丹木の歳時記2011　文月　その二

関東甲信の梅雨が明けたのは9日。外にいるだけで滝のように汗が流れ落ちる暑さとなりました。本格的な夏の訪れとともにツユクサはだんだんと姿を消していくのでしょうか。

雑木林の中で大葉擬宝珠（オオバギボウシ）が咲き始めました。春の若葉は「ウルイ」と呼ばれる山菜として親しまれています。

とある場所で、栃木県民に人気のチチタケ（チタケ）を見つけました。栃木では「マツタケ以上」とも言われる香りとコクを求めて山中に分け入り、遭難してしまう人もいるそうです。

ヒダを傷つけると白い乳液で出てくるので、乳茸（チチタケ）と呼ばれています。栃木県民しか食べないといわれるチチタケ。栃木出身の学生諸君は、見つけても食べないで下さいね（笑）。

猛暑の中で、涼しげな一枚を。「文学の池」では蓮が咲き始めています。

蓮の花に見とれていると、蕾にはコオニヤンマがとまっていました。ちなみにオニヤンマはオニヤンマ科。同じヤンマの名前がついてもコオニヤンマはサナエトンボ科に属します。

コシアキトンボも縄張りを見張っているようです。腰の白い部分が空いているように見えるのが名前の由来です。

草むらではマユタテアカネがたたずんでいます。未成熟期は雄雌ともに黄褐色ですが、雄は成熟すると腹部が赤くなります。

樹液の出る木にやってきたのはノコギリクワガタ。夏の昆虫の主役の登場です。

奈良県の秋津遺跡で縄文時代のノコギリクワガタの全身が見つかったと発表されたのは5月末のこと。縄文時代のこどもたちにも人気の昆虫だったのでしょうか？