創価大学キャンパスガイド2023

教員を志したのは、高校時代の寮生活で生徒を我が子以上に大切にさ れる寮長と出会ったからです。それまで私は、教師から認められ、大切 にされている実感をあまり抱いたことがありませんでした。しかし、毎 日夜遅くまで私たちをサポートしてくれる寮長の姿に、理想の教師像 を見る思いがしました。その後、創大の教育学部に進学し、創立者の精 神を実践する先輩方や同期と交流。多くの学びと気づきの中で、すべて の児童を受け入れ、良さを認める教員になろうと決意しました。教員に なってからは、創大で学んだ「人は変われる」をモットーに、どんな児 童も信じ抜き、褒め励ますことに努めています。たとえば、その子らし さや良さが光る場面を見つけて「あなたの良いところだね」と褒める。 直接伝えられなかった児童には、毎日往復する家庭学習ノートに「今日 の〜が素敵だったよ」とコメントで伝える。すると、保護者から「子ど もが学校の出来事をたくさん話してくれるようになった」と言われる ように。自信が持てれば、どんな子も良さが発揮され、学校生活が楽し く充実するのだとわかりました。 その後は、学級崩壊やいじめが起こっていた学級も率先して担当。始業 式で並ばずに遊んでいる学級の担任になったときは、「学校に来てえら いぞ」と褒めることからスタート。いじめが蔓 まんえん 延する学級では、1対1 の対話を続けて「君たちにいじめなんか似合わない」と真剣に訴えまし た。また、不登校の児童がいれば、音楽や図工など専科の授業中に毎日 欠かさず家庭訪問をして一緒に遊ぶことから関係づくりを始めました。 こうした姿勢で、児童との時間の共有を大事にしながら、楽しくわかる 授業づくりに努めていると、子どもたちは「この先生、本気だ」と気づ いてくれる。本気度が伝われば、児童は信頼してくれるようになり、行 動にも自主性が芽生えてきます。この変化を目の当たりにできること が教員にしか味わえないやりがいの1つです。創大には、子どもの幸せ を大切にする先生方や学生が集まっています。教育について学ぶ環境 は、将来の授業や学級経営などに大きく影響します。教員をめざしてい る方は、ぜひ創大で学び、子どものことを第一に考える教員となって共 に成長していきましょう。 人は変われる。創大での学びを体現するため、 褒め励まして自分の良さに気づかせる。 学級崩壊や不登校も本気の姿勢を貫き改善。 子どもたちの変化が喜び。 #2 Profile 創大の4年間では中学・高校生(寮生)のサポートや 学生寮で出会った友人との日本一周、アルバイトな どさまざまな活動を通して、「人は変われる」ことを 体感。教職に就いてからは、いじめ・不登校などの課 題を抱える学級も率先して受け持つ。目の前の児童 と本気で向き合い、一人も残らず充実した学校生活 を送れるように日々努めている。 岡野 幸一 Koichi Okano 小平市立小平第十小学校 教育学部 児童教育学科 2003年度卒 12 世界市民として価値を創造する Creating Value as Global Citizens

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