自立学習入門講座64
―レポート全体のアウトラインをつくるスキル―
①1枚の紙を用意する→ ②紙の上のほうにレポート課題を記入する→ ③課題と関連した「アイデア見出し」を書きつける→ ④それらと直接関連する別の「アイデア見出し」を列挙し関連性を図示する→ ⑤各見出しの適当な配列を考えて番号をつける→ ⑥各見出しに分量の目安となる数字を記入する。
エスカレーターの安全な利用の促進のため、エスカレーターでの歩行を禁ずる自治体も登場するようになったが、賛否両論があり、これまで慣習として定着してきたエスカレーターの片側空けによる歩行が多くの場所で変わらず続けられている。エスカレーターの安全な利用を多くの人が認識し、行動するようになるための方策について、あなたの考えを述べなさい。
※課題文章が長すぎるので、落書きアウトラインでは最後の1文「エスカレーターの安全な利用を多くの人が認識し、行動するようになるための方策について、あなたの考えを述べなさい。」だけを書き出してください。
[ 出題の意図 ]
近年、エスカレーターの安全な利用の促進として、片側歩行を禁止する取り組みが進みつつあります。全国初の取り組みとして、埼玉県は「埼玉県エスカレーターの安全な利用の促進に関する条例」を制定し、2021年10月1日に施行されました。(2)名古屋市も2023年10月施行を目指して準備をしていることが報じられています。(3)
一方で長年に渡り、日本では左右どちらを空けるかの違いはあるものの、エスカレーターの片側一列を歩行する人のために空けておく利用の仕方が定着しており、混雑する駅でのエスカレーター歩行は大混雑とならないために不可欠との意見も多く出されています。また、すべてのエスカレーターを一律に扱うのではなく、ケース・バイ・ケースの対応が望ましいとの意見も見受けられます。さらには法律や条例で縛るべきではないとの意見もあり、エスカレーター利用者の意識を変えるのは簡単ではないことが明らかになってきました。何が正解か簡単には絞り切れない状況ではありますが、どのような解決策、方法が良いのか、あなたの考えをひねり出してもらうことがねらいです。
落書きアウトラインの作成いかがでしたでしょうか。設定した課題が広がりすぎていた面もあり、ハード面などになると専門知識が必要であったり、ご苦労をおかけしてしまったかと思われます。その点はお許しください。
この課題においては1つに絞り込んだような正解があるわけではありません。そのため、様々な方策が考え得るため、ここで模範解答のようなものは示しません。要はそれが説得力を持った主張になっているかどうかが正否の鍵を握っています。
落書きアウトラインの作業では、思いつくまま見出しを書き出し、取捨選択をしながら、取り上げる順番を考えてみることから始まります。最終的には裏付けのある情報を基に、他人が聞いても納得のいく論理展開が構成できているかが重要です。そしてそれは、さらに学習を深めていくと進化していく、変化していくものであるということです。
今回の演習が、実際にレポート課題に取り組まれる際に少しでも参考になれば幸いです。お疲れさまでした。
(1)平井康章編(2022)『自立学習入門(第三版)』創価大学通信教育部、P.130
(2)埼玉県ホームページ・エスカレーターの安全利用について
https://www.pref.saitama.lg.jp/a0310/escalator/escalator.html(2022.11.24閲覧)
(3)「エスカレーターは歩かずに」条例 名古屋市が制定へ 名古屋テレビ【メ~テレ】
https://www.nagoyatv.com/news/?id=016048(2022.11.24閲覧)
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