創価大学ニュース「SUN」108号 2021 Winter

06 足立 広美 / Hiromi Adachi 林家 たい平 / Taihei Hayashiya 1964年埼玉県秩父市生まれ。武蔵野美術大学造形学部卒業後、88年に林家こん平に 入門。2000年に真打昇進し、多彩な芸で老若男女の多くのファンを魅了する。「笑点」を はじめテレビ、ラジオ、全国での落語会出演のほか、母校 武蔵野美術大学の客員教授、 一般社団法人落語協会理事などを務める。  http://www.hayashiya-taihei.com/ 1976年茨城県土浦市生まれ。東邦音楽大学出身。幼児期における音楽教育に関する研 究を行うとともに、故郷である茨城県を拠点に歌い手として演奏会に出演。第20回長江 杯国際音楽コンクール声楽部門第2位(1位該当者なし)他多数入賞。つくば国際短期大 学保育科助手、講師を経て、2008年から現職。茨城県民オペラ協会所属。 by 林家たい平 方や方向性を生み出していく創造力や柔 軟性が大切だと感じています。いつまで も、立ち止まっていられないですからね。 やっぱり動かなければいけない。「コロ ナだからこんなことできちゃった!」み たいな挑戦を学生にしてほしいです。そ う思えるのも学生の特権だと思います。 たい平 :そうですよね。コロナ禍のこの 状況を最大限楽しむことができるのが、 学生ですよね。なぜなら、学生時代は利 益も利潤も生まなくていいから。とにか く楽しいことを考えていけば、そのアイ デアが、コロナから人々の心を救う方法 になるかもしれませんよね。 足立 :本学の建学の精神に「新しき大 文化建設の揺籃たれ」という言葉がある のですが、どんな状況でも価値創造をし 続けるなかで、人間は本来生きるべき道 を見出すことができるのだと思います。 たい平 :コロナ禍だからこそ価値創造 に挑戦するべきだということですね。僕 も落語のオンラインでの配信は若い人た ちが頑張っているので、その分野は彼ら に任せようと考えたときに、自分は何を するべきかを考えました。ウチのかみさ んなんかは「落語の稽古しなさいよ」っ て言うんですが、稽古って目標があるか ら身が入るんですよね。むしろ稽古はプ ロとしていつもしていることなので、今 しかできないことをする、そういう生き 方をした方が、もっとすごいものが落語 に反映されていくと僕は思いました。だ から、あえて落語から離れて、地域の人 たちを応援しながら視聴者に楽しんでい ただける動画の配信を試みたし、僕の実 家がテーラーだったことから「両親だっ たらこういうときに何をするかな」と考 え、マスクを自作して地域の方に配布し ました。コロナが終息したときに、落語 家・林家たい平として、今までにない魅 力が芽生えていたらいいなと思い、「今 だからできる、人とのつながりを大切に する行動」をしたんです。 足立 :多くの学生が、今何をするべきか 悩んでいます。自分の本業をがむしゃら にやるだけが答えじゃないんだというお話 は、とても勇気につながると思います。本 学には、社会貢献活動に積極的に取り組 んでいる学生も多く、彼らは思ったような 活動ができずに苦しい思いをしています。 たい平師匠のように、今だからこそ自分に できることを楽しめば、いつか本来の活 動ができたときには、より一層大きなパ ワーを身につけることができるんですね。 たい平 :どんな状況でも同じように時 間は過ぎていきます。だから、それを自 分にとって楽しい時間に何とか変えてい く発想の転換をする。そうすることで辛 い時間を有意義な時間に変えることが できます。コロナに屈しない創大生の価 値創造に期待しています。 SUN108 2021 Winter 「 今コロナ禍でしかできないことをする、 そういう生き方をした方が、 もっとすごいものが人生に反映されていく」

RkJQdWJsaXNoZXIy NDU4ODgz