2016年03月29日

「人間の安全保障フィールドワーク」レポート第6回

環境省、グリーンピース、富士ゼロックスを訪問しました。
環境問題グループ
植田まり華、岩崎萌々花、山田英雄、本庄莉緒、入澤雄介
「人間の安全保障フィールドワーク」レポートの第6回は、環境グループによる報告です。環境グループは、環境省、グリーンピース、富士ゼロックスを訪問しました。

環境省

環境省については、環境省地球環境局国際連携課の掛川三千代課長補佐に、個人としてインタビューを行いました。
どのような内容についてインタビューしたのですか。
はじめに、掛川様から自己紹介があった後、環境省がどのような活動をしているかについて冊子を使って説明してくださいました。その後、私たちが事前に用意してきた質問を5つさせていただきました。

質問の内容は、
  1. 違法伐採に対する海外政府の活動に何かアプローチをしているのか、
  2. 焼き畑文化を教育によって制限することができるのか、
  3. 法的拘束力のない森林原則声明についてどう考えているのか、
  4. 違法伐採の対策であるラベリングが機能していないが、それに関してどう考えるか、
  5. 森林保全によって気温上昇を防ぐことができるかどうか
です。
インタビューの感想を聞かせてください。
ブリ―フィングおよびインタビューを通して私たちは2つのことを学びました。

1つ目は、世界中で環境問題に取り組むことがいかに難しいかということです。世界には国連加盟国として193カ国もの国があり、国連で話し合いをして一つのことを決めなければなりません。しかし、日本にある学校のクラスでも1つの目標を決めるのは大変ですよね?それを全く考え方が違う193人で話し合って一つの目標を決めるのです。このような地道な話し合いを少しずつ積み重ねながら解決策を考えているのが現状ということです。

2つ目は国家ができることの限界です。環境問題は世界規模の問題なので、国が大きな役割を果たすのだと思っていましたが、国家は他の国の国内での活動に、原則、口出しができないため、日本として政策及び技術を通しての支援など、できることにはどうしても限界があるということを学びました。
フィールドワーク全体を通して、いかがでしたか。
フィールドワークを通して学んだことは、どんなに国が目標を立てて政策として実行しても、私たち一人一人が行動しなければ何も変わらないということです。何か物を買う時にこれはどこの国で作られて、誰が作っているのか、本当に環境にいいのかなどを考えていくなどの身近で小さなことがとても大切だと思いました。

グリーンピース

環境国際NGOグリーンピースの訪問では、テレファンドレイジングコーディネーター江島遼介様にインタビューしました。
どのような内容についてインタビューしたのですか。
グリーンピースの活動について伺いました。グリーンピースは、環境調査活動、調査結果の情報公開、企業・政府へ問題解決を目指した提案を環境保護と平和を願う市民の立場で行なう国際環境NGOです。こうした活動は、政府や企業からの資金援助を受けずに独立した立場で行っています。環境破壊の速度があまりに速く、政府や企業の対応が追い付いていない現状では、迅速に広く、人々に問題を伝えるため、 さまざまな行動(非暴力直接行動)を市民に呼びかけ、共に解決のために取り組んでいるということもわかりました。非暴力直接行動には、オンラインで署名を集めるものから、デモやパレード、さらには座り込みなど幅広い活動が含まれているそうです。企業にとっても環境に配慮することは、環境問題に積極的な企業とみなされ、イメージアップをはかることができ、さらに長期的に見れば利益追求にも繋がります。企業に対立して環境保護の重要性を訴え、問題解決を働きかけるwin-winの関係を築いていくことを「創造的対立」というそうで、グリーンピースはこうした手法の基に活動していることを教えていただきました。
インタビューの感想を聞かせてください。
謎の多いNGOである(笑)というイメージをグループメンバー全員が持っていましたが、実際に訪問してみると、環境保護に真摯に活動をしている団体であることがよくわかりました。例えば室内の冷房設定温度は28度にすることや、ペットボトルなどは買わずに、マイボトルといって自分で水筒を使うことや、扇風機で暑さをしのいだり、自らの服装もラフなスタイルで暑さを防ぐなど、自らが出来ることを模索し、何事にも挑戦されていることに気付けました。
フィールドワーク全体を通して、いかがでしたか。
このフィールドワークを通じて、まずは私たちが市民レベルの立場で何が出来るのかという問題意識をもつこと、そして実際にどうすればよいのかという行動を起こすことの重要性について深く理解できました。NGOは政府や企業と違って最も市民との距離が近く、市民の感覚や意識を取り入れやすいということに大きな期待をもちました。

富士ゼロックス

どのような内容についてインタビューしたのですか。
富士ゼロックスの企業理念についてお聞きしました。富士ゼロックスは、「CSRは経営そのものである」という信念のもと商品・サービスを提供しているとのことでした。CSRとは、「企業の社会的責任」のことで、一般的には、CSRと利益追求は別物として考えられます。しかし、富士ゼロックスでは、持続可能な社会や経営を目指すには、CSRに取り組むしかないと考え、資源循環システムの構築や省エネ機器の開発などを行い、地球環境問題の解決や、持続可能な社会の実現に貢献しているとのお話でした。
その他、興味をもった話はありましたか。
はい。商品の省エネ性能を高める中でも、お客様の利便性を損なってはいけないという考え方、すなわち「Real Green」をコンセプトとした商品・サービスの開発を進めているとのことでした。例えば、コピー機の待ち時間の大幅な削減に成功したことなどを例としてあげられました。実際にコピー機が一日のなかで使われているのは10%だそうで、今まではスリープモードから立ち上げるまでの時間を待たなければいけませんでしたが、このコンセプトを軸とした開発によって体感待ち時間ゼロを実現したとの話はとても興味をもちました。
インタビューを通しての感想を聞かせてください。
企業として、利益追求とCSRを両立していることが富士ゼロックスの最大の特徴だと思いました。また、製品、ソリューション、社員を通して業界に大きな影響を与えているのも富士ゼロックスだからできることであると感じました。例えば、他の環境保全に非協力的である企業に対して啓発運動を行い、ある一定の規定を下回った企業とは契約を結ばないと宣言することで、他企業をも巻き込むCSR活動を行っていました。富士ゼロックスへの訪問を通し、一つの大企業が変われば、他の中小企業を巻き込むことができるということがわかりました。

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ページ公開日:2016年03月29日
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