丹木の歳時記2013　水無月　その二

例年に比べて梅雨入りが早かったわりには晴れの日が続きましたが、ようやく梅雨空が戻ってきました。

キャンパスでは、紫陽花（アジサイ）が咲き始めました。やはり紫陽花には雨が似合います。色鮮やかな花びらのように見える部分は萼（がく）に当たります。

山法師（ヤマボウシ）も紫陽花と同じような構造をしています。四枚の花びらに見える白い部分は苞（ほう）と呼ばれます。秋には食べられる赤い実がなります。

薬草として知られるドクダミにも白い苞（ほう）があり、中心部の棒状の花序に小花が密集します。

「栴檀（センダン）は双葉より芳（かんば）し」という諺の「栴檀」は、香り高い白檀を差します。本来の栴檀の花には特段の香りはありません。

泰山木（タイサンボク）の花には香りがあります。「平安の庭」へと下る坂の右手で咲いていました。

「平安の庭」で咲く赤花夕化粧（アカバナユウゲショウ）は１㎝ほどの小さな花。いかにも日本的な情緒のある名前ですが、帰化植物で原産地は南アメリカです。

蛍袋（ホタルブクロ）は、キキョウ科の植物。蛍が飛ぶ時期に花を咲かせます。

本学の学生歌の歌詞に「桑の実みのれる城跡行けば」と歌われる桑の実です。城跡とは、近くにある滝山城址。戦国時代の城とされ、歌詞は「栄枯の夢にたそがれこめぬ」と続きます。

梅（ウメ）の雨と書く梅雨。梅雨の時期には梅の実も収穫時期を迎えます。

グミの甘酸っぱい実には渋みがあります。

グミの実に似ていますが、こちらは鴬神楽（ウグイスカグラ）です。コジキグミ、アズキグミという別名もあります。

ルビーのような木苺（キイチゴ）は初夏の味わいです。

湿気が高く鬱陶しい梅雨空の下でも、様々な花や実の豊かな色彩を楽しむ事が出来ます。