丹木の歳時記2010　長月　その二

キャンパスを歩くと、昨年まで見かけなかった花に出会うことがあります。こちらが気づかなかっただけなのか、あるいはどこからか種が運ばれてきたのか。どちらにしても新たな草花との出会いには新鮮な驚きや感動があります。

【蔓穂】中央図書館の前で見つけた蔓穂（ツルボ）も、そんな花の一つ。小さなユリ科の多年草です。

【屁屎葛】こちらは8月頃から見かける屁屎葛（ヘクソカズラ）。それにしても随分珍妙な名前を付けられたものです。

【朴の実】「セントラル」の近くの朴（ホオ）の実。この中にたくさんの種が入っています。

【朴の花】5月に咲いていた花とは似ても似つかない形です。

池田記念講堂の裏手にある大きな木は、島百日紅（シマサルスベリ）。普通の百日紅に比べて高木になります。

幹は、逆立ちしたまま上半身が埋まっている人のようにも見えます。

本学の島百日紅は白い花を咲かせますが、本来は沖縄や中国、台湾などに分布する植物。レッドデータブックの準絶滅危惧種です。

【トレニア】「平安の庭」の近くでトレニアが咲くことも、昨年までは気がつきませんでした。パンジーのような色合いで、夏菫（ナツスミレ）という別名もあります。

キャンパス内の何処でどんな花が咲くのかは一応押さえているつもりですが、思わぬ草花との出会いによって、丹木の自然の更なる奥深さを教えられているような気がします。