創価大学ニュース「SUN」111号 2021 Autumn

03 人の心を打つ「原体験」を武器に、社会課題を解決するアイデアを形に。 そうした思いを持った方々が「正しく儲 かる」というか、ちゃんとその思想に共 感するファンを集めることができて、経 済的に持続可能な状態にすることを目 指しています。 高齢の生産者さんの商品は、地元だ けで消費されていて認知度がなかった としても、実は品質が高いことも多いん です。ただ、売り方を知らなかったり、 伝えるのが苦手だったりといった弱点が ある。地方自治体の方に聞くと、売ろう とする気持ちもあって、いいものをつくっ ているけど売れなくて悩んでいる方が多 いそうです。でも、裏を返すと、それは 可能性だと感じています。まだスポット ライトを浴びていない素晴らしい人たち がいっぱいいるので、どんどんスターを 生み出していきたい。私たちが日々接し ている生産者の方々って、ものすごく かっこよくて、そういう方々のストーリー をどんどん発信していけば、「農業をやっ てみたい」と興味を持つ人も増えると思 うのです。 安田 :なるほど。そういった「食べチョ ク」の、「誰かに尽くして、経済的な持 続可能性も目指し、関わる人すべての幸 せをつくっていこう」というビジネスモ デルは、創価大学経営学部が標榜する 「人間主義経営」の考え方に、とても近 いものだと思いました。「人間主義経営」 とは、簡単に言うと生命尊厳を基調と し、「人の幸せと社会の繁栄に貢献する」 ことを追求する経営のことです。 ほしい人にほしいものをほしいタイミ ングで届けるのが、ビジネスの基本だ と思います。違う言い方をすると、人の 幸せに貢献することです。だから秋元さ んがやっているお仕事は、僕はすごく人 間主義経営に近いと感じています。 SDGsの目標達成を目指す現在の社会 では、資本主義の論理でもなく、社会 主義の論理でもなく、第三の論理であ る人間主義という、人を手段にするので はなく、人の尊厳を無条件に大事にし ていくことが大切になっていくと考えて います。 秋元 :ありがとうございます。人間主 義は現代的というか、今はそういう思想 の人が若い人たちのあいだにも増えてき て、価値観が変わってきていると私も感 じます。 安田 :今の学生は本当に恵まれていま すよね。昔に比べて世の中へのアクショ ンが起こしやすくなっているからです。 昔だと、世の中を変えるためには、まず は自分が力を持たなくちゃいけない、そ のためには大企業に入らないといけな いというのが既定路線で、選択肢がと ても少なかった。しかし今の “デジタル ネイティブ” は、インターネットやSNS を活用して「自分で始めてみよう」とす ぐに変化やアクションが起こせる。行動 を起こすことへの心理的なハードルが、 とても低くなっていると思います。 秋元 :たしかにそうですね。SNSで思 考が近い人がつながれるから、自分が 考えたアイデアの賛同者をすぐに集めら れるというところから違いますよね。マ イノリティかもしれないけど、正しい主 張とか、共感を生みやすい主張が、地域 を越えてつながりやすくなって、大きな ▲「食べチョク」は生産者とのつながりも 大切にしている

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