丹木の歳時記2010　如月　その三

本学の一般入試が行われた14日の朝。八王子の最低気温は氷点下1.6度を記録しました。この日は、旧暦の元旦。寒い中にも初春と呼ぶにふさわしい季節感が漂い始める頃です。この時期のキャンパスには様々な野鳥がやってきます。日本で見られる鳥は約550～590種。数種類でも鳴き声や姿で見分けられるようになると、冬枯の雑木林が格好のバードウォッチングのフィールドに変わります。

【コゲラ】「ギーッ、ギーッ」という鳴き声や「コン、コン、コン、コン」と高速で木をつつく音が聞こえてきたら、近くにいるのはコゲラ（キツツキ目キツツキ科）です。

【キセキレイ】キセキレイとハクセキレイは、どちらもスズメ目セキレイ科の鳥。尾羽を上下に振りながら歩きます。

【ハクセキレイ】キセキレイとハクセキレイは、どちらもスズメ目セキレイ科の鳥。尾羽を上下に振りながら歩きます。

【シジュウカラ】この時期のシジュウカラ（スズメ目シジュウカラ科）は群れで行動することが多いようです。

【ヤマガラ】ヤマガラもスズメ目シジュウカラ科の鳥。「ツツピー、ツツピー」と鳴きます。

【シロハラ】シロハラは冬鳥。スズメ目ツグミ科の鳥で、雌雄はほぼ同じ色をしています。

【ルリビタキ　雄】秋から冬にやってくるのはルリビタキ（ツグミ科）。宝石のような美しい瑠璃（るり）色は雄。雌はそれほど目立ちません。

【ルリビタキ　雌】秋から冬にやってくるのはルリビタキ（ツグミ科）。宝石のような美しい瑠璃（るり）色は雄。雌はそれほど目立ちません。

【ジョウビタキ　雌】同じく冬にやってくるジョウビタキ（ツグミ科）。人を恐れず、すぐ近くまで飛んできます。

【ヒヨドリ】木の上で、「ピーピョロロ」と鳴くのは、ヒヨドリ（スズメ目ヒヨドリ科）です。

【モズ】犯人はモズ（スズメ目モズ科）。昆虫やカエルなどが犠牲になりますが、このような習性を「モズの速贄（はやにえ）」といいます。冬場に備えた食料の確保が目的なのか、食べる途中で飛び去っただけなのか。こういう行動をとる本当の目的は分かっていません。

植物は実を食べさせることで遠くまで種を運んでもらい、鳥と共生しています。鳥の習性や生存環境、他の生き物と共存関係を知ることで、キャンパスの豊かな生態系や生物の多様性をより深く実感することができます。

丹木の歳時記2010如月 その三

丹木の歳時記2010如月　その三