『英知を磨くは何のため 君よそれを忘 るるな』という言葉は希望の光となった。 「自分の成功のために大学へ行くことに納得で きていなかったのですが、自分ではない誰かの 役に立つために教育を受けることができるのな ら、この大学で学びたいと決意しました」 留学後は、「何のため」「誰のため」という言葉 を胸に置きながら、一生懸命に学んだ。そして、 日本人だけでなく、世界中から集まった留学生 たちと交流するなかで、異なる文化を持つ人々 でも、共通する価値を見出せることを知った。 異文化間に共通する価値を見出すブランディングで 日本企業の価値を世界に発信。 「今、私は企業のブランディングを仕事にして います。近年では利益だけでなく、社会貢献を 掲げた経営をする企業も増えています。そうし た企業の取り組みや理念を、消費者にどう魅力 的に伝え、選ばれるブランドになるために一緒 に考え、サポートしています。ダイバーシティや インクルージョンといった多様性を踏まえた考 え方が主流になりつつあり、異文化から日本に 来た私自身の出自や創価大学で世界の人々と 交流した経験が武器になっています」 松本さんの道は、まだ始まったばかり。未来 を拓いてくれた創価大学、そしてその挑戦を支 えてくれた人々への恩返しを果たすまで、「何の ため「」誰のため」の思いとともに前進し続ける。 ▲ 創大祭記念行事では、留学生の ダンスサポートスタッフとして携わった

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