丹木の歳時記2014皐月　その二

立夏を迎え、夏のような日差しが降り注いでいます。キャンパスでは、貴重な山野草を観察することができます。

まずはラン科の植物を６種類。最初は海老根（エビネ）です。観賞用としても栽培されます。

次は黄海老根（キエビネ）。海老根の黄色い品種です。

続いて銀蘭（ギンラン）。黄色い花の咲く金蘭（キンラン）に対して、白いので銀蘭と呼ばれます。

金蘭は、絶滅が危惧される貴重な植物です。菌根と共生しているので移し替えても育ちません。見つけてもそっと見守りましょう。

熊谷草（クマガイソウ）も絶滅危惧種。鎌倉時代の武士・熊谷直実（くまがいなおざね）にちなんでつけられた名前です。

ラン科の最後は、鈴蘭（スズラン）。葉の形が山菜の行者ニンニクと似ているため、間違えて採取する人がいますが、鈴蘭は有毒植物です。

次はユリ科を２種類。宝鐸草（ホウチャクソウ）の宝鐸とは、仏塔などに吊す飾りを言います。

鳴子百合（ナルコユリ）は、小さな花が連なって咲きます。

馬の足形（ウマノアシガタ）はキンポウゲ科。可憐な花ですが、有毒です。

碇草（イカリソウ）の花には色々な形や色があります。

何とも不思議な花は多摩の寒葵（タマノカンアオイ）。こちらも絶滅危惧種です。葉の根元に花が咲きます。

さて、これは何の花でしょう。秋には美味しい実がなります。答えは木通（アケビ）。ただし木通は草ではなく、その名の通り、木でした。