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2020年06月26日

2020年度SATREPSに本学理工学部を中心とする研究が採択!

この度、本学が推進するアフリカ諸国との国際共同研究の一環が科学技術振興機構(JST)および国際協力機構(JICA)による地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)に採択されました(代表:理工学部 佐藤伸二郎教授)。研究開発課題は「ナイルの源流エチオピア・タナ湖で過剰繁茂する水草バイオマスの管理手法と有効利用プロセスの確立」と題し、研究期間は今年度の準備期間を含め2021年度~2025年度までの5年間です。

本学では2017年度より文部科学省「私立大学研究ブランディング事業」において、エチオピア3大学との国際共同研究事業「PLANE3T(事業責任者:神立孝一副学長)」を、大学を挙げて推進して来ました。エチオピア・バハルダール大学でのスピルリナ培養ポンド建設や国際環境教育シンポジウムの共催などの多くの成果を成し遂げたことが、今回のSATREPS事業の採択に貢献しました。今回の採択はSATREPS-COSMOS(代表:理工学部 戸田龍樹教授)に次ぐ、2つ目のSATREPS事業となります。これまで私立大学では一つの学部で2つのSATREPS事業に採択された例はなく、本学ならびに理工学部の国際活動に大きな期待が寄せられています。

本プロジェクトの対象国であるエチオピア最大のタナ湖では、船を出せないほど密集して湖面を覆う外来植物ホテイアオイ(写真)が東京23区の面積に匹敵するほど過剰に繁茂し、様々な環境・経済問題を引き起こしています。ナイル川の源流でもある広大なタナ湖は、本来自然環境豊かな風光明媚な場所と知られています。本プロジェクトでは、これらの問題を解決するために、健全な湖沼生態系への修復に取り組み、ホテイアオイの刈り取り手法と収穫されたバイオマスの有効活用を研究開発していくものです。得られたバイオマスは栄養価の高いスーパーフードの「スピルリナ」(写真)や現地農作物を生産するための肥料や土壌改良材に変換され、「見えない飢餓」が蔓延するエチオピアで児童の栄養改善を目指します。
本SATREPSの実施チームは創価大学を主幹校として、滋賀県立大学、滋賀県琵琶湖環境科学研究センター、三菱UFJリサーチ&コンサルティングの国内4機関と、バハルダール大学、インジバラ大学、タナ湖周辺水域保護開発機構のエチオピア3機関で構成されています。創価大学からは、理工学部共生創造理工学科、情報システム工学科、経済学部、経営学部、教育学部、看護学部、プランクトン工学研究開発センターの教員・大学院生が参加予定です。

本プロジェクトのニックネームは「SATREPS-EARTH(Eco-engineering for Agricultural Revitalization Towards Human nutrition)」と呼び、本事業内容は4つの研究テーマに分かれます。(1)人工衛星やドローンを用いたリモートセンシング技術を利用したホテイアオイ・バイオマスの推定と刈り取り方法の確立、(2)収穫されたホテイアオイからメタンガス・バイオ炭(炭化物)・栄養を回収するプロセスの開発、(3)回収したバイオ炭や栄養を用いた土壌改良や水耕栽培を通した農作物生産性の向上およびスピルリナの大量培養を実施し、(4)大量培養されたスーパーフード・スピルリナを用いて、参画機関・学部の文理融合・産学連携チームで商品化や販売網を構築し、事業終了後も継続して運営することができる経済性を目指します。
これらの研究を通して国連が推進する持続的開発目標(SDGs)の3つのゴール-15.「陸の豊かさを守ろう」、 2. 「飢餓をゼロに」、 9. 「産業と技術革新の基板を作ろう」に貢献します。

研究代表の佐藤教授は、「これまで創価大学が開発してきたバイオマス有効利用方法を発展させ、これまでのアフリカとの学術・人的交流実績を踏まえながら、エチオピアの研究者と共に現地における環境・社会・健康問題の解決に貢献できることはこの上ない喜びです。本プロジェクトを通じて、エチオピアの実社会で役に立つ科学技術を確立させ、日本とエチオピアの将来のために学術や産業界における有望な人材を育成していくことを目指していきます」と、強く意気込みを語っていました。

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ページ公開日:2020年06月26日