丹木の歳時記2015　文月　その三

23日には二十四節気の大暑を迎え、本格的な夏が到来しました。樹液の出るクヌギの木には様々な昆虫が集まり、さながら昆虫たちのカフェテラスのような状態になります。

国蝶のオオムラサキは準絶滅危惧種。羽化後の寿命は約２週間です。見つけても大切に見守りましょう。

雌のオオムラサキの体が雄より大きいのは卵を産むためでしょうか。ちなみにオオムラサキの幼虫の食草はエノキの葉。羽化後は樹液が主食です。

アカボシゴマダラもやってきました。もとはといえば奄美大島に生息していた蝶。マニアの放蝶により関東全域に生息域を広げているようです。

水牛のような立派な角をしたノコギリクワガタ。この魅惑的なフォルムは今も昔も昆虫少年の心をくすぐります。

ルリタテハは羽を広げると美しい瑠璃色をしていますが、閉じた状態は樹皮の色に擬態しています。

カナブンたちも食事に夢中になっています。

「文学の池」ではコオニヤンマが悠然と羽を休めています。

睡蓮の葉の上にいるのはクロイトトンボでしょうか。体長は３㎝前後です。

ヤマジノホトトギスはユリ科の植物。「平安の庭」の近くの草むらなどで咲いています。

秋の田村草（アキノタムラソウ）はシソ科。近縁種に春の田村草や夏の田村草もあります。

朝顔に似た昼顔。昼に咲いて夕方に萎むとされていますが、朝から咲いているものも見かけます。

ヒメヒオウギズイセンはアフリカ原産の外来種。繁殖力が旺盛で、道ばたなどでも咲いています。