丹木の歳時記2010　水無月　その六

梅雨の前後に咲き始める紫陽花や睡蓮。植物は一体どうやって咲くべき季節を知るのでしょうか。

京大や北大の研究チームによれば、植物には開花に関係する遺伝子があり、過去六週間の気温の変化を記憶していることが解明されたとのことです。

開花を抑制する遺伝子の働きによって温度の変化を記憶、短期間の気温の変化に惑わされることなく、開花の時期を判断するというメカニズムが働いているそうです。（参考：6月8日付け「東京新聞」）

紫陽花や睡蓮と同じ季節に咲く蛍袋。キャンパスのいたるところで見られます。

紫陽花や睡蓮と同じ季節に咲く蛍袋。キャンパスのいたるところで見られます。

【石榴】オレンジの花は石榴（ザクロ）。中近東原産で、平安時代に日本に伝わりました。

【泰山木】泰山木（タイサンボク）は、モクレン科の常緑高木。花からは良い香りが漂います。

【ヒラフスベ】サルノコシカケ科のヒラフスベというキノコ。木の上でシロクマが寝そべっているようにも見えませんか？

元気に囀っているのは画眉鳥（ガビチョウ）。恋の歌でも歌っているのでしょうか。

進化の過程で生み出された開花のメカニズム。花が咲く時期を選ぶのも、その季節に咲かなければならない理由があるからなのでしょう。花は、「時を知る」ことの大切さを私たちに教えてくれているのかもしれません。