創大Days

2024年07月24日

丹木の歳時記2024 文月(三)

創大Days編集部

炎天下の「文学の池」で、ヒキガエルが話かけてきました。「この暑い最中に何をしているんだい?」まるで昔からの知り合いのような口調です。「歳時記の写真を撮っているのさ」「そういえばこの前もトンボに気をとられて池に落ちてたよね」よもや目撃されていたとは不覚です。「こうも暑いとなかなかやる気も出ないだろう」そういうカエル君も汗だくです。「君、ひょっとしてそれがかの有名なガマの油なのかい?」と聞くと彼は頷きました。「そうさ。かつては軟膏として人気もあったけど、最近は商売あがったりでね」「君もなかなか大変だね」「今更商売替えは難しいからね」そのわりにはケロッとしていますが、もともとそういう顔なのでしょうか。「ところでその歳時記とやらは何回くらい書いているの?」「今回で650回目だね。毎回無い知恵を振り絞ってるんだよ」「あとどれくらい続けるつもり?」「まあ、足腰が立つうちはね」「マンネリ化しないようにせいぜい頑張ってくれよ」彼はそう言うと芭蕉の句を知ってか知らずか池に飛び込む水の音だけを残して去っていきました。後になってふりカエルとヒキガエルは春から初夏の繁殖期以外は水に入らないはず。とするとあれは白日夢か熱中症による妄想だったのかも知れません。
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ページ公開日:2024年07月24日


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