丹木の歳時記2010卯月 その六

通常、桜の開花時期は1週間ほど。パッと咲いては散る姿が、軍国主義の象徴として利用された時代がありました。 お国のために潔く散ることが勇気とされ、幾多の若者の尊い命が失われていった時代でした。

桜までもが国家主義に利用された時代に怒りを込めて、創立者はこう綴られています。 「今なお『引きぎわが、いさぎよい』ことを称える淡白さが、日本にはある。しかし、それで自分はよくても、どうやって『大事』を成し遂げられようか。(中略)栄誉もいらぬ、名もいらぬ、富貴もいらぬ、理解もいらぬ、ただ己の『ひとすじの道』に、かじりついて、ぶざまなまでに悪戦苦闘を重ね重ねて、二十年、三十年、四十年を貫き通していく。それこそが『勇気』ではないか」(「写真紀行『光は詩う』桜樹燦爛」)と。