丹木の歳時記2012　弥生　その一

「春に三日の晴れなし」とは、この時期の晴天は三日と続かないことを差す言葉。寒さと暖かさが行きつ戻りつしながら、少しずつ季節が変わっていきます。

室生犀星の「ふるさと」という詩を読んだのは小学生の頃でしょうか。「雪あたたかくとけにけり　しとしとしとと融けゆけり　ひとりつつしみふかく　やはらかく　木の芽に息をふきかけり　もえよ　木の芽のうすみどり　もえよ　木の芽のうすみどり」

「犬ふぐり　星のまたたく　如くなり」と詠んだのは高浜虚子。大犬のふぐりが近くの畑で咲いています。

木の実が少ないこの季節。イイギリの実は鵯（ヒヨドリ）の貴重な食物です。

黄鶺鴒（キセキレイ）が何ならついばんでいます。

すっかり大きくなったフキノトウ。もう少し小さいものを天ぷらにすると、ほろ苦い春の味覚が味わえます。

繁縷（ハコベ）は春の七草の一つ。正月７日の七草粥に入れられます。

中央図書館の向かい側では、山茱萸（サンシュユ）が見頃。ハルコガネバナの別名があります。

椿もキャンパスのいたるところで見られます。

この季節の主役はやはり梅の花。次回は梅づくしといきましょう。