丹木の歳時記2011　葉月　その一

この季節、キャンパスでは様々な昆虫が観察できます。昆虫少年だった頃の昔に帰って、散策してみることにしましょう。

【ハグロトンボ】早速現れたのはハグロトンボ。青銅の剣のようなボディが魅力的です。静かにゆらゆらと飛んだりとまったりしています。

【マメコガネ】百日紅（サルスベリ）の花にやってきたのはマメコガネ。アメリカに侵入して害虫となり、ジャパニーズ・ビートルと呼ばれて厄介者扱いされています。

【クロアゲハ】クロアゲハが山百合の蜜を吸いにきました。幼虫は山椒などの葉を食べて成長します。

【クロヒカゲ】鼻が利くようになると、様々な昆虫がやってくる樹液の出る木は匂いで分かるようになります。目のような模様がある蝶はクロヒカゲです。

【カブトムシ】特等席に陣取っているのはカブトムシ（♀）。カナブンは遠慮気味に樹液を味わっています。時々、オオスズメバチもやってくるので要注意です。

【アカボシゴマダラ】アカボシゴマダラは奄美諸島に生息していた蝶。マニアなどの放蝶により関東一円でも繁殖しているようで、国立環境研究所の侵入生物データベースにも登録されています。

【ルリボシカミキリ】ルリボシカミキリとアカボシゴマダラが仲良く樹液を吸っています。昆虫たちにとっては、ミツボシレストランのような木なのでしょう。

【オオムラサキ】国蝶のオオムラサキもやってきました。美しい青紫の羽を持つのは雄だけ。環境庁のレッドデータブックでは準絶滅危惧種に指定されています。

【コオニヤンマ】キャンパスを一巡して「文学の池」に戻ってみると、コオニヤンマが悠然と羽を休めていました。

多様な昆虫が生息できるということは、それだけキャンパスの自然環境が豊かであることを物語っているともいえます。