119 創価大学ニュース 2023 Autumn [ スペシャル対談 ] 栗山 直樹 荒木 香織さん 教授 最先端の理論とその実践で、 “利他の精神”を持った次世代のリーダーシップを育む。 【 Focus創大 】 私が、創価大学・ 創価女子短期大学を選んだ理由。
創価大学では、1971年の開学より、価値創造を実践し、社会に貢献する「世界市民」の育成に努め、国内外の各地、 さらには多くの業種業界でリーダーシップを発揮する人材を輩出してきました。在学生も、そうした先輩方の背中を追おう と日々努力しています。 今回ゲストとしてお迎えした荒木香織さんは、日本中を熱狂させたラグビーワールドカップ2015で日本代表チームの 大躍進にメンタルコーチとして貢献した心の専門家であり、多くのスポーツチームや企業のリーダー育成をコンサルティング されています。「人間主義経営」をもとにリーダー育成プログラムを展開する本学・経営学部長である栗山教授と、これから の社会を担うリーダーシップとは何か、次世代のリーダーを目指す若者が求める学びとは何か、語り合っていただきました。 最先端の理論とその実践で、“利他の精神”を持った 次世代のリーダーシップを育む。 01
栗山:荒木さんの著書を拝読し、多く のアスリートやアーティスト、さらには ビジネスパーソンを成功へと導いてき た、心とリーダーシップの鍛え方の理論 に共感しました。 荒木:日本では、心やメンタルを鍛える、 リーダーシップを鍛えるということが、言 い方は悪いですが、ないがしろにされて きました。例えばメンタルの部分では、 「思いやりを持って行動しなさい」「人に 優しくしなさい」と教わるぐらいで、心の 安らぎやウェルビーイングを得るための 術を学校で学ぶ機会は、残念ながら与 えられません。私が行っているのはス ポーツなどさまざまな場面における、メ ンタルのパフォーマンスに関する科学的 知見に基づいたコンサルテーションです。 多くの人がパフォーマンスと聞いて、 自分とは無縁の言葉に感じるかもしれま せん。しかし日々の仕事も、子育ても、 休日に家族と過ごす時間も、目標を掲げ てそれを実現・発揮するという意味では、 すべてがパフォーマンスといえます。 栗山:「自分は心が弱いから」「カリス マ性がない」という理由で、リーダー シップとは無縁だと思い込んでいる学生 もいます。しかし理論を学び、実践すれ ば、誰もが心も、リーダーシップも鍛え ることができるということなのですね。 荒木:実は私たちは、自分自身につい て知らないことが多いのです。 例えば、自分がどんなときに心が落 ち着くのか、どんな状態であればよい 理論を学べば、リーダーシップは鍛えられる。それが世界の定説に。 02 SUN119 2023 Autumn INDEX Special Interview スペシャル対談 【 創価大学 経営学部 学部長 】 栗山 直樹 荒木 香織さん あら き か おり くり やま なお き 教授 【 元ラグビー日本代表メンタルコーチ/ 株式会社CORAZON チーフコンサルタント 】 【表紙写真】 創大生の語学学習を支援するワール ドランゲージセンターでは、留学生 が英語や母国語を教えたり、日本人 学生が留学生に日本語を教えたりと、 互いに学び合っている 創価大学ニュース 2023 Autumn No.119 [ スペシャル対談 ] [ Focus創大 ] P.01 P.05 最先端の理論とその実践で、 “利他の精神” を持った次世代のリーダーシップを育む。 ありがとう【 関東編 】 P.14 子から親へ、親から子へ 創価大学 経営学部 経営学科4年 青木 優華さん 創価大学 法学部 法律学科4年 保科 慎司さん 【&SDGs】国連大学グローバル・セミナー P.15 キャンパスニュース P.16 Over the border 【パナマ】原田 真弓さん P.11 学問探訪 【 “社会に貢献したい” という夢へ導く開発経済学 】 内海 友子 准教授 P.13 荒木 香織さん×栗山 直樹教授 私が、創価大学・ 創価女子短期大学を選んだ理由。
03 日本の教育には、リーダーシップの理論を学び、実践できる環境が必要。 パフォーマンスができるのかを理解して いる方は少ないのです。自分自身を理解 し、調整する練習をすれば、さまざまな シーンでもっとよい成果を得ることがで きるはずです。 栗山:荒木さんは著書のなかで多くの 原則や実践を提言されています。例え ば、「がんばりマス」目標が一番いけな いという提言がありました。これは誰も が理解できるような表現に工夫されて いますよね。 荒木:そうですね。なるべくわかりや すい表現を心がけています。ちなみに スポーツ心理学では目標設定について 40年以上研究がされています。「目標」 を問われたとき、日本の学生は「精いっ ぱい頑張ります」と気合とともに答え がちです。しかし、目標を、自分のどの パフォーマンスをどのように向上させて いくのか考える機会ととらえたとき、「が んばりマス」ではなく具体的な目標を設 定することが非常に大切です。そうした 世界中で行われている最先端の研究結 果を集約し、かみ砕いて多くの方が理 解できる日本語や関西弁(笑)として伝 わりやすい形で発信することが、私の仕 事の一つ、使命だと思っています。 栗山:リーダーシップについても、鍛え 方の理論が確立されています。しかし日 本では、それを誰かに教えてもらうもの という考えが定着していないですよね。 荒木:私たちは幼いころから、思いや りの心を育むように、まわりの人と協力 するようにというような教育を受けます が、リーダーシップの教育を受けること はほぼありません。それなのにある日突 然、職場や学校のクラブ活動でリーダー を任されるのです。上司や監督は「責任 を持って」チームを引っ張るようにと言 いますが、一方でリーダーを任された側 の本音は、「リーダーシップを発揮しな ければいけないとは思うが、何を心がけ ればいいかわからない」と思っているは ずです。 さらに言えば、日本でのリーダーに対 するイメージは、カリスマとして人々を 引っ張る人というスタイルです。今求め られているリーダーシップは、「人に寄 り添って一緒に物事を目標に向かって進 めることができる人」。だから私は、ど うすれば部下やチームメートの心に訴 えかけることができるか、影響力を発揮 することができるかを要にコンサルテー ションしています。 栗山:荒木さんのリーダーシップ論に、 大いに共感します。経営学部では、「人 間主義経営」というモットーをもとに、 リーダーシップを持った人材の育成を目 指しています。 「人間主義経営」についてはこの10年、 スイス・ジュネーブに拠点を置く世界的 研究者のネットワークである『人間主義 経営センター』との交流を行いながら、 そこが提唱する3ステップアプローチの 研究と教育に力を入れてきました。 第1ステップは「人間の尊厳性の尊重」。
04 「リーダーには、利他の精神が大切。 創価大学で多くのことを経験し、 人に寄り添う力を育んでほしい」 by 荒木香織さん 栗山 直樹/Naoki Kuriyama 荒木 香織/Kaori Araki 米国にて修士・博士課程を修了。最新の科学的知見を基盤に、アスリート、指導者、アーティスト及び企業へメンタ ルパフォーマンストレーニングのプログラムを提供。ラグビーワールドカップ2015における日本代表の歴史的勝利 をはじめ、複数のプロスポーツチームの優勝に貢献。企業、教育機関、各種団体等へ向けた講演・セミナー及び組織 変革等を目指すコンサルテーションを提供。著書に「リーダーシップを鍛える ラグビー日本代表『躍進』の原動力」(講 談社)、「ラグビー日本代表を変えた『心の鍛え方』」(講談社+α新書)。順天堂大学スポーツ健康科学部客員教授。 専門は人的資源管理論、国際労働問題。本学の経済学 研究科大学院博士後期課程を修了後、ILO(国際労働 機関事務局)の専門官として勤務。日本ILO協会「世界 の労働」の編集長を務めたのち、本学の教員となり、 実務の経験を生かし、後進を育成している。 構成員が自己決定と自発的な行動がで きる環境をつくります。 第2ステップは、「倫理的判断を現場 の意思決定に反映させること」。相手の 幸福のためにその場その場で倫理的に 適切な知恵を働かせることです。 第3ステップは、「ステークホルダー エンゲージメント」。関係者(ステーク ホルダー)と持続的な対話をし、共通 の価値をつくっていきます。 荒木:次世代の人材が、リーダーシップ を発揮できるような育成プログラムが、 大学の授業として整えられていることは とても重要ですね。 栗山:経営学部では、この三つのステッ プを参考に「ヒューマニスティック(人 間主義)リーダー・プログラム」を開始し、 先輩が後輩のために1年生2年生のゼミ でサポートしていく仕組みをつくりまし た。授業だけでなくさまざまな行事を企 画運営することによってサービスラーニ ングとして単位を認めるという制度です。 後輩の学びのために何ができるか常 に自問しながら、教員とともに学びの ネットワークを形成しています。 先輩が後輩をサポートする環境は、就 活支援などにも生かされています。創価 大学のキャンパスでこの精神を学んだ卒 業生たちは、社会においても自分も人も ともにWin-Winになる関係を展開して いく。そのための人間主義的なリーダー を育てたいという思いで、こういうプロ グラムを走らせています。 荒木:リーダーには、どれだけ人のため になるのかという利他の精神が大切で す。押しつけがましく接したり人を操った りするのではなく、チームの可能性を引 き出す方法を学ぶ必要があります。上 級生は、先生などのサポートを受けなが ら、利他の精神で下級生の可能性を広 げる術を学び、実践していく。さらに下 級生も、先輩たちの姿に自分も次のリー ダーになりたいと憧れを抱き、引き上げ ていく。とてもよい育成プログラムだと 思いますし、そうした教育環境が、これ から本当に大切です。 栗山:本学の学生にとっての憧れとして、 本学の創立者である池田先生がいらっ しゃいます。学生たちは創立者をメン ターとし、利他の精神を受け継いで、社 会で多くの人を助けるために必要な知 識とスキルを学んでいます。今後の社会 でリーダーシップを発揮していくために は、こうしたメンターの存在は本学の もっとも重要な資産です。 荒木:権力を持ってトップダウンで人を 動かすリーダーの時代ではなくなりまし たが、お手本になる存在は重要だと思 います。人のためにという利他の精神を 示してくれるメンターが身近にいること が、学生の成長にとてもよい影響を与え てくれるでしょう。ご紹介いただいた育 成プログラムなども大いに生かし、ぜひ 多くの学生に、心とリーダーシップを鍛 えていただきたいです。 栗山:ありがとうございます。本学の学 生は、利他の精神が旺盛といいますか、 社会貢献という言葉に非常に目を輝か せます。そうした利他の精神を生かした 次世代のリーダーをこれからも育んでま いります。 SUN119 2023 Autumn
私が、創価大学・ 創価女子短期大学を 選んだ理由。 大学に進学する理由は十人十色ですが、 大学が今の自分と未来の自分をつなぐ場所になるという事実は 誰にとっても同じです。今回の特集では、現役の創大生・短大生に 「創価大学・創価女子短期大学を選んだ理由」をインタビュー。 そこには、それぞれの夢への思いと、理想の未来へと学生を導く 本学の教育の特徴が見えてきました。創価大学・創価女子短期大学という場で、 『Discover your potential 自分力の発見』のステートメントを 実現させている学生たちの姿をご紹介します。 [ Focus創大 ] 学生たちが 創価大学・短大を推薦する 「住」「食」「遊」での理由も ご紹介します
06 SUN119 2023 Autumn 「人間教育を学びたい」 豊かな人間性を基盤として、人類が直面するさまざまな問題に真摯に取り組み、知恵を発揮していく 創造的人間の育成を目指す― 。建学の理念に掲げられている「人間教育」を学ぼうと 本学を選んだ多くの学生が、入学前は想像もしていなかったような成長をしています。 「もっと誰かの幸せのために」と思い、行動できる自分に。 創価大学への進学を考え始めたのは高校3年生の夏。当時は、高校卒業後は就職しようと 考えていました。しかし父に「オープンキャンパスへ行ってみよう」と誘われて参加してみると、 笑顔で「こんにちは」と挨拶をする創大生や体験授業で情熱を持って講義をされる先生方の 満ちあふれる活気や生命力に圧倒されました。予定通り一度就職したのですが、オープンキャ ンパスで感じた衝撃が忘れられず、進学を決意しました。 今思えば、その衝撃は創価大学の「人間教育」の賜物だったのだと感じています。高校時代、 受験対策のための勉強で学問に向き合う情熱を失った私は、「英知を磨くは何のため 君よ それを忘るるな」という指針と出会い、学問は人々の幸福に貢献するためにあるのだと気づ かされました。今は弁護士を目指しており、猛勉強の日々を過ごしています。「民衆の幸福に 奉仕できる法律家になるんだ」との思いで挑戦を続けています。 滝山国際寮に入寮してもっとも感激したのは、まわりの方々が徹底して1人を大切にしてくださること です。落ち込んでいることを察した寮長が手づくりのお弁当で励ましてくださったり、先輩方には真剣 に叱っていただいたり。「誰かのために」という「人間教育」の素晴らしさが凝縮された日々でした。 寮生活でも、「人間教育」の素晴らしさに感激 “自分にしかない使命”があるから、どんなときも前進できる。 兄と姉が創価大学へ進学していたこともあり、高校1年生のときから創価大学への進学を 漠然と考えていました。強く意識し始めるようになったきっかけは、姉の成長です。幼いころか ら物静かだった姉が、創価大学に進学してからは、以前よりも明るい笑顔が増え、帰省する と大学のことを生き生きと話してくれました。高校の友人は国立大学を目指す人がほとんどで したが、姉の姿を通して、知名度や偏差値よりも「充実した大学生活を送ること」を第一に考 え、進学を決めました。 創大の素晴らしいところは、学生の人間性を育むところです。目の前の1人に寄り添ってとも に成長する「人間教育」のよさを広めようと、創大生一人ひとりが “自分が創大の顔である” との自覚を持ち、どんな壁にぶつかっても自分にしかない使命を忘れずに一歩ずつ前進してい ます。今、私は理工学部で日々研究に打ち込んでいます。なかなか結果が出ず、心が折れそうに なったときには、自分がしっかりとここで学ばなければ、という思いを支えにしています。 理工学部4年 林香苗さん 法学部4年 白土伸之さん 創大祭やオープンキャンパスなどの行事は、学生が主体となり、「自分たちの手で大成功させるのだ、来てく ださった方々全員の安全を守り、素敵な時間を過ごしてもらうのだ」という一つの目標に向かって全力で取 り組んでいます。そこに、「人間教育」を実践しようという意識を感じています。 学生主体の理念が、「人間教育」を後押し 私の理由 Focus創大
「社会に貢献したい」 07 国際社会で通用する「英語力」と「思考力」を習得中です。 高校2年生のとき、創価大学のオープンキャンパスで外交官として活躍する卒業生とお話 ししたことがきっかけで、国際社会で活躍する人材になりたいと思うようになりました。そこ で、「人間の安全保障」をキーコンセプトに、「平和」「人権」「環境」「開発」の四つを軸と した国際関連諸科目を展開する法学部の「地球平和・共生コース」に進学。今は前田ゼミ に所属し、世界で巻き起こる諸問題の抱える真実を知り、世の中のニュースや事柄を額面 通りに受け取らず、その裏にある真実や真相に目を向けて考察する力を磨いています。 創価大学には国際社会で通用する高い英語力を習得するために、専門分野を英語で学 ぶオールイングリッシュ科目群や長期留学などのカリキュラムが用意されています。私はケ ニアに8カ月間留学したのですが、発展と貧困の狭間を生きるリアルを体感し、社会課題を 扱うときには現地に思いをはせ、「当事者意識」を持ちながら、地に足をつけて思考するこ との大切さを学び、将来アフリカで人々を守る仕事に就きたいと考えるようになりました。 八王子の家賃相場は、都心に比べて安価ですが、 「もっとお得に住みたい」と1年次に寮を選択す る学生が多いのが本学の特徴です。居住費に光熱 費(寮によっては食費も!)が含まれているので、 寮生活はかなりお得。でも学生の声を聞くと、先 輩や同級生との共同生活で生まれる固い絆が寮 生活の一番の魅力だそうです。 世界レベルの知識を学び、 地方創生に貢献するビジネス創造力を磨く。 私が国際教養学部への進学を決めたのは、法学、哲学、経営学、社会学など興味を 持っていた幅広い学問を「英語」で学ぶことができる場所だからです。高校時代にカナ ダへ短期留学した際に、多様な学問を英語で学んで大きく世界が広がる経験をしたこと から、専門分野の授業も英語で行われる国際教養学部を目指しました。 そうして世界にアンテナを張り、培った知識を実践する場の一つに、学内ビジネスコ ンテストがあります。考え抜いたビジネスプランを、身近でありながら最先端かつ深い見 識を持つ先生方などに審査してもらえるのです。そして大学での経験で培った自分たち の力がどこまで社会に通用し、卒業までにどのような力を磨くべきかを具体的に知ること ができます。 卒業後は、日本の中小企業や地方自治体をDX推進で変革していきたいと考えており、 日々進化するICT技術のように私も常に知識をアップデートしていきます。 国際教養学部4年 石川日和さん 法学部4年 矢澤大紀さん 創大生の住宅事情! 寮と一人暮らしどっちがお得? 居住費:29,300 円 食 費:30,000円 交際費:15,000 円 居住費:50,000 円 光熱費: 7,000円 食 費:30,000円 交際費:15,000 円 住 live *光熱費は居住費に含まれています。 寮(香峯寮の場合) 一人暮らし 合計:102,000 円 合計:74,300 円 私の理由
08 SUN119 2023 Autumn 地域社会を盛り上げる力を養うために学生生活で豊かな経験を。 経営学部の「地方創生ビジネス学修コース」では、地方銀行・信用金庫、地方中小企 業や地方自治体などで活躍する専門知識を持った人材を育成します。 授業では、実際に社会へ大きな影響を与えるビジネスを成功させた卒業生のお話を直接 聞く機会や、キャンパスのある八王子市と連携した地域課題の研究、学生ボランティアなど の地域貢献活動などを通じて、ビジネスによる地域貢献の実践的な専門知識を身につけま す。特に創価大学4期生で、パナソニック株式会社の元副社長である高見和徳さんから社 会に必要とされるビジネスの組み立て方をお話しいただいたことは、得がたい経験でした。 また、私は沖縄の伝統文化エイサーを踊る学内サークル・イチャリバチョーデーズの一 員として活動するなかで、地域文化を守ることの大切さを感じ、多くの人との交流を通して 「人間力」を磨くことができました。卒業後は、創大の卒業生として地方創生に貢献してい けるように、自ら発信していきます。 最先端の学問を学ぶ意義を段階的に理解し、自分の強みに。 創価大学は副専攻制度が充実しています。経済学部に進学した私は副専攻データサイ エンスで、理工学部のデータ解析やコンピューター演習などの授業を履修しました。 データサイエンスの授業は、なぜ今の時代にIT/データ活用が必要なのかという「Why」 から入ります。その後、ビジネスにおけるIT/データ活用は何かという「What」を理解します。 そして最後に、どうやってデータ活用していくのかの「How」を学びます。こうした段階的な 理解により、今まで遠かった「IT活用」というものを自分事化して、身近なケースなどでイメー ジすることができるようになりました。 また、理解が進むなかで、今後社会で活躍するために必要なスキルと自身の実力を俯瞰し、 次にどのような勉強をしたらいいのかを具体的に知ることができます。私は経済学部の授業 で学んだ統計学や計量経済学と、データ解析やコンピューター演習で得たスキルを自らの強 みとして、外資系IT企業のプリセールス(技術営業)職として内定を得ることができました。 このように学部の枠を越えて、幅広く学べることは、創大の大きな特徴だと感じています。 経営学部4年 芳川真理さん 経済学部4年 山本拓実さん TUBO CAFE(ツーボカフェ): ランチがお手軽で美味!ソファ席が居心地◎ Boule Beurre Boulangerie: 美味しいパンが楽しめる、八王子の人気店! キャンパスライフの彩りとして欠かせないのが、友人たちと楽しむ食事の時間。ガッツリ系からおしゃれ系まで、 創大生のイチ押し店を聞きました。気になったお店があったら、検索してみてください。 おしゃれなカフェ 中華料理 好香:500 円定食が創大生に人気。 行くと高確率で友人に遭遇 江戸ッ子鮨:ボリュームがあってネタも新鮮。 気さくな大将が◎ ランチで大人気 ラーメン田田 八王子店:二郎系ラーメン でボリューム満点! 来々亭:老夫婦が経営している温かな 雰囲気のお店。炒飯もとても美味 ガッツリ食べられる ラーメン店 創大生の食生活! キャンパス周辺にはイチ押し店が盛りだくさん 食 Food 世界を、社会を支えるために働きたいー。そんな高い志を抱いて入学した学生たちは、 「創造的世界市民」に求められる知識と経験を学ぶ4年間を過ごしています。 Focus創大
八王子は都心から離れていますが、ターミナル駅だから駅周辺には多種多様なスポットが。 都心や横浜方面へのアクセスもよいため、みんないろいろな場所へ足を延ばしているようです。 09 教育学部の授業は “学生が自ら考え判断する力を養うことを重視するカリキュラム”となっ ています。その特徴の一つは、学校で実務を経験されている先生方による、きめ細かな指導で す。教科書の情報だけでなく、先生方の実体験から子どもたちの行動・思考を学ぶことができ、 実践的な力を身につけることができます。 3年次からゼミに所属し、学生同士での協働学習が多く用意されていることも、創大教育 学部の大きな特徴です。教育実習前にはゼミで模擬授業を行い、仲間の協力もあって、万 全の準備で臨むことができました。友人たちと切磋琢磨するなかで「自分も今できることを やってみよう!」という挑戦心・チャレンジ精神が養われたと感じています。教育学部の3 年生以上の学生が参加し、小学校の主要教科の教材研究や模擬授業を行う『模擬授業ク ラブSTeP Lab.』では、リーダーとしてプログラムの充実に挑戦しています。創大で磨き上 げた挑戦心・チャレンジ精神を大切に、小学校教員になることをゴールとせず、常に多くの ことに挑戦していきたいと思います。 看護学部には「創造的な看護実践能力」を育成するためのカリキュラムがあります。それ は、目の前の患者さん一人ひとりの健康上の課題を解決するとともに、患者さんの家族や 地域の人々の幸福も願い、自在に知恵を発揮し、支援・援助する能力を育むものです。 1年次には人間の身体や疾患、基礎的な看護技術を学びます。2年次以降は看護の理論を 用いてさまざまな事例をもとに実践力を高め、先進医療を担う病院から在宅看護まで幅広い 医療・看護の現場で、創造的な看護実践能力を育成していきます。また、授業は医療現場で 求められる連携力を重視したものも多く、同級生とのコミュニケーションのなかで報告・連絡・ 相談の大切さを学び、多様な意見を共有し、最適な選択をする力を磨けたと実感しています。 私が看護師を志したのは、幼少期に喘息で入院した際に寄り添ってくれた看護師さんに憧 れを抱いたことがきっかけです。創造的な看護実践能力を磨き、多くの人に寄り添うことので きる看護師になりたいと思います。 看護学部4年 森正博さん 教育学部3年 山田聖矢さん 小学校教員として 創大が教員採用試験に強い理由は、実務経験が豊かな先生方の指導。 「価値創造を実践する世界市民」としての看護専門職を輩出! 看護師として セールの時期になると、新宿・原宿・渋谷に 洋服を買いに行きます 授業後に裁判傍聴に行っている法学部の友人がいます 横浜中華街に行って、友だちと一緒に食べ歩きをしました シーズン中は、神宮球場やベルーナドームへ野球観戦に行きます 八王子近隣で 楽しむ派 八王子駅付近にはカラオケ店や飲食店が 多くあるので、友人とワイワイ楽しんでいます 高尾山や浅川・秋川の河川敷など、 アウトドアスポットがたくさんあります 電車やバイクで、立川のIKEA、南大沢のアウトレット、 国立昭和記念公園へも気軽に行けます 遊 Enjoy 「人の役に立ちたい」 創大生の放課後ライフ! 授業のあとは、何して過ごす? 私の理由 ちょっと足を 延ばして 遠征派
さまざまな文化に触れる場所にもキャンパスから気軽に足を延ばせます。東京都内には数多くの美術館があり、 さまざまな芸術に触れることができます。ここでは、八王子近郊のオススメ美術館をご紹介します。 10 SUN119 2023 Autumn 幼少のころ、大分県別府で毎日温泉に入り、地域の高齢者の方に可愛がられて育った私は、 地域福祉に興味を持っていました。高校3年生で将来を考えたときに、創価大学文学部の社会 福祉専修の存在を知り、地域福祉に貢献できる大人になろうと進学を決めました。 社会福祉専修が目指す「社会福祉士(ソーシャルワーカー)」は、福祉分野における国家資格 です。その合格を目指し、児童福祉、高齢者福祉、障害者福祉、地域福祉、保健医療や社会保 障などのさまざまな知識を身につけ、さらにソーシャルワーク演習や実習を通して実践的な学習 を積み重ねます。92.9%※という国家試験合格率がカリキュラムの素晴らしさを物語っています。 授業では “背景をよく考える” ことの重要性を学びます。なかでも、刑事司法と福祉について 学ぶ授業が印象に残っています。かつての私は、加害者は悪であり、その人の犯罪行為だけに目 を向けていました。しかし授業を通して、加害者の背景には虐待被害の経験や経済的困難など がある場合も多く、支援があったら犯罪者にならなかったかもしれないと考える必要性を学びま した。社会福祉の専門職として、一人ひとりの背景や声に寄り添っていく力を育んでいきます。 創価女子短大では、土曜日に資格試験対策に特化した13の課外講座「土曜講座」が無料で 開講されています。団体優秀校として表彰される資格試験もあるなど、“資格取得に強い創価女子 短大” として伝統が続いています。土曜講座は専門の講師の方々が教えてくださるため、実際に 日常生活や社会でどのように活用できるのかなど、教科書だけでは学ぶことのできない実践的な ところまで理解できるようになります。私は職種・業界を問わずビジネスの場で共通して求めら れる知識を学べる資格を取得しようと思い、1年春学期に「秘書検定2級」、秋学期に「情報活 用試験2級」そして2年の春学期は「ビジネス文書検定2級」と三つの資格を取得しました。 なかでも「ビジネス文書検定」は、就職活動の卒業生訪問の依頼メールや、教職員の方と連絡 を取る際にとても役に立っています。 資格講座を受講することで、できることが増え、自分に自信を持てるようになったと感じて います。 文学部4年 国武純子さん 創価女子短期大学 国際ビジネス学科2年 夢だった資格取得へ、専修コースのある創大文学部を選択! 専門の講師陣が講座を担当。団体優秀校として表彰される資格も。 社会福祉士として 資格取得で未来の力に 関優華さん 心を豊かにしてくれるオススメ「美術館」 創価大学の正門からすぐ!「東京富士美術館」 絵画や彫刻、武具・刀剣など約3万点の所蔵品があり、小・中学生は、 毎週土曜日の入場料が無料。2023年7月にリニューアルし、 これまで以上に美術鑑賞をゆっくりと楽しめる空間になりました。 ジブリ好きの方にオススメ「三鷹の森ジブリ美術館」 吉祥寺にある美術館。ジブリオリジナルの 短編アニメーションが上映されているほか、 過去のジブリ映画に関する企画展が実施されています。 社会の基盤として、多くの人のために働く人材へ。 創大・短大での学びが、夢に描いた資格取得の最短距離になっています。 Focus創大 ※令和4年度「第35回社会福祉士国家試験」新卒合格率
11 原田 真弓さん はら だ ま ゆみ 経済学部 経済学科 2006年3月卒 ヤマハ株式会社 勤務 企業人としての活動を通じて 中南米の社会課題解決に貢献。 大学時代、パイオニア吹奏楽団で全国大会に出場。人々を感動させる音楽を届けようと 演奏してきた思いと、「感動を・ともに・創る」というヤマハ株式会社の企業理念に通ずる ものを感じ、入社。その後、管弦打楽器部門を中心に関連会社の小売店、本社の事業部、 国内の卸営業そしてアーティストリレーションなど、自社ビジネスの川上から川下までを 経験したのち、海外駐在希望を出してパナマに拠点を持つ再輸出販社YMLAに赴任。 コロンビアとプエルトリコの市場担当と、ドラム、ギター、シンセサイザーの商品マネー ジャーを担うとともに、現地の社会課題の解決にも取り組んでいる。 原田 真弓さん Over the border 学生時代ずっと続けてきた音楽には、たくさんの人に 大きな感動を与えられる力がある。その力で世界平和 に貢献したい―。創価大学吹奏楽部パイオニア吹奏 楽団の卒業生である原田真弓さんは、そんな熱い志を 胸に、貧富や男女の格差の是正が進んでいない中南米 を舞台に、日本の大手楽器メーカーの駐在員としての仕 事を通じて、女性たちと子どもたちに豊かな未来を届け ている。 「私が勤務しているYamaha Music Latin America, S.A.では現在、二つのプロジェクトを推進しています。 一つはジェンダー平等のためのプロジェクトで、“She’ s got the groove”と題し、女性アーティストを積極的 に起用した音と音楽の体験の提供により、性差なくすべ ての人が音・音楽に触れられ活躍できる環境づくりを 目指しています。もう一つは、スクールプロジェクトです。 平和な世界の実現を目指し、世界中の子どもたちが心 を豊かにする音楽や楽器を使った活動を楽しめるよう、 公教育において音楽と楽器を使った活動の普及を世界 各地で展開しています。コロンビアの関係各所へ提案を 行い、7月に関連機関とパイロット展開の正式合意を得 ることができました」 多くの人々が前向きに力を貸してくれるが、マイペース 異文化コミュニケーションの困難を楽しみながら、 音楽の持つ“感動の力”で人々の未来を豊かに。 で自分の感情に素直なラテン気質のためにプロジェクト の進行が遅れたり、当初とは異なる方向に話が進んで いたりと、一筋縄ではいかない状況も多いという。しか し、そうした日本人とは違う感覚を持つ人々とグローバ ルなフィールドで切磋琢磨する状況こそ、原田さんの望 んだ場所だった。 「経済学部の北政巳教授のゼミでは、海外で活躍する 先輩方の話を聞く機会が多く、自分も世界で活躍でき るようになりたいと刺激をいただきました。だから今、 現地の人々をリスペクトし、目の前の困難をともに乗り 越えることがとても楽しいのです」 誠実、忍耐、希望。この三つの言葉を創立者は特別講 義で学生に示した。原田さんはその言葉を体現するよう に、異文化ならではの困難も楽しみながら、希望の音を 中南米の地から世界へ響かせている。
南北アメリカをつなぐ流通の要所パナマ運河を持つ パナマは、ラテンアメリカで有数の経済発展を遂げて いる。その勢いは、ニューヨークや香港に負けない高 層ビルが建ち並ぶ首都パナマシティの新市街にも見 て取れる。栄華の半面、人口の1/4が貧困層という 貧富の格差が大きな問題となっている。 [パナマシティ] パナマ 12 SUN119 2023 Autumn
学問 探訪 内海 友子 准教授 【 国際教養学部 】 データの先にいる現地の人々に思いを馳せ、 開発途上国の抱える問題を自分事として考える力を育む 「学びたい」が見つかる―。本学の受験生 向けサイトのキャッチコピーです。この言葉が 示すように、創価大学・創価女子短大での学 びは、学生の未来の可能性を広げるために 何を学ぶべきかを見つけることをゴールに置 いています。特に本学には、社会に貢献した いという夢を胸に抱き、多くの学生が進学し ています。そこで、今回の学問探訪は開発途 上国が抱える課題について経済学の視点 から考察する「Development Economics」 の授業を一例として取り上げます。実際に学 生がどのように未来の可能性を広げていっ ているのか、見ていきましょう。 今回、お話をうかがう内海友子准教授の 専攻は、開発経済学。経済学と聞くと難しい 数式を使い、世のお金の流れや景気の行く 末を解明する学問というイメージがあります が、内海准教授はそうした固定観念を解い てくれます。 「経済学とは“人間がどのように意思決定す るのかを学ぶ”学問であり、開発経済学は発 展途上国が抱える貧困、経済格差、教育、 保健、労働、移住、金融、ジェンダー、紛争 など、さまざまな課題について、経済学の理 論や分析手法を用いて解決方法を研究する 分野です。『Development Economics』の 授業では、事例をもとに貧困層が抱える問 題点と原因を考察し、どのような対応策が 効果的なのか、ディスカッションを行う機会 を設けています。貧困問題などを考える際、 データだけではなく、その先にいる人々のこ とまで思いを馳せられる想像力も大切です。 さまざまな国から集う学生同士のディス カッションを通して、それぞれの国での実際 の経験や考え方からお互いに学び合うなか で視野が広がり、世界の諸問題をより身近 に捉えられるようになったとの声を聞きま す。創立者はかつて、貧困問題の解決のた めには『運命を共有する“地球社会の隣人” としての自覚と責任』を一人ひとりが持つこ とが大事だと仰いました。授業を通じて世 界の課題をアクティブに学び、1人でも多く の学生が世界市民として社会に貢献する きっかけを得てほしいと願っています」 内海准教授が開発経済学の学びを深め たのも、社会に貢献したいという思いから だと振り返ります。きっかけは、高校時代に 読んだ創立者と「平和学の父」として知られ るヨハン・ガルトゥング博士の対談。そこで 「戦争がないことだけが平和ではなく、差別 や貧困というような社会の“構造的暴力”が なくならない限り、平和ではない」という考 えを知り、貧困をはじめとした開発途上国 のことを学び、構造的暴力の解消に貢献し たいと決意したそうです。 「開発分野でも、多様な貢献の道があるこ File 35 創大の とを学生たちに紹介しています。途上国支援 というと国際機関やNGOといった道が思い つきやすいと思うのですが、授業では民間企 業で何ができるかという点についても触れる ようにしています。例えば、コーヒー豆は、途 上国で生産されるものの、そのほとんどが先 進国の人々によって消費されています。コー ヒー豆を輸入する先進国の商社が、民間企 業としてどのように途上国の生産者と関わ り、すべての人にとって持続可能なビジネス になるよう寄与しているかについて学ぶ授業 もあります」 実際にゼミの1期生には、将来的な社会 貢献の道を視野に入れながら、IT系の企業 に就職しスキルを高めている卒業生や、イギ リスのサセックス大学で開発経済学の修士 課程を学ぶ卒業生がいるといいます。 「国際教養学部はリベラルアーツの学部で す。経済学だけでなく、哲学・歴史・社会学 など、多様な学問を学べます。将来やりたい ことが決まっている学生も、漠然と社会に貢 献したいという思いはあるけれども、具体的 な道がまだ決められていないという学生も、 それぞれが可能性を広げていける場所です。 大学生活でいろいろなことに興味を持ちな がら、難しそうだと思ったことにも挑戦し、 世界の発展に貢献していける力を磨いてもら いたいです」 [ テーマ ] “社会に貢献したい” という夢へ導く 開発経済学 Tomoko Utsumi 13
関東編 私は創価女子短大から経営学部に編入しました。短大では4年間の教育を2年で 学ぶため、毎日が挑戦の連続でした。決して容易な日々ではありませんでしたが、創 立者の精神を学び、全国各地から集まった姉(先輩)や友人(同級生)、妹(後輩)た ちと寮生活をともにし、励まし合うことで、何事にも挑戦できる自分になれたと実感 しています。この挑戦のなかで、念願だった日商簿記2級の取得と3年生の春休みに は南イリノイ大学への短期留学も果たすことができました。また、女子寮の残寮生と して妹たちを支えるなかで、目の前の1人のためにどこまでも寄り添うことの大切さ を知ることもできました。 このようなさまざまな挑戦ができるのも、父と母の支えがあるからです。どんなときも 笑顔かつ全力で応援してくれる2人が大好きです。両親は自営業で農業を営んでいます。 365日毎日仕事があるにもかかわらず、片道約3時間をかけて私を激励しに来てくれた こともありました。そうした挑戦を後押ししてくれる方々への感謝を忘れず、そして創立 者にお応えできるよう、将来は社会に貢献できる知恵を持った税理士を目指します。 ▲(左)両親に見送られ、大きな期待を胸に滝山寮に入寮 (右)卒寮までには、かけがえのない仲間ができた ▲(左)挑戦の心の支えになっていただいた寮の管理人さんと (右)南イリノイ大学への研修に一緒に挑戦した友人との絆は強い 滝山寮での共同生活をはじめ、授業でも、プライベートでも、創価大学で しか体験できない多くのことに挑戦しました。予定を詰め込みすぎて、息つく 暇もないほどでしたが「こんなにたくさんの経験をさせていただいているのは 幸せなこと」とポジティブに考え、全部やりきることを決意しました。そうした なかで“社会で信頼される人間性”を磨くとともに、学業面でもよい成績を取 ることができ、自らの成長を感じています。 大学では、公共政策の知識やコミュニティの大事さを学びました。また、 滝山寮の友人と絆を深めるなか、“対話”こそ信頼を深める要だと実感しまし た。4年間で培った知識と経験を活かし、卒業後は地域創生に貢献していき たいと思います。こうした成長も、父、母の支援があればこそ。経済面でも、 身体面でも、多くの心配をかけてきました。日々向上心を持って、一つでも多 くの恩返しができるように頑張っていきます。 家を離れてからも、勉強やバイト、学生自治会 など多方面で忙しいなか、近況報告を電話でし てくれました。コロナ禍で入寮が遅れたり、オン ライン授業となったり、不安は多かったと思い ますが、それでも家族に心配りをしてくれる姿に 成長を感じていました。中学から創価大学を目 標に定め、挫折しながらも進学を勝ち取ったあ なたは、私の誇りです。失敗してもいい! 社会に 出てからも、貴方は貴方らしい大輪の花を咲か せてください。 いつでも、応援団長の母より たくさんの励ましで、何事にも挑戦できる自分に。 その感謝を社会貢献という形で示したい。 保科 慎司さん 創価大学 法学部法律学科4年 “挑戦したことは全部やりきる”という ポジティブな決意が、 創大での大きな成長のエネルギーに。 学生たちが、夢に向かって歩みを進められるのは、保護 者の皆さまの温かいサポートがあってこそ。また保護者 の皆さまも、大学・短大で一生懸命に学び、大きく可能 性を羽ばたかせる我が子の頑張りに、大きな喜びを感 じていらっしゃるはずです。でも、お互いに思いを伝え る機会はなかなかないもの。本企画ではそんな気持ち をSUN誌面を介して伝え合っていただきます。 Dear Shinji コロナ禍の不安でいっぱいだった短大 時代から、資格試験だけでなく、大学編入 にも挑戦。経営学部に編入して新たな目 標も見つけるなど、止まることなく頑張り 続ける娘の成長をひしひしと感じていま す。また、短大時代からたくさんの方に出 会い、これまで皆さんに支えていただきま した。そうした方々への感謝の思いを忘れ ずに、創立者にお応えできるように、目標 に向かってこれからも頑張ってください。 家族全員で応援しています。 父、母より Dear Yuuka 茨城県出身 14 ほ しな しん じ 青木 優華さん 創価大学 経営学部経営学科4年 栃木県出身 あお き ゆう か SUN119 2023 Autumn
1915 世界各地から有識者が集う「国連大学グローバル・セミナー」に 4名の創大生が参加。 創価大学と創価女子短期大学の「○○&SDGs」をテーマに、 「Soka University Grand Design 2021-2030」の 一つの柱でもあるSDGsの取り組みをピックアップ! 今号では「国連大学グローバル・セミナー」を紹介します。 現代社会が直面している地球規模の問題と国際連合の取り組みへの意識を高めることを 目的に開催されている「国連大学グローバル・セミナー」に、本学の学生4名が参加しまし た。今回のテーマは「持続可能な農業と食料生産:食料安全保障の確保にむけて」。副専 攻「SDGs」を2023年度からスタートした本学では、SDGsに関連した授業も多く行われ ています。参加した学生は、ゼミや授業で学んだ知識を活かし、国内外の著名な学者や 実務家による講演やグループ討論を通して交流し、貴重な経験をしました。 私は8月から1年間、持続可能な農業について学ぶためア メリカに留学しています。その留学に向けて学びをより深めよ うと、国連大学グローバル・セミナーへ参加しました。 私の所属する法学部の前田ゼミでは、真の持続可能な社 会を目指すポストSDGsがどうあるべきかを学んでいます。ポ ストSDGsにおいて特に重要なのが、食の安全保障であり、 農業を通して人の生命や文化、地球の生態系を保全するとい う視点です。グローバル・セミナーには世界各地からさまざま な方が参加するので、大学での自分の学びがどう評価される のか、そして、より多くの人に農業が持つ生命を慈しむ心の重 要性を伝える術を知りたいと考えました。 創立50周年の2021年4月2日、気候危機に全教職員、学生 が一丸となって対応していく意思を表明する「学校法人創価大 学気候非常事態宣言」を発表。2050年のカーボンニュートラル を目指し、温室効果ガス(GHG)排出量の算定・分析、今後の削 減シナリオを作成するため、2023年4月に「サスティナブルキャ ンパス検討部会」を新設しました。2050年 カーボンニュートラルに向けた削減シナリオを 2024年に発表予定です。 2022年度の主なSDGsに関する取り組みをまとめた「創価大学SDGs レポート2022」を公表しました。2022年度より開始した「SDGsグッド プラクティス」の入賞グループの紹介やSDGsアンケートの結果、SDGs が掲げる17のゴール(目標)ごとに関連する授業や研究、学生の活動を 紹介。教員・職員・学生によって構成される「SDGs推進センター」を軸に、 2030年を目指した中長期計画「Soka University Grand Design 2021-2030」で掲げた計画を実行 し、SDGs達成に向けて取り組みを推進しています。 ゼミで培った SDGsについての 見識を、グローバルな フィールドで発信! SDGs NEWS 大学のカーボンニュートラルを目指して、 「サスティナブルキャンパス検討部会」を設置 創価大学SDGsレポート2022を公表 鈴木陽子さん(法学部3年) 国連大学 グローバル・セミナー 例えば、セミナーのグループワークでは、ほかのメンバーが 「Sustainability」をどのように定義づけているのか質問しま したが、「人間が生き続けられるように」という人間中心主義 的な意見が多く聞かれました。そこで、私が学んでいる non-humanとのパートナーシップの重要性(菌類や植物、昆 虫など、すべての生きとし生けるものとパートナーシップを組 むこと)を伝えました。非常におもしろい意見だとみんなが受 け入れてくれ、最終的には“すべての生命の相関性のなかで人 間が生きていることを認識しなければ真のSustainabilityは 成しえない”との結論になりました。 さらに、グローバルな場での議論を通じて、私たちは生命の 循環のなかに生きていることをしっかりと認識し、農業のテク ノロジー化を進めていく必要があると気がつきました。また、 互いの意見が違うように感じても、自分の信条を堂々と述べ、 相手の意見も尊重し、納得できる形で議論を進める経験もで きました。この学びを最大限に活かし、留学先でも持続可能 な農業とジェンダーの問題について、活発に現地の学生と議 論したいと考えています。 「学校法人創価大学気候非常事態宣言」はこちら▶ 創価大学「SDGsレポート2022」はこちら▶
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