創価大学ニュース「SUN」103号 2019 Autumn
コートジボワールの主要産業は農業。特にカ カオは世界第1位の生産量を誇り、日本の私 たちが食べているチョコレートの原料にも なっている。首都はヤムスクロであるが、大規 模な港湾及び空港を有するアビジャンは西 アフリカの最大の経済都市であり、外資系企 業や国際機関が多く拠点を置いている。 10 コートジボワール [アビジャン] SUN103 2019 Autumn 21世紀の到来から20年近くの年月が過 ぎても、貧困地域が抱える闇はまだまだ色 濃く、世界では1億5000万人以上の子ども が児童労働に従事しているという。 「2025年に全世界から児童労働を根絶す るというSDGsの目標達成を目指し、私たち は途上国の支援にまい進しています」。そう 語るのは、経営学部の栗山ゼミで国際的な 労働問題を学んだ卒業生の小笠原稔さん。 国際労働機関(ILO)の職員として、アフリカ 諸国を訪れ、児童労働を禁止する法制度や 教育体系の整備などを推進している。 創立者の「21世紀の大陸アフリカ」という 指針を受け、大学1年の春休みに訪れた西ア フリカで“どうしようもない貧困”を目の当た りにしたことが、小笠原さんにとっての原点。 そして、自分に何ができるか悩んでいたとき に栗山ゼミの授業でILOの活動を知り、こ れこそが自分の道だと人生を決めた。 現在は、コートジボワールにあるILOのア フリカ地域事務所を拠点に、カカオ、コー ヒー、綿花、金、茶といった輸出産品が子ど もたちによって生産されることのないよう、 アフリカ各国の政府、使用者団体、労働組 合、NGOなどと協力することで児童労働の 撲滅を目指している。 「日本でも近年フェアトレードに参入する企業 や団体が増えてきました。大好きなチョコレー トやコーヒーが児童労働によってもたらされ ている状況なんて誰も望まないですから」 “どうしようもない”貧困からアフリカ中の 子どもを救う日まで、小笠原さんは異国の 大地を駆け巡る。 5人に1人の子どもが 労働を強いられる、 アフリカの貧困を解消する。
Made with FlippingBook
RkJQdWJsaXNoZXIy NDU4ODgz