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2017年11月03日

本学で「第80回仏教学懇話会」が開催されました

本学の国際仏教学高等研究所(所長:辛嶋静志教授)が主催する「第80回仏教学懇話会」が、10月28日(土)に本学中央教育棟で開催されました。
今回は、本研究所に客員研究員として滞在中の(10月4日~11月8日)、フライブルク大学名誉教授オスカー・フォン・ヒニューバー博士に、「ヴェーダ、インドの文法家、そして初期仏教の言語」のテーマで、ご講演いただきました

フォン・ヒニューバー博士は、マインツ大学でインド学・比較言語学・古典文献学を学び博士号を取得され、その後も長きにわたりフライブルク大学のインド学研究科教授として活躍されました。マインツ学士院会員、オーストリア学士院およびフランス学士院客員、国際仏教学会前会長としても国際的に活躍されています。専門は、中期インド語、仏教梵語写本・碑文の研究、パーリ文献研究等多岐にわたり、その業績はインド学、仏教学の分野で欠くことのできない成果として評価されています。
講演でフォン・ヒニューバー博士は、初期仏教経典の用語には、仏教よりもはるかに古い『ヴェーダ』から借用語が少なからずある点に言及し、その具体例をいくつか示しました。仏教がインド文化圏で生まれ、インドの土壌の中で育った教えであるから、仏典を読むときも、その育んだ土壌の『ヴェーダ』やインド古典に対する知識が必要だということ等を説かれました。

今回の懇話会には、仏教学の世界的権威である博士の講演を聴くため、多くの研究者が参加しました。聴衆からは、釈尊の教えを伝えるパーリ語の起源についてなど質問があり、有意義な懇話会となりました。
ページ公開日:2017年11月03日