2016年03月30日

「人間の安全保障フィールドワーク」レポート第7回

UNHCRとAAR Japanを訪問・インタビュー。
人権問題Aグループ
大筆望美、阿世知美紀、小林久美、木村正司
人権問題Bグループ
坂本華澄、笠原容、三岡夏美、佐々木一徳
「人間の安全保障フィールドワーク」レポートの第7回は、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の駐日事務所とAAR Japan(難民を助ける会)です。

UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)駐日事務所

UNHCRは、1950年に設立され、世界中に散在する難民の保護をおもな任務とする国連機関です。現在は、昨今大量に発生し問題となっているシリア難民への対応を中心に、シェルター、生活物資の提供、多様な形態による保護活動等の人道支援を通じて難民救援活動を行っています。

フィールドワークは、東京都港区にある国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の駐日事務所で行われ、人権(難民問題)の2グループが訪問し、河原直美駐日事務所副代表と古本渉外担当官にインタビューを行いました。
どのような内容についてインタビューしたのですか。
私たちのグループでは、難民への教育支援の観点から、持続的な支援のあり方についてと予算体系の観点から、国際政治の舞台での振る舞いについて質問をさせていただきました。UNHCRとしては、初等教育をすべての難民児童が受けられるように教育支援を重視している印象でした。そして、UNHCRは難民の出身国の事務所とも連絡を密に取り合ってお互いに状況を共有しながら進めているとの説明がありました。
インタビューの感想を聞かせてください。
今回のフィールドワークを通して学んだことは、人と人との信頼と繋がりが大切ということです。国と国とが関わる国際社会の舞台では、互いの国益がぶつかることもありますが、UNHCRの支援活動を通し、お互いの信頼にもとづき対話と協力を通じて人類共通の価値の実現を目指していく過程が、難民問題をはじめとする地球的諸問題を解決するうえで大切な一歩であると考えさせられました。
フィールドワーク全体を通して、いかがでしたか。
この授業では、普段行きたくてもいけないような所で会いたくても会えない人にお話を伺う機会が沢山あり、非常に貴重な機会となりました。知的好奇心をくすぐられるような楽しい学びとすることができました。

AAR Japan[難民を助ける会]

人権(難民問題)Aグループは、東京都目黒区にあるAAR Japan[難民を助ける会]を訪問し、プログラム・マネージャーの穂積武寛氏にインタビューを行いました。
AAR Japan[難民を助ける会]とはどのような機関なのですか。
AAR Japan[難民を助ける会]は1979年、インドシナ難民を支援するために、 政治・思想・宗教に偏らない市民団体として設立され、これまで難民をはじめ困難な状況下にある世界中の人々を支援するために60以上の国・地域で活動を行ってきた国際NGOであるとの説明がありました。インタビュー時点では、たとえば、ケニア北部のカクマ難民キャンプにおいて中等教育支援に携わっており、主に建物建設を担っているとのことでした。
どのような内容についてインタビューしたのですか。
私たちは『難民キャンプにおける教育』をテーマに、「児童は就学への意欲を持っているが、周りの環境によって就学することに困難が生じているのではないか」という仮説を立て、教育推進のために何が必要であるかを明らかにすることを最終目的としました。
フィールドワークでは、難民キャンプにおける教育についての具体的な現状や児童の学習意欲・親の教育への理解、また、AARJapanの支援活動・他団体との連携についてインタビューしました。
インタビューの感想を聞かせてください。
お話を伺って、難民キャンプの現状は私たちの想像以上に過酷なものであることがわかりました。学校、教材、教員などあらゆるものが不足しています。さらに、資金不足に加え、教育よりも緊急性が高いと考えられている問題がたくさんあるため、教育関連の支援のための資金が集まりにくいというのが現状です。しかし、児童は就学意欲を持っており、子供の就学を望む親が多いということも事実です。このように難民が教育に対してプラスな考え方を持っていることは素晴らしいことです。教育は難民の将来において、復興のための大きな原動力となります。よって、他の支援と並行して教育支援を行っていくことが重要です。難民に教育の重要性を訴えかけること、また、AAR Japanを含むNGO団体は、さらなる連携の強化と共に、自らの活動内容・実績を支援者に対して説明し、十分な支援を行うための活動資金を増やしていくことがこれからより一層求められると感じました。
フィールドワーク全体を通して、いかがでしたか。
このフィールドワークを通じて、まずは私たちが市民レベルの立場で何が出来るのかという問題意識をもつこと、そして実際にどうすればよいのかという行動を起こすことの重要性について深く理解できました。NGOは政府や企業と違って最も市民との距離が近く、市民の感覚や意識を取り入れやすいということに大きな期待をもちました。

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ページ公開日:2016年03月30日
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