創価大学ニュース「SUN」106号 2020 Summer
15 新型コロナウイルス感染拡大防止策として、「PCR検査」 の重要性が連日各メディアで取り上げられている。「PCR検 査」とは検体内にあるウイルスの遺伝子を増幅して検出す る方法で、ウイルスの有無の判定に必要な量まで増幅させ るのに数時間がかかるため、日本国内でもPCR検査数が増 えていかないことが問題となっている。 今、そうした問題を解決するとして医療現場で注目を集 める P C R 検 査機 がある。迅 速ウイルス検出 機 器 「GeneSoC(ジーンソック)」だ。GeneSoC を使えば、何と 5~15分という短時間でPCR検査が可能だという。現在、経 済産業省主導で医療機関への導入も進められているこの画 期的な装置の開発者が、創価大卒業生の永井秀典さんだ。 「これまでPCR検査に時間がかかっていたのは、研究用の 検査機を医療現場で使っていたからです。GeneSoCは、医 療現場に必要なスピードを重視して開発した機械です。そ もそもGeneSoCがターゲットとしているのは、結核、エイ ズ、マラリアといった貧困国で多くの命を奪っている感染症 でした。迅速にウイルスの感染が判明すれば救うことので きる命はたくさんあります。そこで、妊娠検査薬やインフル エンザの検査キットのように、手軽でスピーディにPCR検 査ができる機械を目指しました。今後はさらにブラッシュ アップさせ、電子体温計のように各家庭で持てて、多くの方 の命を守るツールにしていきたいです」 画期的な装置で、医療の可能性拡大に挑む永井さんの原 点は、創価大学にあったという。 「出会いですね。『世界変えてやろう』みたいな、とんでもな いことを言っている人間が集まっている大学だったので、私 も自分の幸せより、もっとまわりの幸せのために何かしたい という考え方に変わっていきました。また、指導教官の久保 いづみ先生にたくさんのチャンスをいただきました。1年生 の夏休みにアルバイトとして研究のお手伝いをしたときは、 研究について何もわからない私にも高価な機材を触らせて くださった。ところが、それを壊してしまったのです。でも先 生は、『実験はそんなもんだよ』と笑ってくれました。そうし た経験に背中を押されたから、今、アグレッシブに次世代の 医療機器開発ができているのだと思います」 「世界を変えてやる」という思いを原動力に、 5~15分という短時間でのPCR検査を実現。 工学研究科修士課程 1998年修了(工学部2期) ※ 【 国立研究開発法人 産業技術総合研究所 研究グループ長 】 永井 秀典 さん コロナに挑む 卒業生 Special Interview ※工学部は、現在は理工学部 工学研究科は、現在は理工学研究科
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