年次計画

 各研究テーマ・ブランディング戦略の年次計画の概要を図5に示しています。
 本事業の年次計画(5年間)は、前半3年間のフェーズ1と後半2年間のフェーズ2に分けられます。フェーズ1では、処理対象とする廃棄物・廃水の選定、現地プランクトンの探索、実験室での基礎研究、現地NGOとの連携によるニーズの把握などを行う期間です。フェーズ1での最終年(3年目)には中間報告会を行い、PDCAサイクルによるプロジェクト全体の進捗確認、問題点の把握を行い、次フェーズの改善点としますフェーズ2はそれぞれの研究テーマで社会実装化に向けた研究開発、製品・商品開発、またそれらのバリューチェーンやBOPビジネスについて調査・検討を行います。現地適正技術の社会実装化については現地大学と協力し、国際協力機構(JICA)現地事務所などとも連携します。また、現地での製品・商品開発については現地NGO、餌料会社、食品加工会社、また日本貿易振興機構(JETRO)などと連携し、栄養補助食品をはじめとする実際の商品開発を進めます。各フェーズの詳細ならびに数値目標などの指標について各年度の目標の項に太字で示しています。フェーズ2の最終年度(5年度)には公開のシンポジウムを開催し、併せて第三者評価を受け事業終了後の活動についても協議し、上位目標へのアプローチ、事業の水平展開について検討します
 ブランディング戦略の活動については、年度を決めて実施するものと、毎年の開催を目標とするものに分けています。前者については、研究推進センターとも密接に連携し、時期や規模について決定します。現地でのセミナー、ワークショップの開催については、現地の情報、気候、慣例を配慮して実施します。事業最終年度には、各ステークホルダーに対してブランドが浸透していることを評価するアンケートを実施し、その後の活動に生かしていきます。

平成29年度
目標 【研究活動】
研究テーマ①:途上国において、処理対象とする廃棄物・廃水の検討
研究テーマ②:途上国における現地産植物プランクトンの情報収集・オミックス解析に向けた情報整理
研究テーマ③:途上国およびその周辺地域の生活環境・貧困・健康改善のためのニーズ把握
研究テーマ④:現地住民の教育のための国際機関との連携体制の整備、現地留学生・研修生受け入れ体制の整備
【ブランディング戦略】
本事業の広報活動・情報発信手段の確立、本事業の学内・学外周知、現地説明会の開催
実施計画 【研究活動】
研究を開始するにあたり、分析装置の立ち上げ、培養リアクターの整備を行います。
研究テーマ①:途上国の研究機関との意見交換、予備調査
研究テーマ②:途上国における植物プランクトン採取場所の検討
研究テーマ③:途上国およびその周辺地域における現地調査の実施
研究テーマ④:地域住民・国連機関・NGO・NPOに向けた現地セミナーによる本事業の広報、現地留学生の受け入れ体制の整備
【ブランディング戦略】
本学におけるブランディングセンターの設置、本事業の公式ホームページ・SNSの開設・運営 全学生・教員を対象とした本事業の学内説明会の実施、現地説明会の開催
平成30年度
目標 【研究活動】
研究テーマ①:処理対処とする廃棄物・廃水の選定、選定基質からのバイオガス生成能、消化液中栄養塩分析・評価→2種類の対象基質の決定(指標)
研究テーマ②:現地産植物プランクトンの採取・単離・培養→現地株10株の単離成功(指標)
研究テーマ③:途上国およびその周辺地域の生活環境・貧困・健康改善のためのニーズ調査→ データベースの充実
研究テーマ④:環境・経済教育へのアプローチ法の検討、現地住民の教育のための国際機関との 連携体制の整備、現地留学生・研修生募集→カウンターパートを選定し、決定する(指標)
【ブランディング戦略】
本事業の広報活動、本事業の学内・学外周知、現地における事業内容の周知→現地セミナー開催 (指標)
実施計画 【研究活動】
研究テーマ①:廃棄物・廃水の組成分析、その結果および現地ニーズ情報を合わせた上での経済性検討、選定廃棄物・廃水を用いたラボスケールメタン発酵実験
研究テーマ②:現地植物プランクトンの単離・培養および栄養塩除去能の評価
研究テーマ③:途上国およびその周辺地域における現地調査の実施
研究テーマ④:環境・経済教育のためのワークショップ教材の検討、地域住民・国連機関・NGO・ NPOに向けた本事業の説明、現地留学生の本学への受け入れ・研修対象者の募集
【ブランディング戦略】
本事業に関する現地セミナー開催、公式ホームページ・SNSでの広報、オープンキャンパスでの事業説明、研究成果の学内外での発表
平成31年度
目標 【研究活動】
研究テーマ①:対象地域に適したベンチスケールでの無動力撹拌型メタン発酵槽の設計・製作→ 無撹拌型発酵槽比分解率20%増(指標)
研究テーマ②:既知および現地の植物プランクトン種からの適正な種の選定→現地有望株2株の選定(指標)、ベンチスケール培養槽の設計・製作および濃縮・抽出・乾燥等のユニットプロセスの検討
研究テーマ③:解決すべき課題・ニーズの把握→2ヵ所の事業対象候補地の選定(指標)
研究テーマ④:現地留学生受け入れ・研修実施→2名の大学院生の受け入れ(指標)
【ブランディング戦略】
本事業の広報活動、本事業の学内・学外周知
実施計画 【研究活動】
研究テーマ①:ベンチスケールで用いるメタン発酵槽の種類の検討・設計(現在バッグリアク ターを検討中)
研究テーマ②:既知および現地の植物プランクトン種の含有する機能性物質の探索/生成能評価、 既知種との有用性比較による大量培養に用いる植物プランクトン種の選定、メタン発酵槽を含めた全体システムの検討、培養槽の種類・構造および濃縮・抽出・乾燥などのユニットプロセスの検討
研究テーマ③:収集した現地情報のデータサイエンス等を用いた分析・解析
研究テーマ④:現地留学生の受け入れ・研修実施
【ブランディング戦略】
学内・現地中間報告会実施、本事業概要に関する学外シンポジウム開催、公式ホームページ・SNS での広報、オープンキャンパスでの事業説明、研究成果の学会発表・論文発表
平成32年度
目標 【研究活動】
研究テーマ①:現地でのベンチスケール・メタン発酵槽の製作・実証実験→4カ月の安定した運転達成と問題点の抽出・改良(指標)
研究テーマ②:現地でのベンチスケール・プランクトン培養槽の製作・実証実験→4カ月の安定した運転達成と問題点の抽出・改良(指標)
研究テーマ③:選定された2種の植物プランクトン由来の有価物を用いた製品・商品例の製造・評価、現地学生との共同研究開発→3種の加工製品の試作(指標)
研究テーマ④:現地留学生の本学への受け入れ・研修実施、環境・経済教育→引き続き2名の大学院生の受け入れ、現地ワークショップの開催(指標)
【ブランディング戦略】
本事業の広報活動、本事業の学内・学外周知
実施計画 【研究活動】
研究テーマ①:ベンチスケールメタン発酵槽の運転
研究テーマ②:ベンチスケール植物プランクトン培養槽の運転
研究テーマ③:植物プランクトン由来の有価物を用いた製品・商品例の製造・評価
研究テーマ④:現地留学生の本学での受け入れ・研修実施、有価物を用いた製品・商品の製造・ 評価、国連・NGO等との環境・経済教育ワークショップの共催・評価
【ブランディング戦略】
学内報告会、現地報告会、メディア配信(テレビCM, 新聞等)、公式ホームページ・SNSでの広 報、オープンキャンパスでの事業説明、研究成果の学会発表・論文発表
平成33年度
目標 【研究活動】
研究テーマ①②:廃棄物・廃水処理から有価物生産までの全体システムの経済性評価(最終達成 目標)
研究テーマ③④:本事業を通して環境・経済教育を受けた現地の住民・若手企業家・学生などと協働し、途上国を起点とした国際的なバリューチェーンの構築、BOPビジネスの提案(最終 達成目標)
【ブランディング戦略】
本事業の広報活動、本事業の学内・学外周知、公開シンポジウムの開催
実施計画 【研究活動】
研究テーマ①②:実証実験の結果をもとにした、LCA・LCC(環境影響評価・経済性評価)による全体システムの経済性評価
研究テーマ③④:収集情報の分析・解析結果を盛り込んだ国際的なバリューチェーンのシミュ レーションを行い、現地のアントレプレナーや現地で活動している日本企業に提案
【ブランディング戦略】
学内・現地最終報告会実施、本事業成果に関する学外シンポジウム開催、公式ホームページ・SNS での広報、オープンキャンパスでの事業説明、研究成果の学会発表・論文発表