「教職の道」実現のために
通信教育部 講師 宗像 武彦
「教職の道」の実現のために、今年度3年次に編入した方、通教で、今年度4年次になり、各都道府県の教員採用試験を受ける方など、様々な立場の通教生の方々がいると思います。今回は、今年度4年次になり、各都道府県の教員採用試験を受ける方々に対してお話ししたいと思います。
4年次になる方は、これから5~6月に教育実習がある人がいますし、その教育実習の後に、各都道府県の1次の筆記試験が6月か7月に控えています。教員採用試験を突破していく努力が必要です。まずは1次を突破し、2次試験(都道府県では3次試験もあり)も突破し、教育の道に本格的に向かうことになります。
また、東京都の教員採用試験は、今年度から3年次に、1次に教職教養、専門教養の筆記を受験することができると、新聞等で報道されました。これは、民間の就活が、早めに始まっており、人材確保の視点で教員採用試験も変わってきている状況があるということです。
その中で、教員採用試験を乗り越え、「教職の道」実現のために具体的にどんな努力が必要か? 以下、私の経験をもとに一つの方向として書いていきます。
3年次からの方も含めて、教員免許の取得が大前提になりますので、教員採用試験と、単位の取得・卒業のための計画を立てていかないと、時間はすぐ過ぎてしまいます。
・卒業
・免許取得
・教員採用試験
の準備の計画を立ててください。
それを前提に、以下のアドバイスをさせていただきます。
(1) 各受験する都道府県の過去問対策をする
教職教養や社会常識、そして専門教養の力を見ていく1次試験が教師にとっての学力になります。その1次試験を突破するためには、都道府県の過去問に向き合っていくことが必要です。
過去問は、何度も同じ問題を繰り返し取り組むことで、その都道府県の問題の傾向と自分の弱点も見えてきます。本年度の出題傾向を見ると暗記式ではなく活用型の問題も見られます。そのために、次の2点の対策は必要です。
・都道府県の問題の傾向の把握と具体的な対策をする。
・問題傾向からの自分の弱点の把握と具体的な対策をする。
(2)論作文の対策をする
東京の論作文は1次ですが、他の道府県は2次などに論作文があるところが多いです。そこで大事なのは、各都道府県の課題に正対した論作文にすることです。正対した論作文にするには、
・その都道府県の過去の問題をもとに論作文を何度も書いていく。
・論作文を書いたら、各都道府県の知人の校長先生や教職キャリアセンター講師の先生方のアドバイスをもらい、何度も書いていく。
・受験する都道府県・市の教育委員会のホームページを見て、受験する地区の情報を常に把握する。
論作文は、具体的な教師としての取り組みを問う問題が多く、受験地区の情報をもとに何度も書くことで自分の考えがまとまっていきます。
一次試験の突破は、個人の日々の努力、やはり勉強量がものを言います。合格を勝ち取るという強い精神力と体力、身近にいる先輩や教職キャリアセンターの先生方との相談も1次試験の突破力になります。
◎ 集団面接・個人面接の対策ができていますか?
①集団面接は
集団面接には、集団討論と集団面接があります。その都道府県の状況をしっかりと把握することが大事です。
この集団の面接には、主にテーマが出され、そのテーマごとに自分の考えを伝えていく面接と討論していく面接があります。通教生の皆さんは、どうしても個人での取り組みが多くなり、集団面接の準備といっても難しいところがあります。そのために教職キャリアセンターのHPをチェックして「教員採用試験対策」の「集団面接」のところがあったら、申し込んでチャレンジしていくことです。夏期スクーリングの中でも、通教としての対策を設定しています。
集団面接は、出された課題やテーマを自分なりの現場を踏まえた考えをもとに、相手に伝えていく力が大事になります。そのためには、今まで出題された「テーマ」をもとに、自分はどう考えるか。集団面接を想定してノートに書いて考えをまとめていくことが伝えていく力になります。
②個人面接は
各都道府県で提出する「面接票」「自己PR表」などをしっかりとまとめておくことが大事です。この「面接票」などから、面接官がいろいろと聞いてきます。そのためには、「面接票」などに書くことは、
*聞かれても答えられることを書いておくこと。
*答えるときは、短くまとめて答え、そこから深堀されていく答え方も考え、まとめておく。
このようなことは、なかなか個人では難しいので、やはり近くの知人の校長先生や教職キャリアセンターの先生方への相談が大切になります。
③その他
各都道府県によって実技試験や模擬授業、現場での課題の付帯的な対応などもあります。その都道府県にあった取り組みと対策が決め手です。
今採用試験で、どんな教師を各都道府県の教育委員会は必要としているか?
それは、すぐにでも学校で子供たちの教育を任せられる現場力です。
働きながら仕事を持って学んでいる通教生の皆さんの多くは、難しいことであると思います。でも、教育の道へ行くためには、何としても教員採用試験の合格を勝ち取っていかなければなりません。そのためには、「現場力」が必要です。
・そのためには、現在の仕事を工夫し学校現場や子どもたちとかかわりところに自分の身を置いて学ぶことです。
・その状況や悩みを教職キャリアセンターの先生方とつながり、何度も相談して行くことで経験値となり現場力につながります。
こうした取り組みから「現場力」が身につき、1次や2次の面接試験で実感のこもった話や応対ができるようになっていきます。
社会の現実を知り活躍し、学びの努力を重ねている通教生の皆さんは、児童生徒たちが社会を身近に感じ未来を見つめ自ら拓いていく力の育成をめざす牧口先生の書かれている創価教育学に沿っていくものであり、子どもたちを第一に視点を持つ教師力があると思います。
通教生の皆さんが学校の現場力をつけて、教員採用試験を勝ち取り、教壇に立って創価の新たな教育への道を拓いていくことを期待しております。
むなかた たけひこ MUNAKATA Takehiko
通信教育部 教職指導講師
[ 職 歴 ] 東京都小学校校長
[専門分野] 教育学
[担当科目] 教職概論、教職実践演習
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