宮﨑 淳(教授)

ミヤザキ アツシ

専門分野 民法、水法
担当科目 民法総則、水法演習、基礎演習、演習Ⅰ~Ⅳなど
研究テーマ 1.水法の総合的研究――水資源の保全と利用の法理論の構築
2.民法の基礎理論に関する研究

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研究者情報詳細

担当プログラム

グローバル・ロイヤーズ・プログラム

略歴

  • 1964年 三重県鈴鹿市生まれ
  • 1987年 創価大学法学部卒業
  • 1993年 同大学大学院法学研究科博士後期課程修了
  • 1994年 同大学法学部専任講師
    同助教授、英国ケンブリッジ大学客員研究員を経て、2007年から創価大学法学部教授。博士(法学)

主要な論文・著作

  • 『水資源の保全と利用の法理――水法の基礎理論』(単著、成文堂)
  • 『環境用水――その成立要件と持続可能性』(共著、技報堂出版)
  • 『コンメンタール借地借家法〔第3版〕』(共著、日本評論社)
  • 『レクチャー民法学 債権各論』(共著、成文堂)など。

所属学会

日本私法学会、日本土地法学会、日本農業法学会、水資源・環境学会

メッセージ

変革期の民法学

民事法の領域では、21世紀に入って関連法の制定や改正が盛んに行われています。私たちは、第2次大戦後の法改正に次ぐ大きな変革期の中にいると言われています。民法典だけに限ってみても、2003年に担保物権に関する改正、2004年に現代語化・根保証契約に関する改正、2006年に公益法人制度に関する改正、2011年には親権喪失の制度等の見直しに関する改正などがあり、さらに100年ぶりに債権法の全面改正の準備も進められています。

100年以上も前に制定された民法典の中には、現代社会から見て抜け落ちている観点がいくつかあります。そのひとつに人格的利益に関する視点があります。人格的利益が民法体系の中でどのように位置づけられるのかという大きな課題を視野に入れつつ、激流にのみ込まれないように民法の研究、教育に取り組んでいこうと思っています。

最近話題の水問題――水資源の保全と利用を考える

近時、水ビジネスや水環境の保護など、水資源への関心が高まり、「水ブーム」が到来しています。

日本国内では、水循環型社会の構築や健全な水循環の確保等の理念が打ち出され、水資源が有限であることを前提に、水循環を保全するための施策が講じられています。一方、近い将来、世界は深刻な水不足になるとの予測のもと、世界水フォーラム等の国際会議において水資源管理のあり方が積極的に論じられていることも、私たちと無縁ではありません。水資源の枯渇は、食糧生産と切り離せない関係にあるからです。

また、水資源の管理は、「脱ダム宣言」にみられるような公共事業のあり方にも関連します。最近では、外資系企業が水源地を買収しているとのマスコミ報道をきっかけに、「水源地の保全に関する条例」を制定する地方自治体も出てきました。このように水に関する問題は、私たちの生活と密接な関係にあると言えるのです。
日本には、水資源の保全や利用に関して定めた統一的な制定法、いわゆる水法典は存在しません。そのため、水に関連する法律を総合的に整序し、水の管理に関する統一的秩序を構築することが重要であると考えます。このような問題意識をもって、水法の研究および授業を担当しています。

ゼミ紹介

宮﨑ゼミのモットーは、「愚直に学べ、そしてよく遊べ」です。真面目に学んで実力をつける一方で、遊ぶときには思いっきり遊ぶ、というケジメを大切にするゼミです。

ゼミの授業の前には、学生が中心となってサブゼミが行われます。そこでは、学生同士が教え合い、互いに高め合っていく光景がみられます。友達にしか聞けない基本中の基本の問題をめぐって激論!発言が的外れでも温かく見守ってくれるアットホームな雰囲気!――この何とも言えない宮﨑ゼミの世界で固い友情が育まれていきます。

恒例のゼミ旅行は、「よく遊べ」のモットーを実行する機会です。とにかく「安くて遠い旅」を至上命題とし、どこまで楽しめるかが問われる旅行でもあります。モットーに忠実な宮﨑先生は、ここでも率先垂範のはしゃぎようで、ゼミ生を沸かせてくれます。「おちゃめ」な先生の言動は、ゼミ生必見と言われています。

宮﨑先生は、見かけはあのように見えても(どのように見えるかは書けませんが)、スポーツをこよなく愛しています。ゼミ対抗のスポーツ大会では、リレーのアンカーの役割を無事、果たしました。長野へのゼミ旅行ではスキー、沖縄ではシュノーケリングという年もあったようです。また、教室で消極的なゼミ生が、一転してスポーツで張切る姿を見るのも、教師冥利に尽きるそうです。

わがゼミには、法曹や公務員を目指して勉強に専念する学生や、企業就職を希望する学生が、ほどよい割合で混在しています。様々な目標をもった仲間たちが切磋琢磨し合いながら、学問的、人間的に成長していることを実感できる宮﨑ゼミは、大学生活の最高の学びの場であると思います。

演習テーマ

「民法の基礎的研究――判例で学ぶ民法解釈の方法」

ゼミの概要

日常生活で私たちが経験する出来事は様々です。民法とは、こうした出来事を規律するルールを定めた法の体系です(日常生活の基本法であると同時に、企業取引の基本法でもありますが)。したがって、民法は、私たちがとるべき行動を方向づけ、トラブルが発生すればそれを解決する規範であると言えます。

しかしながら、民法総則や物権法等の民法の講義は、抽象的な理論や制度趣旨に関して講述することが多いため、それが実際にどのように社会で機能しているか、どのような意味をもっているかについて、明確に把握できていない場合も多いように感じられます。そこで、現実の社会の中で民法の理論や制度が適用された裁判例(判例)を読むことによって、それらの理解を深め、民法をより身近に感じてもらいたいと思います。

演習の到達目標は、次の2点です。第1に、民法の理論や制度の基礎的な論点について理解を深めること。第2に、論点の理解を通じて民法の解釈方法を習得することです。

授業は、グループの協働学習によって進められます。5名程度のグループごとに判例の立場や学説について議論し、それに基づいて自分たちの見解を導き出します。議論を通じて民法の解釈を学び、深めるというスタンスは、自主的に学問に挑戦する姿勢を培い、自分で考える力を養うことになります。

みなさんと一緒に民法を学べることを楽しみにしています。

文系大学院 法律学専攻

  • 専門分野 水法および民法
    研究テーマ 水法の総合的研究
    研究紹介 水法の総合的研究をしています。とくに、水資源を財産法の視角から捉え、その保全と利用の法理論に関する論考を執筆してきました。研究成果は大別して、つぎの3領域に分けることができます。すなわち、①アメリカ水法における水利用の権利とその法的保護の考察、②わが国における水利用の権利とその分析、③わが国における地下水と水源の保全に関する理論の考察です。近時、これらの研究成果をまとめた論文集を、『水資源の保全と利用の法理――水法の基礎理論』(2011年、成文堂)として上梓しました。
    今後は、これらの研究成果を基礎にして、水源地の保全のための理論や水資源の再配分のための法理論に関する研究を進めていきたいと考えています。
    研究、教育方針 わが国には、水に関する法規範を体系的に網羅した「水法典」は存在しません。しかしながら、水循環に関する政策の基本方針を定めた「水循環基本法」が、2014年3月に議員立法で成立しました。この法律制定の背景には、水に関する縦割り行政の弊害を批判し水管理の統合を目指す国民レベルでの運動がありました。今後、この基本法に基づき個別法の制定や既存法の改正が推進されていくでしょう。
    これからの水に関する法制度の整備にあたり、水に関連する法律を総合的に整序し、水の保全および利用に関する統一的秩序を検討することが重要になってきます。とくに、水に関する法律に通底する基礎理論を考察することにより、水法の体系を構築する必要があります。このような視点から、水法の体系的研究に取り組んでいきたいと考えています。
    水が国民共有の貴重な財産であり公共性が高いものという認識から、水には「公」としての性質があります。また、水を利用する権利(水利権や地下水利用権)が財産権であるという意味で、水の「私」としての性質を否定することもできません。このような水の「公」と「私」の側面につき、法的にどのように捉えていくのかという問題意識をもちながら、研究および教育に取り組んでいます。
    水法の研究・教育には、様々な視座からのアプローチが要請されます。例えば、水の受け皿である土地の利用との関係については民法の物権法、水質汚染については不法行為法や水質汚濁防止法、水環境や水循環については水循環基本法等からのアプローチが欠かせません。多角的視点から水問題を分析していく姿勢を大切にし、研究・教育にあたっていきたいと思います。
    メッセージ 水は生物の生命維持にとって不可欠なものです。その水が地球温暖化による異常気象や有害物質に起因する汚染等によって危機的状況にあることを認識したうえで、持続可能な社会システムを構築するために、水資源の保全と利用の調和を図る法制度について議論していこうと思います。

ページ公開日:2017年08月06日
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