カリキュラムの特長

法律学専攻

特色

法学研究科の特色を一言で表すならば、単なる机上の学問ではない実践的かつ価値創造の学問をめざした法学・政治学の教育・研究を進めるということです。常に「民衆の立場」、「庶民の立場」を忘れず、「民衆のための学問」の研究・教育をめざしています。その教育理念として、教員は教授の権威を振りかざすことなく学生の人格を尊重し、学生は学究者である教員を尊敬し、ともに学問を通じて互いに切磋琢磨して人格を磨いていくというのが、法学研究科の一大特色といってよいでしょう。

領域/研究・教育の内容

法学研究科の研究・教育領域には伝統的法学研究の各分野はもちろん、先端分野、国際分野の領域も用意されています。具体的には、憲法、メディア法、行政法、民法、民事訴訟法、企業法、保険法、金融法、刑法、刑事訴訟法、国際法、国際私法、社会法、労働法、租税法、法社会学、法史学、英米法、環境法、アジア法、政治学史、政治史、国際政治論等の各分野で研究・教育が行われています。

教育方法/指導カリキュラムの特色

法学研究科は、研究者と高度専門職業人の養成を円滑かつ効果的に行うために、カリキュラム改革を行いました(2008年カリキュラム)。これは、(1)学生の多様なニーズに対応するためコース制を採用すること、(2)組織的教育を行うための指導体制を確立すること、(3)学生にとって魅力のある柔軟な制度を構築すること、という基本的な考え方に基づいて設計されています。
博士前期課程には、「修士論文作成コース」と「リサーチペーパー作成コース」が置かれています。修士論文作成コースは、主として研究者を志望する者および修士論文の作成を必要とする者のためのコースであり、リサーチペーパー作成コースは、主として高度専門職業人を志望する者のためのコースです。ここでいう「リサーチペーパー」とは、「特定課題についての研究成果」をまとめたレポートのことです。
2008年カリキュラムでは、組織的教育を行うためにコア科目が設けられました。学生は,第1セメスターでコア科目を履修します。その後、第2セメスターから第4セメスターまで,課程修了に向けて所定の単位を修得します。多くの「特論」科目は、学生の科目選択を容易にするため、「科目群科目」として分類されています。
修士の学位を取得するためには、修士論文あるいはリサーチペーパーを作成し、それらの審査と最終口頭試験を受けて、これに合格しなければなりません。
なお法学研究科では,学生のニーズに対応する柔軟な制度を構築するため、1年間(2セメスター)で修了することができる早期修了制度が設けられました。1年修了予定となる学生は第1セメスターの開始前に決定され、第1年次に修士論文あるいはリサーチペーパーを提出することができます。
授業は、少人数で行われます。教授は、学生の研究状況を把握し、きめ細かく指導を行います。これによって、学生が主体的に修士論文あるいはリサーチペーパーを作成できる環境が形成されることになります。また、研究者養成を主要目的としている博士後期課程では、学生は指導教授のもとで、懇切丁寧な指導を受けながら博士論文の作成に取り組むことができます。