レポート作成講義【Aタイプ】を担当して
通信教育部 教授 有里 典三
通信教育部の学修支援室では、通教生のみなさんのレポート学習を支援するために、現在、入門タイプ・Aタイプ・Bタイプ・Cタイプの4種類のレポート作成講義を実施しています。
まず「入門タイプ」は、レポート学習全体の流れを理解してもらう点にポイントがあります。「Aタイプ」は、レポート課題の問いの把握と教材の理解の仕方に焦点を当てています。「Bタイプ」は、レポートの書き方、すなわちレポート全体を論理的に組み立てるスキルについて集中的に講義を行います。最後の「Cタイプ」は、レポートを提出する前に、通教生自身の手で自己点検してほしい推敲のポイントについて具体的に指導します。『学光ポータル』に掲載されるレポート作成講義のスケジュールを確認して、みなさんが受講したい講義に自由に参加してください。
さて、今回取り上げるAタイプでは、①レポート課題の問いを正確に把握するコツと、②論理的なレポートを作成するために不可欠となるテキストの読み方について学びます。まず、前提として、「シラバス」と「学習指導書」を熟読して科目の概要をつかんでください。次に、「レポート課題文」の〈キーワード〉に注目します。さらに、〈考察の種類・タイプ〉を考えて、この課題に報告型で答えればよいか論証型で答えればよいかを判別します。続いて『レポート課題解説』を熟読し、何が求められているのか、要求されている考察条件は何かを確認します。すなわち、課題の意図と学習内容をしっかりと把握します。
この後、テキストを繰り返し熟読し教材を理解します。最初は〈鳥の眼〉をもってテキスト全体の概要を把握するために「トップダウン式の読み」を心がけてください。テキストの「はじめに、目次、あとがき、索引」を読んで全体の概要を把握します。最初は分からない部分があっても気にせず先に進みます。二度目に読むときは〈虫の眼〉をもって「精読」します。すなわち、内容のまとまりを意識して読むことを心がけ理解した内容を要約します。論理的なレポートを書くためには、テキストを読む段階でもパラグラフ(意味内容のまとまりを指す内容文段)を意識して読むパラグラフ・リーディングが大切になります。パラグラフを意識して読むことでテキストの論理構成を理解します。なお、専門書などの学術書は小説や随想とは異なり、内容が理解できるまで何度でも読み返す必要があります。
仮にレポート課題が【Aについて説明せよ】であるとします。まずテキストを読み、Aを説明するために必要だと思う項目を書き出します。
・Aとは何か:定義、構成要素など、たとえば「Aとは○○である」
・Aの特徴:長所、短所
・Aの機能:Aが果たす役割、用途、Aにはどのような効果、課題があるのか
・他の項目との関連:同様の項目、対立する項目
以上の内容をテキストの中から探し「読書メモ」や「情報カード」を作ります。内容をしっかり読み取り要約することで「自分の言葉で」Aについて説明できるようになります。
通信教育の学習は、言うまでもなくレポート作成が中心です。良いレポートを書くためには、課題を正確に把握し、しっかりテキストを読み、内容についてよく理解し、よく考えることが大切です。この学習サイクルを確立することがレポート作成を成功に導く要諦と言えます。
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