丹木の歳時記2012　卯月　その一

東京で桜の開花宣言が発表されたのは3月31日。キャンパスの染井吉野はこれからですが、しばらくは桜に心を奪われる季節の到来です。

一方、地面の近くでは小さな花が咲き始めています。目立たなくてもけなげに咲く姿に、愛おしさが募ります。女子短大の近くで咲いていた桜草（サクラソウ）を見つけました。

「文学の池」の周辺を歩いてみると、菫（スミレ）がそこかしこで見られます。

猩猩袴（ショウジョウバカマ）の猩猩（ショウジョウ）とは、猿に似た中国の伝説上の動物。ちなみにチンパンジーの和名を黒猩猩（くろしょうじょう）、ゴリラを大猩猩（おおしょうじょう）と言います。

可憐な乙女のような片栗の花。本来、片栗粉は片栗の地下茎から作られていましたが、現在ではジャガイモの澱粉から作ったが大半のようです。

雑木林で咲く春蘭（シュンラン）には、ホクロ、じじばばといった不思議な異名があります。

一見すると花のようには見えない姫寒菅（ヒメカンスゲ）は、雑木林の中で咲いています。

背比べをするかのように、土筆（ツクシ）も一斉に顔を出し始めました。土筆は、杉菜（スギナ）というシダ植物の胞子茎の呼び名です。

蕗の薹（フキノトウ）も、すっかり花になってしまいました。