合格者座談会
2010

不断の努力と温かな励ましで勝ち取った合格

2008年度に行われた第3回の新司法試験で見事合格を果たした4人の先輩に、創価大学法科大学院での挑戦に日々について、熱く語っていただきました。

多様なサポート・充実した授業

 今日は、創価大学法科大学院での生活を振り返っていきましょう。まず入学してからの印象はどうでしたか?長谷川さんも山崎さんも大学の学部を卒業してすぐ法科大学院に入学していますが。

長谷川 教員も学生も本当に熱心な人が多いと思いました。

岡本 あとチューターの方も熱心に面倒を見てくれますよね。

山崎 そうそう。とにかくみんな熱心で、学生全員が熱意あることを前提としてそれに応える形でチューター制度をはじめ、大学院側が色々制度を整えてくれていました。本当に感動しました。

岡本 私は卒業後1年間一人で勉強しましたが、教員、先輩合格者、チューターなど、多くの方がさまざまなサポートをしてくださり安心して勉強できました。一人にさせない、絶対に放っておかないというのが本当に心強かったです。

山崎 それから、奨学金が本当に充実していますよね。やはり経済的なリスクを考えると入学をあきらめようかと悩む人が多いと思うのですが、私は奨学金をいただいたことで経済面で安心して勉強できたのが良かったと思います。大事ですよね。

岡本 私のように会社を辞めてロースクールに入学する人にとっても、経済面は大きな関心事です。

 授業のカリキュラムはどう感じましたか?

長谷川 まず、要件事実の教育は全国でもトップレベルだと思いますね。

山崎 特に伊藤滋夫先生の存在は大きいと思います。民事大々問を検討していても、「ここで要件事実の話がいかされてくるんだなあ」と思いました。

岡本 要件事実に限らずカリキュラムがよく考えられていると思います。今年の合格者を見ても、結局、法科大学院での勉強をきちんとやっている人が合格しています。その点からもカリキュラムがしっかりしていると言えるのではないかと思います。

長谷川 1学年50人ぐらいで、小規模ロースクールですが、僕はそれが逆に良いなあと思っています。というのは、教員と学生の顔が見えるような関係にあるからキメ細やかな教育が可能だと感じました。

 要件事実の話が出ましたが、ほかの科目も含めて実際に授業を受けた感想はどうでしたか?

長谷川 実務家教員の割合が多く、先輩方の実務経験が豊富ですよね。やっぱり法科大学院というのは理論と実務の架橋という理念で発足された制度だと思うので、そういう意味では実務の話をたくさん聞くことができるというのはやはり重要なことだと思いますし、学生側としてもとても安心できました。理論だけでなく実務的な観点から色んなことを吸収できる環境が整っていると感じました。授業の中でレポートとかの課題が多かったですが、みなさんどうでした?

山崎 課題は大変でしたね。でもやはり問題の中身が非常に良かったですね。先生方が本当に良い問題を作ってくださっていました。

長谷川 創価大学法科大学院のカリキュラムをしっかりこなしていけば、新司法試験に合格できるだけの実力をつけることができるということは、自信を持って言うことができると思います。

勉強に没頭できる環境

山崎 私は自宅から通学していたのですが、みなさん、桂冠寮ですよね?寮生活はどうでした?

長谷川 本当に学生第一の配慮がされているなと感じました。どの寮も設備が充実していて、しかも寮費が安いですよね。桂冠寮のような共同の寮が苦手という人にも、ちゃんとワンルームタイプの寮も整っていますし。そういう意味では、人それぞれのニーズにあったような形で用意されていますよね。

岡本 3人は寮に籠っている感じでしたね。山崎さんは学修館でいつも勉強していたけど、学修館の環境はどうでした?

山崎 学修館は個別ブースだったので、プライバシーが確保されていてありがたかったですね。しかも図書室が1階にあって24時間年中無休で使えます。防音もしっかりしていて静かに勉強できました。

岡本 疲れた時にはラウンジで友達と話をしたりできるし、それが結構勉強になったりもするんですよね。

長谷川 図書室には多くの文献がありますし、仮に読みたい文献が無かったとしても希望を出せば迅速に購入してくれるのがありがたかったですね。

山崎 事務室の方も、学生の名前を全員覚えてくださっていましたよね。こちらが職員の方の名前を覚える前にみなさんが名前を覚えてくださっていて感動しました。レポート返却の時も、「すいません」と言って顔を見せただけですぐにレポートを出してくれて。

 本当にアットホームですよね。

合格への執念

長谷川 僕はとにかく基本を大事にしました。伊藤滋夫先生は、よく「なぜなぜ」と考えるのが重要だとおっしゃっていましたが、基本を大事にするというのは、やはり「なぜなぜ」と制度趣旨や原理・原則から考えていくのが非常に重要なことだと思います。

岡本 私は常に「試験に合格する」ということは意識していたかな。ロースクールでの2年間また3年間で十分合格できるだけの力はつく。だけど、手を抜いている暇はない。だからいつもいつも真剣に取り組むことが合格のためには必要だと思います。それから、一人でやるべき勉強とみんなでやるべき勉強は立てわけました。ゼミを組んで勉強した方が良い場合もあるし、一方では自分一人でやらなければならない場合もあるから、そういうことを立てわけて、その上で両方とも必要だと思います。結局受身ではだめだと思います。

山崎 私は、自分で過去問題を分析したり出題趣旨などを把握することが大切だと思います。自主ゼミなどでは先輩方がアドバイスをしてくださるので、自分の勉強の方向性を確認する上でありがたいのですが、それに頼り切って自分で考えなければやはり駄目だと思います。それから勉強のスケジュールを立てることも大切だと思います。先輩が「こういう方法が良いよ」とアドバイスしてくださったことを自分なりに考えてどう消化していくのか、自分で責任を持って勉強の計画を立てたりすることが大事だと思います。あまり緻密なスケジュールですと実行できないと思うので、柔軟なスケジューリングが大事だとも思いますね。

 創立者は法科大学院にめざすべき法曹像を示してくださいました。司法試験もこの3指針をどういかしていくかが肝要だと思います。例えば「邪悪を正す冷徹な知性」は、知性を持って間違いを切るという意味で択一試験にいかされます。また「人間を愛する温かな慈愛」はどこまでも当事者の立場になり問題を解決する姿勢で、論文試験に欠かせません。そして「勝利を決する強靭な魂」はすべてを貫く合格への執念だと思います。

人間性豊かな法曹をめざして

岡本 私は目の前で困っている人を助けていける、人間的にも実力の上でも、頼りがいのある力ある法曹になりたいと思っています。私も受験期間の前後を通じて、本当に沢山の人にお世話になっていますから、そうやっていくことが恩返しにつながるのかなと考えています。山崎さんは?

山崎 私は検察官をめざしたいと思っています。上から目線で被疑者や被害者に向きあう検察官ではなく、その人の立場に立って接していきたいですし、被害者に対しては特に寄り添えるような法曹になりたいと思います。また、弁護士であれば、やはり弁護士のところに来る人は本当に困っていると思うので、相手の立場になってあげられる、そういう法曹になりたいと思います。堀さんはどうですか?

 僕は裏方の仕事をしていたので、そういう経験から裏方に徹する弁護士になりたいと思います。一人ひとりの人間は各々の人生の舞台の主役だと思うのですが、その人たちが今いる舞台に光を当て、声を拾って、その人がその人の舞台で輝けるようにするのが裏方としての弁護士の仕事かなと。舞台袖にいて決して目立たず、裏方として一人の人をいかしていけるような仕事をしていきたいと思います。

長谷川 僕は弁護士希望です。依頼者が法律事務所の門を叩くときというのは、本当に悩みを抱えながら来ると思います。そういう方々に対して本当に思いやりを持って「私がいるから大丈夫です。安心してください。」とい言えるような実力と人格を備えた法曹になっていきたいと思っています。

 後に続く後輩のみなさんの挑戦を期待しています。本日はありがとうございました。
長谷川伸城 の顔写真
長谷川伸城

岡山大学法学部卒
3期・既修者コース
堀伸一の顔写真
堀伸一

社会人経験有り
2期・未修コース
岡本裕子の顔写真
岡本裕子

社会人経験有り
1期・未修コース
山崎久美子 の顔写真
山崎久美子

創価大学法学部卒
2期・未修コース